この時期、児童養護施設にもひとまず別れの春がやってくる。
進学、就職、家庭復帰…色々だ。
恒例の送別会はコロナ対策の一環で、飲食を伴わない形に規模、時間共に縮小、そして消毒、換気など徹底的に対策するコトで何とか実施できた。
現場としては、長年一緒に過ごしてきた子たちとの別れを丁寧にしたい想いがある。
だからこそ、何とか送別会を実施できて良かった。
学校の卒業式とはまた違う児童養護施設の別れの場だ。
ほとんどの場合、子どもの意向とは別に、大人の事情で、ある日、施設での生活が始まる。
現場として、「丁寧な出会い」のための努力はするけど、子どもにとっては、どうしても喪失感からのスタートになってしまう。
ここが学校との大きな違いだ。
そして別れの仕方も学校の卒業式とはまた違う。
「丁寧な別れ」のためにやれるコトは沢山あるけれど、送別会の準備もその大切な一つだと思っている。
ボクは何年も前からその実行委員として志願し、一人ひとりの写真を音楽と共に流すVTR作成をしている。
今回はいつもより半分くらいのボリュームでの作成を余儀なくされたけれど、それでもそこに多くの時間とエネルギーを費やした。
おかげで、毎年この時期は目がショボショボになり、心身ヘロヘロになる。
キミはこんなに沢山の人に囲まれて生きてきたんだよ。
こんなにも沢山の人がキミを大切に想ってきたんだよ。
そんなメッセージを込めて、毎年、作成している。
会場は暗いので、皆の表情とか反応はよく分からない。
でも、何度も見たはずのVTRを見て、ボクはまた泣けた。
きっとボクの想いは届いたはず。
とある子が別れの挨拶の中でこう口にしてくれた。
他の施設は知らないけれど、自分はこの施設で良かった、と。
一時期、この子の担当をしていた一人として、心から嬉しく思う。
本当は家庭で普通に過ごすのが良いに決まっている。
でも色んな事情でそうもいかないコトがある。
本当は施設変更せず一つの施設で過ごすのが良いに決まっている。
でも色んな事情でそうもいかないコトがある。
親ではないボクたちに出来るコトは限られている。
限られた中でどれだけ丁寧に、大切に、アツく、優しく、想いを届けられるか。
本当に大変な仕事だけど、やっぱりやりがいあるな、と再確認させられた。
お別れした子たちの明日が幸せでありますように。
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