昇交点

五藤テレスコープ的天文夜話

双眼鏡の講演会

2014-10-30 07:18:34 | 望遠鏡・双眼鏡

弊社が加盟している日本望遠鏡工業会では定期的に関係者を対象とした勉強会を開いていますが、昨日は国立科学博物館の中島 隆氏を招き双眼鏡に関する講演を行ないました。

中島氏はライフワークとして国内外の双眼鏡について蒐集、調査、研究をおこない、月刊天文で連載もしていたことは双眼鏡愛好家のみなさんもご存知のことかと思います。

2時間ほどの講演でしたが、海外・国内の双眼鏡開発史、人物、企業、実機の構造などこのままいくと徹夜になってしまうのではというくらい盛りだくさんの内容で終始圧倒されました。またここまでいくともはや「双眼鏡道」という世界で、双眼鏡という光学機器の奥深さを改めて感じた次第です。

また、中島氏の講演で気付いたのは広角双眼鏡についてもとてもこだわりがあり、弊社のStarCruiseシリーズような広角のコンセプトはあらためて双眼鏡では重要な要素だと思いました。

今回は第二次世界大戦までくらいの話なので、ぜひ続きを聞きたいと望遠鏡工業会にリクエストをしたのは言うまでもありません。

あと双眼鏡関連でPRですが、11月1日(土)・2日(日)で開催されるジャパン バードフェスティバルでは昨年に続きトミーテックBORGブースでStarCruise842の実機を展示いたします。弊社の性格上は天文マニアの方にお求めいただく方がメインですが、ネットや口コミでバーダーの方からもご用命が増えました。この機会に実機を見るチャンスなのでぜひご来場いただければ幸いです。(kon)

(ジャパンバードフェスティバルでの展示について)
http://gototelesco.co.jp/jbf2014.html


三鷹・星と宇宙の日 2014

2014-10-27 07:16:04 | 星まつり・観測会・イベント

 

先週の土曜日は三鷹の国立天文台で「三鷹・星と宇宙の日 2014」が開催されました。当日は秋晴れのおかげでしょうか非常に多くの方が来場しました。

弊社は広場に双眼鏡StarCruise842と試作の10cm屈折鏡筒+マークX赤道儀を持込ました。昼間は肉眼黒点を太陽投影板で見せ、この黒点がおよそ地球の10倍ほどあると話すとみなさん驚かれていました。またStarCruise842ものぞいた方からは大変好評をいただき購入を検討したいという声もいただきました。リリースして1年以上が経ちましたが、いまだ根強い人気があります。

夜になると雲が出てきたものの、火星・夏の大三角の1等星・アルビレオを何とかご覧いただくことができました。

また、当日は各所でお世話になっている方にも声をかけていただきました。こういうイベントを通じて再会できるのも楽しみですね。

あらためて弊社ブースにお立ち寄りいただきましたみなさまにお礼申し上げます。(kon)

画像上:昼間の太陽投影の様子
画像中:投影板に投影された太陽と黒点
画像下:夕刻からの観望の様子


星の手帖と阿部昭さんを囲む会

2014-10-23 17:43:25 | うんちく・小ネタ

先週の土曜日ですが、星の手帖社の阿部昭氏が傘寿を迎えたということで、都内でパーティーが開かれました。弊社にも招待状が届きましたが、suzuは当日別件があり、今回はkonが参加することとなりました。

阿部氏についてはベテランのマニアには説明不要とは思いますが、かつては天文誌「星の手帖」の編集長を担当し、現在も星の手帖社でさまざまな書籍やグッヅを精力的に企画・販売しています。特に同社の組立式望遠鏡はこんなに安くていいの?と心配するくらいコストパフォーマンスが高く、入門者だけでなくマニアにも人気がある製品です。(筆者は正立像タイプがお気に入りです。)

会の様子ですが、日本の天文界のそうそうたるメンバーが集結しているのではないかという状況でしたので、筆者のようなはしくれでは少々居づらいのではと心配もしていましたが、幸いなことに知っている方も多く来られていたので料理と楽しい時間を過ごすことができました。これだけの方々が集まるわけですからこれも阿部氏の人望なのでしょう。

さて、星の手帖と言えば、筆者も中学~大学くらいまで購読してましたが、内容が少々難しかったことや天体撮影に興味があったので他誌に流れてしまったクチです。ちなみに五藤テレスコープにはsuzuのものが全冊本棚にあり、読み返してみるとなかなか新鮮で面白く感じるものです。商業的にどうかはありますがこんなスタンスの天文誌は今ならあっても良いと思いました。

ということで未だ衰えぬ阿部氏の今後の活躍を祈り締めさせていただきます。(kon)

画像上:壇上で挨拶する阿部氏
画像下:星の手帖 全冊集結


都立高校天文気象部におじゃましました

2014-10-17 20:26:22 | うんちく・小ネタ

 

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先日ですが、筆者の近所にある都立立川高校の天文気象部に行ってきました。

同校は明治34年に創立、戦前には早くも天体観測ドームを持ち、当時は五藤光学研究所製4インチ屈折赤道儀が装備されていました。この望遠鏡は2006年に町田市立博物館・明石市立天文科学館・2007年に新潟県立自然科学館で展示していたのでご覧になった方もいらっしゃるかも知れません。

現在は15cmフローライト屈折赤道儀と各種天文機材と気象観測機器を持ち、20名以上の部員が活動をしています。

6月ごろ、顧問の先生が弊社を訪問され、備品のマークX赤道儀修繕のご依頼と部活動に際して指導をいただけないかと相談をいただいたことがきっかけでした。同校とは筆者の自宅の近所でありながら接点がこれまでなかったこと、かつて4インチ屈折赤道儀をお使いいただいたご縁もあるので微力ながらお手伝いをさせていただくこととなりました。

夏休み前と9月の学園祭の時期、修繕したマークX赤道儀の納品の時に話しをするテーマや中身等を先生と打ち合わせさせていただきました。

 内容は筆者がこれまでやってきたデジタル機器を活用した撮影・測光・分光の観測事例をお話をさせていただきました。筆者の観測は主に自宅(立川市)でやっていることから、都市部における天体観測活動のヒントになればと思ったからです。

前に「日本天文学会とジュニアセッション」でも書きましたが、決して天文に関心がある若手がいないわけではなく、われわれ業界や天文マニアが彼らの存在や活動にもっと注目し、交流を深めることが今後の市場を作る上でのポイントになるのではないかと感じました。しかしそれは長期的な時間が必要になるかも知れません。(kon)

都立立川高校(ホームページ)
http://www.tachikawa-h.metro.tokyo.jp/

都立立川高校天文気象部(ブログ)
http://tamc.blog72.fc2.com/

都立立川高校天文気象部(ツイッター)
https://twitter.com/tamc_net

画像
現在主力の15cmフローライト屈折赤道儀
観測事例紹介の様子
マークX2軸モータードライブ取付中


皆既月食

2014-10-09 09:30:00 | 天体観測





昨夜の皆既月食はいかがだったでしょうか。

中にはStarCruise842でご覧になったり、マークⅩユーザーのみなさまの中には2軸モータードライブを活用された方もいらっしゃったかも知れません。

こちらの方ですが、当日は朝から雲量が多く、夕方になるとほぼ雲が空を覆う状況になり、これはダメかも知れないという状況ですが、撮影用の望遠鏡・眼視用のスポッティングスコープをセットし開始を待ちました。

食が始まるころ、雲の切れ間から月が時々姿を見せるようになったものの、ニュース番組の月食中継を見ると都内は何と快晴でちょっとショックでした。しかし、今から晴れ間を探して移動することも無理なので腰を据えることにしました。

そうすると、食が進行するにつれ晴れ間が増え、奇跡的に皆既中はほぼ月のあるところはスカッと晴れる状況となり、画像の通り赤胴色の月を見ることができました。天体望遠鏡を撮影用にしたので、眼視では20倍のスポッティングスコープと会社のStarCruise842で月を眺めていました。

皆既中の月の西側には天王星見えており、StarCruise842でもわかりました。都市部で天王星を探すのは難物ですが、今回のように月がそばにあると分かりやすいです。

その後皆既が終わると再び雲が出始め、終了まではほぼ雲中という状況で今回の皆既月食は終わりました。なので全部の経過を追いかけることができませんでしたが、皆既だけはほぼ見ることができたのは幸いでした。ちなみに皆既月食を前回見たのは2011年12月ですから、気がつけば3年ぶりで時が経つのはやっぱり早いものだなと思いました。(kon)

画像上:皆既中の月
画像下:皆既中の月と天王星