晴走雨読

晴耕雨読ではないが、晴れたらランニング、雨が降れば読書、きままな毎日

夏目漱石 『吾輩は猫である』(漱石全集第1巻)

2019-01-15 09:51:29 | Weblog

どこかこの国は根本のところで世界認識を間違えてしまっているではないか。韓国、北朝鮮、中国、ロシア、そしてフランスと・・いずれとも上手くいっていない。米国の後を忠実に付いていった結果だ。野党の活路は外交でしか開くことはできないであろう。

 

『吾輩は猫である 漱石全集第1巻』(夏目漱石著 岩波書店 1965年刊)

近くの図書館で岩波書店が昭和40年に刊行した漱石全集全18巻を見つけた。その第1巻『吾輩は猫である』を借りる。未知の分野に踏み込むわくわくした気持ち。旧字体漢字、旧仮名遣い、総ルビに難儀しながらようやく読了。『猫』が500ページを超える長編とは思ってもいなかった。

たった一作なのでこれをもって「漱石を語らず」であるのは承知の上だが、日本文学界の巨人夏目漱石の凄さを感じることができたかというと否である。主人公の猫が飼い主とその家に出入りする人たちが延々と繰り広げる床屋談義を冷ややかな眼で観察し皮肉を込めた批評をしているが、作品全体を貫くストーリーというものは特にない。いつ始まっても終わってもいいような日記風小説。時々出会う風刺的な言葉、世の中に対して斜に構えた見方が少しの救いか。

本作品は友人である正岡子規の「ホトトギス」に明治38(1905)年1月から明治39年8月まで連載されたものである。丁度その頃は日露戦争の真っ最中という時代背景があるのだが、それもほとんど感じられない。

漱石の代表作ということで少し僕自身が力み過ぎたかも知れない。『猫』は漱石の初期の作品だろうから、この後の変化を追っていきたい。それとともに生じることであろう僕の中の変化も感じていきたい。じゃあ第2巻も借りて来よう。

 

「漱石や鴎外も読まないで吉本隆明を読んでわかったなどと偉そうにしている奴がいる。」という言葉を噛みしめながら。

 

 

 

 

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