セックスボランティア 河合 香織 新潮社 このアイテムの詳細を見る |
『セックスボランティア』の本を読んだ。1日で読破できた俺は、すごい!と
自分を褒める。
取材をし本を執筆された河合香織さん。色んなところへの取材、ご苦労さま
でした。オランダやアメリカのその時の事情が知れて良かったです。
内容は、読み進めていくうちに、『ん~~』と思いながら読み進めました。
この『ん~~』の意味は、過去にわが国が行った障害者を隔離する事に
繋がるのではないかという懸念である。
しかし、終章とあとがきでホッとした感がある。
この本は、障害を持つ人に対して、そして障害者自身のSEXについて、
特筆して取り上げている内容である。
障害者のSEXについての私の考えを述べる。
まず
①マズローから考えると、第1段階の生理的欲求と第3段階の所属と愛の欲求に
ついて書かれている。要するに、今日食べることが出来る人と生活が比較的
送れている障害を持つ人が対象になっていると考える。
②障害を持つ人たちの価値観・倫理観・生活態度などを各種の取材を通して、
書かれているのは敬意を払います。しかしながら、障害を持つ人全てに、
共通するのは、それぞれの成長段階があり人生があると言うことである。
それは、誰一人として同じはないという事である。
要するに、『障害者だから』としてしまうと、どうしても現在の社会では哀れみを
もたれ、それによって壁が出来てしまう事になるのではないかと危惧する。
③障害を持っている持っていないに関わらず、思春期においては異性が気になり
SEXをしたいという感情を持つのが普通である。その感情をうまくコントロール
出来るスキルを持つのも大人になる成長段階の一つであろうと考える。
④障害を持っている人が『何も出来ない人、いわゆるSEXも出来ない人』と規定
すると帰ってそれが偏見に繋がるように感ずる。障害として先天的又は後天的
は問わずに、障害を持つ人にも何か出来ることはないかと見出す事の方が大
切に想われる。
⑤終章及びあとがきには、上記4つのことの様な感じが書かれていたので、
ホッとした感じであった。
障害を持つ人に対する、ある一場面を取り上げて特筆されている本が書店に
並んでいる。そういう本を読むたびに思うのであるが、一括りにされている様な
感じを受ける。そうではなく、大見出しで、『これは、障害を持つ人の一部分であり
全てが、そうではありません。』という言葉を入れて貰いたいと思います。
いずれにしても、この様なことを気を付けて読んでいけば、社会の中で忘れられて
いる障害を持つ人を理解する一部になるかなという気持ちも同時にある。
もう少し、障害というものに目を向けて貰える社会であればいいなという想いは、
同じである。
最後に、決して非難をするものではない事を付け加えます。