母が夕べに泣いた。理由は…
母の「妹に会いに行く。」と 唐突に言った。
私が 「送って行く。」と言うと「タクシーで行くからいい。」と言う。
「何のお話があるの。行くなら 都合も聞かないと。」そう言うと
母は 涙ぐんだ。
「大切な話なんやね。体調が悪いの。今後の事を頼んでおくのんやね。」
「人間の事だから いつどうなるか分からない。だから 話しておく。」
私は 兄弟がいない。母は 私が いくつになろうと 子供なんだ。
人生の終わりに 私の事を 頼みにいくのだろう。
ありがたい事だが 最後まで心配をさせる自分が情けない。
「もしも 1人になったら 今後の事は 自分で考えて行動する。
だから 何も心配しなくていいよ。」
そう 前から 伝えてはいる。
今は 「何で。体調が悪いなら 先生に診てもらおう。」
「もう 良くならない。点滴しても 同じや。早く逝ったほうが 迷惑を掛けない。あんたも 楽や。病院も 行かない。」
と 涙ぐむ。
「おかあちゃんは 私との生活が 楽しくなくなったの。迷惑は掛けたらいい。
私は おかあちゃんと 一緒に生活しているから こうしていられる。
おかあちゃんと 居られるから 楽しい。迷惑なんて…。楽には ならない。
おかあちゃんが 居なくなったら 私も 長く生きても しゃあないから 病院いくのやめるわ。」そんな会話を 打ち切るように 私は夕べの 買い物に出かけた。
母の体調は 悪かった。だけど 昨日の京都は 最高の暑さで37.5度まで
いった。元気なものだって 堪える1日だった。
ズ~っと 寝ていた母は 5時過ぎに 起きて そう言った。
私も 母の横で 寝ていた。一瞬早く 起きていた。
目が開いた時 母は 自分が 寝ても 元気にならない事に それが 連日だった
ので 気が弱くなったのだろう。
「今日は そんな日で 私も寝ていたんだ。」と 母に言った。
そして 血液検査の 結果を 見せながら 「良くなってるからね。」と 説明した。
もう この話は これで 終わりと 私は 思った。
買い物から 帰ると 母は台所で 洗い物をしていた。
私が 食事の用意をすると ほとんど 食べてくれた。
こんな事が 嬉しい。
食事の後 すいかも食べた。お薬も ちゃんと飲んだ。
この 幸せが続きますように。