①からの続き
くーくんはばーばの家を出て、駅の方へどんどん歩き出した。
追いかけて、「ばーばが乗換駅まで送って行くから」と言っても
うなだれて首を振るだけで無言。
「じゃ、くーくんと家の周りを一緒に探すから」というとやっと頷いた。
「いま何時?」と聞くので携帯の時計を見ると18時30分は過ぎていた。
「待ち合わせの時間は6時15分なんだ」と小さく呟く孫。
2人で電車に乗り、乗り換えて くーくんの家の最寄の駅に着いた。
そうしている内にも、陽はどんどん傾き、探す時間は限られて行く。
駅の近くから、くーくんが未だ探していない場所の方へ足を向けた。
もう、7時近い。 前から人が歩いて来て、私たちとすれ違う。
浴衣を着た中学生位の女の子の3人連れや、幼い子をお父さんが肩車した親子連れ。
如何にも(これからお祭りに行きます)という人たちがますます増えて来て、
すれ違うので私も胸が痛い。
薄暗くなっていく周囲に、自転車探しも諦めムード。
くーくんの家の周囲の駐輪場も幾つか探したが、どれも空振りだし
ママも暗くなっては心配だろうと、家に返すことにした。
「ばーばも」と私の手を引っ張るので、私が居ては拙かろうと、
「くーくんが独りで帰りなさい。家に入れなかったら15分は、ばーばが
外で待っているからね」
それで、孫は家の戸をおそるおそる開けたようだった。
駅に向かう道に入り、(大丈夫かな?)と案じていると
2~3分してくーくんがひとり出てきた。
「どうしたの?」
「出て行きなさいって」
「くーくんは何て行ったの?」
「何処へ行ってたの、って聞くから、ばーばのお家って答えたの。」
うへ~っ! 何とか言い繕えなかったの~?
適当な言い訳ができないくーくんだもの。当然そう答えるよね~。
上手な言い訳されて、ママを丸め込んだら、それはそれで怖いよね。
で、ばーばも一緒に謝りに、くーくんの家の玄関に入った。
くーくんを家から出した後、ママは心配で後姿を見ていたらしい。
「あれは、自転車を探す気は無く、ばーばの家にまっすぐ行く後姿だったよ!」
「いや、探したんだよ。でも見付からなかったから」とくーくん。
「あの後、家の周囲を探したら、お前は居なかったよ。
自転車より、お祭りに行くなって言われたのが悲しかったんでしょ!」
やっぱり親だね。 子供の気持ちは良く分かっている。
自分が子供の立場だったら、そう思うのはママもばーばも同じなのだ。
でも親の気持ちも立場もあるしね~。
それでもくーくんは叱られていたが、私と一緒ではいつまでも其のままには
しておけず、とりあえず家の中に入れて貰った。
ママが私の家まで車で送ってくれると言う。
くーくんはママの愛想が良いので、許された気分になりかかっている?
有りがたく、車で送ってもらった。
でも車内での会話でくーくんが調子に乗りかかったら、ギッと睨まれて
肩をすくめていた。 もう一回くらいは絞られても仕方ないね・・・
③につづく
くーくんはばーばの家を出て、駅の方へどんどん歩き出した。
追いかけて、「ばーばが乗換駅まで送って行くから」と言っても
うなだれて首を振るだけで無言。
「じゃ、くーくんと家の周りを一緒に探すから」というとやっと頷いた。
「いま何時?」と聞くので携帯の時計を見ると18時30分は過ぎていた。
「待ち合わせの時間は6時15分なんだ」と小さく呟く孫。
2人で電車に乗り、乗り換えて くーくんの家の最寄の駅に着いた。
そうしている内にも、陽はどんどん傾き、探す時間は限られて行く。
駅の近くから、くーくんが未だ探していない場所の方へ足を向けた。
もう、7時近い。 前から人が歩いて来て、私たちとすれ違う。
浴衣を着た中学生位の女の子の3人連れや、幼い子をお父さんが肩車した親子連れ。
如何にも(これからお祭りに行きます)という人たちがますます増えて来て、
すれ違うので私も胸が痛い。
薄暗くなっていく周囲に、自転車探しも諦めムード。
くーくんの家の周囲の駐輪場も幾つか探したが、どれも空振りだし
ママも暗くなっては心配だろうと、家に返すことにした。
「ばーばも」と私の手を引っ張るので、私が居ては拙かろうと、
「くーくんが独りで帰りなさい。家に入れなかったら15分は、ばーばが
外で待っているからね」
それで、孫は家の戸をおそるおそる開けたようだった。
駅に向かう道に入り、(大丈夫かな?)と案じていると
2~3分してくーくんがひとり出てきた。
「どうしたの?」
「出て行きなさいって」
「くーくんは何て行ったの?」
「何処へ行ってたの、って聞くから、ばーばのお家って答えたの。」
うへ~っ! 何とか言い繕えなかったの~?
適当な言い訳ができないくーくんだもの。当然そう答えるよね~。
上手な言い訳されて、ママを丸め込んだら、それはそれで怖いよね。
で、ばーばも一緒に謝りに、くーくんの家の玄関に入った。
くーくんを家から出した後、ママは心配で後姿を見ていたらしい。
「あれは、自転車を探す気は無く、ばーばの家にまっすぐ行く後姿だったよ!」
「いや、探したんだよ。でも見付からなかったから」とくーくん。
「あの後、家の周囲を探したら、お前は居なかったよ。
自転車より、お祭りに行くなって言われたのが悲しかったんでしょ!」
やっぱり親だね。 子供の気持ちは良く分かっている。
自分が子供の立場だったら、そう思うのはママもばーばも同じなのだ。
でも親の気持ちも立場もあるしね~。
それでもくーくんは叱られていたが、私と一緒ではいつまでも其のままには
しておけず、とりあえず家の中に入れて貰った。
ママが私の家まで車で送ってくれると言う。
くーくんはママの愛想が良いので、許された気分になりかかっている?
有りがたく、車で送ってもらった。
でも車内での会話でくーくんが調子に乗りかかったら、ギッと睨まれて
肩をすくめていた。 もう一回くらいは絞られても仕方ないね・・・
③につづく
私もしょっちゅうやるので あまり叱れないかも?
それから・・・
「出て行け!」のようなことは 一度も言えない・・・まだ言ったことがないですね。
たぶん 一緒に探しに行ってしまう・・・。
そして 子供は 私をあてにしてしまう?かな?
「きっとお母さんがなんとかしてくれる・・・」
くーくんママの勇気がうらやましいです。
私の場合 どうしても最悪のことを考えてしまうので(何かあったら・・・と)
子供たちを甘やかしているのでしょうか?
結局は 何か事故などにあったとき
自分のせいで 事故にあったと思いたくないだけ?
あの時こうしておけばよかった・・・のように。
子育てって 難しいですね
続きが気になります。
それからどうなったんでしょうか?
盗まれた直後は「なんで鍵をかけておかなかったのか!」と後悔しきりですが
喉元過ぎれば熱さを忘れる、で2回になりました。
今でも面倒なので少しの駐輪は鍵を掛けなかったのですが
今回の事が起きてからは鍵をかけるようになりました
だから、私も大きなこと言えないのです。
くーくんママも、きっと勇気はないような気がします。
でもくーくんは「出て行け」と言われたと受けとったようです。
やはり、何かあったら、とみんな最悪のことを考えてしまいますよね。
夕方、くーくんが家に帰って来て、元気な顔を見たとたん、
今迄の心配の反動の安心感で、よけい腹を立ててしまったとか(笑)
こどもにとっては「お母さんがなんとかしてくれる」と思えるのは
一番良いことだと思います。
うちの場合、くーくんにとって(頼れるばーば)がいる、っていうのがあるので
話しが二重構造になるのかも・・・
数々の心配事を越えて来て、それでも未だ心配な親の気持ち、
身に沁みて良く分かります。
親はこどもがどんなに成長しても何時までも心配から
抜け出せないものなんですよね!
「自転車をさがしておいで!」
と 言ったつもりだったかもしれないですよね?
解釈というのは難しいもので
その時の自分の状態で 受け取り方が変わってしまいます。
自転車をさがしに行ったくーくんのことをどれだけ心配して待っていたことか・・・。
それはすごく想像できて 心がきゅんとなります。。
頼れる人はひとりでも多いほうがいい☆
自分ひとりではないと思えるのは
困ったとき、心のパワーになります!!
またも、深夜のコメント返しです。
くーくんがおたふく風邪に罹ったらしく。
でもまだ断定はできないようですが、首の下が腫れてきています。
4日ほど前から兆候はあったのですが・・・
それで、今夜も我が家で寝ています。
自分以外のひとの言った言葉をどう受け取るかは
たしかにその時の心理状態次第ですね!
失敗した状態の時は、相手の言葉がみんな心に突き刺さります、って今頃反省したりして。
子供の心も、大人の心もおんなじだと、改めて
気がつくばーばでした。
>頼れる人はひとりでも多いほうが良い☆
そうですね!
そういう人間関係を持てたらお互いに少し幸せ度がアップする気がします。