昇交点

五藤テレスコープ的天文夜話

超新星 SN2017B

2017-03-23 18:50:35 | 天体観測

 

五藤光学研究所 嶋 邦博さんがうしかい座方向の銀河NGC5685に超新星を発見しました。発見は2017年1月2.79日(世界時)、五藤光学研究所 八ヶ岳観測所の45cmカセグレン式望遠鏡に0.33倍レデューサーを装着、冷却CCDカメラを使って4.8億光年かなたの銀河内での星の大爆発をとらえることに成功しました。

発見後はなかなか分光観測の報告があがらず確定されなかったのですが、先日リック天文台によってIa型超新星という報告が公表されSN2017Bという番号がつきました。

嶋さんの超新星発見は、2016年12月、おうし座方向の銀河CGCG 466-003に発見したことに続き通算で6回目となります。新月期中心の限られた時間の中にも関わらず精力的に捜索を続け、2年続けての発見となりました。

嶋さん、6個目の発見おめでとうございます。 (kon)

画像上:発見時の画像(嶋邦博氏提供)


第22回天体スペクトル研究会

2017-03-07 17:05:42 | 星まつり・観測会・イベント



3月4日・5日は仙台市天文台で開催された第22回天体スペクトル研究会に参加してきました。
天体スペクトル研究会 は分光観測に関連する研究発表があり年1回開催されています。

筆者は以前から関心はあったのですが、参加ははじめてでした。

内容としては、分光観測の研究発表、関連機材の紹介、教育普及活動などにわたっていました。参加者も会の性格上研究者や教育関係者が多く、アマチュアの参加は少なかったように思いました。筆者が天文雑誌を読み始めたころかそれよりも前は分光観測記事やスペクトル画像の投稿が結構あったように思いましたが、今はほとんどないかとても少なくなってしまったと感じています。

逆にデジタル技術のおかげもあって最近は学校の天文部や高校・大学での観測実習で取り組むケースが増えてきています。

分光観測の現状はそんな感じなのですが、そういう状況でも星まつりでアウトレット販売した星用直視分光器が完売したり、その後も少ないながらも天体のスペクトルを観察したいという問い合わせをいただいていますので、将来的には弊社で何か分光に関連するものを提供できたら面白いことになりそうかなと思っていますが、やるとなれば普及させるには時間をかけて丁寧にやっていくしかなさそうです。

ただ、筆者も残念に思っているのは分光観測の入門書に関しては国内では皆無で、洋書を頼るしかありません。天文教育とアマチュアへの普及を考えると1冊あるとありがたいです。(kon)