■潮匡人(うしお・まさと) 評論家・軍事ジャーナリスト。1960年、青森県生まれ。早大法学部卒業後、航空自衛隊に入隊。第304飛行隊、航空総隊司令部、長官官房勤務などを経て3等空佐で退官。拓殖大学客員教授など歴任し、国家基本問題研究所客員研究員。著書に『安全保障は感情で動く』(文春新書)、『誰も知らない憲法9条』(新潮新書)など。
政府も発射の度、「現時点において、わが国の安全保障に直ちに影響を与えるような事態は確認されていません」と能天気に繰り返すだけだ。
百歩譲って「現時点」でそうだとしても、近い将来、日本の安全保障に死活的影響を与える事態ではないのか。何しろ、「北朝鮮は核兵器の小型化・弾頭化をすでに実現しているとみられる」(日本政府)のだから。
だが、三度発射されても国家安全保障会議(NSC)すら開かず、ハト派の自民党幹事長から苦言を呈される始末。官民とも、あまりに危機感が乏しい。(注1)
(注1)日本版早期警戒衛星整備加速が求められる。
:ミサイル発射探知、実証へ 政府、警戒衛星の保有検討