僕の幼馴染ののぶまさ君は小学校6年生で2年生の僕より4こ上級生です。のぶまさ君の将来の夢は忍者になることです。だから日々修行をおこたりません。時々、下級生の僕達に「俺を掴まえて見よ」とか言って逃走ゲームを強要しますが、ハッキリ言って迷惑です。なぜなら逃走経路のあちこちに手裏剣(星形とかナイフのようなもの)とか爆竹(金魚花火)を埋めて、逃げながら攻撃してくるからです。特に怖いのは手裏剣です。子供が作るペラペラのブリキをはさみで切ったような簡単なものではなく暑さ1ミリぐらいの鉄板から切り出して先っちょを鋭く研ぎだした「殺傷力半端ない武器」で、それも手加減なく投げつけて来るので当たれば大怪我、もしくは死ぬかもね。
前回の逃走ゲームでのぶまさ君が投げた手裏剣が目の前の街路樹に刺さり、2センチほど食いこんでいるのを見た時には、生きた心地がしませんでした。でも上級生なので逆らえません。それで、自衛策としてのぶまさ君の姿が見えた時はたまり場から皆逃げるようになりました。それでも時々捕まるのが楽しくて、うひうひ笑う僕達、下級生も少し変かもね。
でも、のぶまさ君の忍者所業が終わる日が来たのです。
遊び場の近くの中学校の校舎の新築工事が有って、夕方、大人たちが帰った後に「探検隊で潜入ゲーム」をやるから付いて来いと、のぶまさ君が言いだしっぺで、これなら手裏剣無しねと安心して全員8人で工事現場に潜入します。のぶまさ君は相変わらず猿の様な身のこなしで足場(当時は仮説足場は無く杉の丸太を針金で括っていた)を昇って皆を驚かせたり、綱渡りの様にするすると丸太の上を歩いたりします。みんなは驚いたり、ヒヤヒヤしたり、お~と声を上げたりして、のぶまさ君の技に見入っています。その時、薄ら笑いで自慢げだったのぶまさ君の足がツルリ。
「うわ~」と全員悲鳴を上げ、2階の高さから落ちていくのぶまさ君をなすすべも無く見ます。その時、
「トウ!」と掛け声と共に空中で一回転したのぶまさ君が、大の字のポーズで着地体勢になります。
凄い!と驚くみんなの前で、のぶまさ君の両足が地面に着地するのは時間の問題。
でも、両足が着地する前に、のぶまさ君の金玉が足場の丸太に着地・・・ボフって、もろに強打。
ぐわ~と叫びながら鬼の形相の、のぶまさ君が僕達を睨みながら
「このことは誰にも言うな!言ったら死なす」と苦しみながら口止め。全員「うん、うん」
翌日、学校では1時間目が始まる前に、全校生徒が知ってたし。笑ってた。
のぶまさ君は忍者になる夢を捨てた。
その後、大人になって太ったのぶまさ君はペンギンみたいでした。
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