労働者階級に“アンダークラス”が激増 「ほかの階級のために犠牲に」と専門家

2018年02月24日 | 政治社会問題
労働者階級に“アンダークラス”が激増 「ほかの階級のために犠牲に」と専門家〈AERA〉
2/24(土) 7:00配信 AERA dot.
労働者階級に“アンダークラス”が激増 「ほかの階級のために犠牲に」と専門家〈AERA〉
雇用によって階級が発生(AERA 2018年2月26日号より)
 かつて多数を占めていた労働者階級が雇用形態で二つに分かれたという。正社員と非正社員の待遇は大きく違い、格差が固定化していく。

 正規雇用者と非正規雇用者には、収入格差、待遇格差がある。雇用形態によって引かれた境界線は、もはや階級ではないか。『新・日本の階級社会』の著者で早稲田大学の橋本健二教授(社会学)はこう語る。

「『格差社会』が流行語になったのは2005年ごろでしたが、現在では格差がさらに広がり、階級社会に突入していると考えています。1970年代後半から30年近くにわたって多くの日本人に信じられてきた『一億総中流』はもはや幻想で、高度経済成長の終わった75年以降、格差は広がり続けています。『中流』は解体しているのです」

 橋本教授によれば、日本社会には四つの階級が存在していた。経営者・役員などの「資本家階級」、雇用される管理職・専門職・上級事務職などの「新中間階級」、雇用される単純事務職や販売職、マニュアル労働などの「労働者階級」、自営業者・農家などの「旧中間階級」。

 戦後、農家の減少に伴い旧中間階級は減少し、代わって増えてきたのが労働者階級だ。50年には就業人口の28.1%だった労働者階級は、80年には50%を超え、00年に58.1%、10年には60.9%を占めている。

 このボリュームゾーンである労働者階級が、次第に「正規雇用」と「非正規雇用」で二分されるようになった。新たな階級として登場したのが、橋本教授がいう「アンダークラス」だ。

「アンダークラスとは、パート主婦を除く非正規労働者を指します。05年と15年のSSM調査(社会階層と社会移動全国調査)で20歳から59歳までの正規労働者と非正規労働者(パート主婦を除く)を比較すると、正規労働者は個人年収と世帯年収いずれも増加しているのに対して、非正規労働者の場合、女性の個人年収を除き、大きく低下しているのです」(橋本教授)

 非正規労働者の収入減は顕著で、個人年収(男性)で24.4万円、世帯年収で76.9万円(男性)、53.2万円(女性)だ。

「このアンダークラスが、全階級の中で激増しているのです。02年には691万人、07年には847万人、15年時点では929万人にものぼり、就業人口の14.9%を占めています。女性の比率が全階級の中で最も高いことも特徴です。アンダークラスは、いまや社会の主要な要素のひとつです」(同)

 アンダークラス──。衝撃的な言葉だが、橋本教授はこのアンダークラスこそ、「ほかの階級の生活の安定のために犠牲になっている」と指摘する。

「もしも、正規雇用者と非正規雇用者の業務内容がほぼ同じで、待遇が違うというなら、それは階級格差そのものでしょう」(同)
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日本が生み出した「アンダークラス」の怖ろしい実態

2018年02月24日 | 政治社会問題
日本が生み出した「アンダークラス」の怖ろしい実態
2/24(土) 6:00配信 現代ビジネス
日本が生み出した「アンダークラス」の怖ろしい実態
写真:現代ビジネス
5つに分かれる日本の階級
 橋本健二さんの『新・日本の階級社会』は格差が固定化し、貧困が深刻な問題になっていることを実証的に示した好著だ。

 橋本健二氏は、現下日本の階級を、資本家階級、新中間階級、正規労働者、旧中間階級、アンダークラス(パート主婦を除く非正規労働者)の5つに分ける。

 資本家階級は、大企業のオーナーや経営者だけでなく、従業員5人以上の零細企業経営者も含む254万人、就業人口の4・1%を占める。平均個人年収は604万円であるが、零細企業の社長を含むと平均はこんなところなのだろう。平均資産総額は4863万円、その内、金融資産は2312万円だ。

 新中間階級は高学歴の事務職や技師が中心で、1285万人で就業人口の20・6%を占める。平均個人年収は499万円で、資産の平均額は2353万円だが、持ち家がその多くを占める。持ち家のない人の平均額は935万円だ。

 正規労働者は、それほど高いスキルを要求されない仕事に従事する労働者で、2192万人いる。就業人口の35・1%を占め、5つの階級の中では最多数だ。平均個人年収は370万円で、資産の平均額は1428万円だ。資産の大部分が持ち家などの不動産であることは新中間階級と同様で、持ち家を持たない人の平均額は406万円である。

 旧中間階級は、自営業者と家族従業者により構成され、806万人いる。就業人口に占める割合は12・9%である。平均個人年収は303万円であるが、共働きのケースが多く、世帯年収は587万円になる。資産の平均額は2917万円だ。

 最も悲惨なのは、アンダークラスだ。929万人いて、就業人口の14・9%を占める。

 <企業規模は、正規労働者と同じく幅広く分布している。職種は、男性ではマニュアル職が57・9%と約6割を占め、残りはサービスと販売が多い。女性では事務、販売、サービス、マニュアルがほぼ4分の1ずつである。

 より詳しく職種をみるため、2015年のSSM調査(引用者註*「社会階層と社会移動全国調査」)データで10人以上になる職種を列挙すると、販売店員(47人)、総務・企画事務員(20人)、料理人(18人)、給仕係(18人)、清掃員(15人)、スーパー等のレジスター係・キャッシャー(13人)、倉庫夫・仲仕(12人)、営業・販売事務員(11人)、介護員・ヘルパー(11人)、その他の労務作業者(10人)の10職種だった。

 販売店員と非正規の事務職に加えて、ビジネスや人々の生活を下支えする、さまざまなサービス職とマニュアル職が含まれていることがわかる>


アンダークラスは増え続ける
 現下の日本経済は、アンダークラスに属する人々に依存せずには成り立たないのである。だが、その労働条件も待遇も、悲惨な状況に置かれている。

 労働時間でも <週平均労働時間は36・3時間と他に比べれば短いが、実際には全体の50・9%(男性57・1%、女性45・9%)までが週40時間以上働いており、労働時間の上でフルタイムと変わらない人が過半数である。

 平均個人年収は、186万円と極端に低い。平均世帯年収は343万円だが、これは同居家族のいる一部の中所得世帯によって引き上げられた平均値であり、63・8%は350万円未満、さらに24・1%は200万円未満である。このため貧困率は極端に高く、38・7%に上っており、とくに女性では47・5%にも達し、さらに夫と離死別した女性となると63・2%である>。

 シングルの女性は日本社会でとても厳しい状況にさらされている。資産についても、他の階級に属する人々と比べ、かなり低い。

 <平均資産総額は1119万円だが、やはりこれも持ち家による部分が大きく、持ち家のない人ではわずか315万円である。また資産がまったくない人の比率が31・5%に上っているのも特徴となっている>

 この経済状態だと、結婚して子どもを育てることが難しい。そのことが数字にも表れている。

 <何よりもきわだった特徴は、男性で有配偶者が少なく、女性で離死別者が多いことである。男性の有配偶者はわずか25・7%で、未婚者が66・4%に上っている。アンダークラスの男性が結婚して家族を形成することが、いかに困難であるかがよくわかる。

 女性の場合、既婚者は定義の上でパート主婦に含まれるため、すべてが無配偶者だが、このうち離死別者の比率は年齢とともに上がり、20歳代が11・5%、30歳代が37・5%、40歳代が60・9%、50歳代では80・0%である。

 未婚のままアンダークラスであり続けてきた女性がかなりの数いる一方、既婚女性が夫との離死別を経てアンダークラスに流入してくるようすがうかがえる>

 アンダークラスに属する人々は今後増えると見られている。

 <総合研究開発機構(NIRA)は、次のような試算を行っている。若者の非正規労働者が激増しはじめたのは、いわゆる「就職氷河期」と呼ばれた時代である。この時期に社会に出た若者たちの一部が、そのまま非正規労働者にとどまり、今日のように巨大なアンダークラスが形成されたのだった。

 NIRAは、この世代が老後に生活保護を受けるようになった場合に、必要になる追加の費用を推計した。これによると、就職氷河期の到来は、2002年までに非正規雇用者と無業者を191・7万人増加させたが、このうち77・4万人が65歳になった時点で生活保護の対象となる。

 彼ら・彼女らが残りの生涯にわたって生活保護を受け続けたとすると、その費用は17・7兆円から19・3兆円になるという>。

 アンダークラスを減らすための手を打たないと社会に壊滅的打撃を与える。

 『週刊現代』2018年3月3日号より
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安倍昭恵夫人が広告塔「300億円被害」怪しい会社の正体

2018年02月24日 | 政治社会問題
安倍昭恵夫人が広告塔「300億円被害」怪しい会社の正体
2/20(火) 11:00配信 SmartFLASH
安倍昭恵夫人が広告塔「300億円被害」怪しい会社の正体
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<私は総理大臣の一番近くにいる存在。皆さんの声を直接届けられる、国民の代表だと思っています>

 一般の書店では見かけない雑誌「Brilliant」(2014年夏号)で「日本を代表するブリリアントレディ」として語っていたのは、首相夫人である安倍昭恵氏(55)だ。

 本誌は、昭恵夫人が絡んだ「投資トラブル」をキャッチした。トラブルに巻き込まれたという女性はこう話す。

「出資を決めたのは、雑誌に昭恵さんをはじめとする政治家の奥様や、女性起業家が出ていて、このクラブは信用できる、と思ったからです」

「Brilliant」は、中高年社交クラブ「Hana倶楽部」が発行していた季刊誌。ほとんどが、約1万人ほどいたというクラブの会員に無料で配られていた。会員の多くは、50代から60代の女性。同誌とこのクラブはいずれも、株式会社ロゼッタホールディングス(以下ロ社)の傘下企業によって運営されていた。

 ところがロ社は、債権者から東京地裁に破産を申し立てられ、1月18日付で破産手続開始決定を受けていたのだ。

「ロ社代表を長く務めていたI氏は、話術が巧みで、会員にとても人気がありました。クラブのイベントでは、『昭恵さんには定期的に雑誌に出てもらう』と話していました。クラブでは、ロ社関連企業への投資を持ちかけられました。私は300万円ほど出資しました。なかには『今日は3000万円持ってきたのよ』と嬉しそうに話す70代の女性もいましたね」(別の女性会員)

 ロ社は、傘下の事業会社の未公開株の購入や、事業資金の小口出資をクラブで勧誘していた。

「なかには年率1割から3割という高い利率を謳った商品や、不動産投資への勧誘もあった。ロ社が集めた資金は300億円規模に上る」(信用調査会社社員)

 破産手続きの開始で、未公開株は紙切れ同然となり、出資金の償還が難しくなった。いったい、ロ社を率いたI氏とは、どんな人物なのか。経済誌記者はこう言う。

「I氏は、茶髪が特徴的な中年男性。『18歳で営業の世界にデビュー』『元トップセールスマン』と自称していた。 だが、I氏がロ社の設立前に役員を務めていた2社は、特定商取引法違反で、2007年に経済産業省から、2012年に消費者庁から業務停止処分を受けている」

 なぜ昭恵夫人はこうした怪しげな会社に絡んでしまったのか。同誌の編集の事情を知る関係者はこう明かす。

「編集を請け負った人物が、昭恵さんとも親しい友人を通じて、誌面への登場を頼みました。人件費や編集費、制作費は、すべてI氏が出しました。できるだけ派手にして、会員の気分が高揚するように作っていました」

 取材を受けた経緯を安倍晋三事務所に問い合わせたが、締切りまでに回答はなかった。

 I氏に出資金を返還する意思はあるのか。2月初旬、関西にある自宅マンションを訪ねると、インターホン越しに女性が応対し、「おりません。私たちにはわかりません」と話した。

 その後、ロ社と、関係者から入手したI氏の番号に電話をかけたが、出ることはなかった。代わりに、ロ社の破産管財人を務める高柳一誠弁護士に話を聞いた。

「ロ社の破産は、第三者申し立てで決まりましたので、実際の資産などの調査は始まったばかりです。債権者数や、債権額もこれから決まります。裁判所は、第1回の債権者集会を2018年6月に設定しています。まだ、決着には時間がかかります」

 妻の軽率なおこないが、再び夫に頭を抱えさせる。
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