2018/01/19 05:00
自動運転の分野でも、即位に日本版GP「みちびき」を用いた実証実験が増えている。
ある自動車業界関係者は、自動運転におけるみちびきの利用について、「課題はあるが期待している」と話す。課題とは、ある程度高速の移動体での利用は、まだパイロット版の域にあること。また速度や加速度といった運動データを利用したINS(Inertial Navigation System)機能も必要で、使い方の面で工夫が必要となることだ。一方で期待しているのは、みちびきは日本上空にいるため車両から捕捉しやすく、かつセンチメータ級測位に必要な補正情報が衛星経由で送られてくるメリットがあるので。RTK-GPSでは必要となるネットワーク設備などがいらなくなり、手軽に使えて低コスト化につながるのではないかとしている。
現時点で、どのような取り組みが進んでいるかを見ていこう。
高速道路で実証実験
三菱電機は、みちびきのセンチメータ級測位補強サービス(CLAS)を測位に用いた自動運転車「xAUTO」の実証実験を、山陽自動車道の一部区間で進めている。xAUTOは、前方監視カメラや周辺監視カメラ、ミリ波レーダー、ソナーといった認知・判断・操作に関するセンサー類による自律型の自動走行と、衛星システムをはじめとするインフラ型の自動走行によって、自動運転を実現している。
信号機が頼りにならないとしたら、ほかにどのような方法が考えられるのか。
ヒントになるのは、スピードと人身事故致死率の関係だ。WHOのリポートによると、時速60キロで起きた人身事故は致死率がほぼ100%で、時速50キロでは約85%。しかし、時速30キロ未満だと5〜10%未満と大きく下がる(図版参照)。
「事故が起きても最悪の事態に至らないよう、そもそもスピードを出せないようにすればいいのです。ヨーロッパはその方向に舵を切り、都市内は時速制限30キロ以下が普通。ルールで縛るだけでなく、ラウンドアバウト(環状交差点)、シケイン(鋭角なS字コーナー)、ハンプ(突起)など道路にも工夫をして、物理的にスピードを出せないようにしています」
高齢ドライバーによる交通事故も目立つ今、人は運転でミスを犯すという前提に立って、交通施策をいま一度見直すべきだろう。
日本においても、経済のデジタル化が進む下にあっては、これまでの主力であった預金−貸出という金融仲介だけではなく、場合によっては無価値になってしまう株式のような媒体を通じた金融仲介がより重要になるはずである。しかし、個人にしてみれば、一か八かの金融商品は預金のように信頼できる貯蓄手段にはならない。そこには、やはり大数の法則を働かせた保険的な機能を噛ませる必要がある。日本の金融機関の工夫のしどころではないか。