晴走雨読

晴耕雨読ではないが、晴れたらランニング、雨が降れば読書、きままな毎日

『介護保険は老いを守るか』

2010-04-12 20:40:33 | Weblog
 4月から気分一新、お弁当包みを新しくしました。強く?なりたいので「ウルトラマン」!



 『介護保険は老いを守るか』(沖藤典子著 岩波新書 2010年刊)

 必要があって読んだが、これは悪書の典型だ。著者の中で、重要なことと些細なことの区別ができていない。

 著者は、現在の介護保険制度について、国や自治体が財源論を盾に政策的に利用を抑制したり、認定が厳しくされたりしているなどと、告発型の主張を並べている。

 しかし一方で著者は、国の社会保障審議会のメンバーとして、介護保険制度改革(改悪)の議論に参加しているのだ。自分の主張が通らないからといって、岩波から本を出すのもいいけれど、先ずは審議会委員を辞すべきであろう。

 私は、介護保険制度で最も重要なことは、女性が家庭内介護労働から解放され、介護が社会化されたことだと思う。

 10年程前までなら、女性が結婚するということは、相手の男性家庭に嫁に行き、将来その親の介護をして看取ることも含まれていたであろう。

 介護保険制度を論ずるなら、この国に現存する封建的な家父長制度と女性解放運動の関係を掘り下げてほしかった。前提となる問題意識が違っていれば無理なことだが。

 著者による制度の枝葉末節の議論は、赤旗にでもまかせておけば良い。



 
コメント (3)
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