<figure class="articleImage" style="width: 250px;">

スマホを襲う恐れのあるウイルス                

写真拡大

<figcaption class="articleImageCaption">

スマホを襲う恐れのあるウイルス                

</figcaption></figure>

 スマートフォン(高機能携帯電話)向けに販売されているゲームなどアプリ(応用ソフト)を一部改造するだけで、ウイルスに変化させられることが分かった。

 感染すると再起動を繰り返し、操作できなくなる「メモリ破壊」に至る。専門知識があれば比較的簡単にできるといい、犯罪に利用されかねない。関係者は正規のアプリ販売ルート以外は使わないように呼びかけている。

 危険性があるのは、年間出荷台数で国内シェア1位のOS(基本ソフト)「アンドロイド」搭載のスマホ。ウイルス対策ソフトを開発・販売するトレンドマイクロ(東京)が実験で確認した。

 トレンド社が、アプリの製造番号を通常の数十文字から38万7千文字以上に書き換えてスマホにダウンロードしたところ、再起動を繰り返した。OSを初期化すると収まったが、画像や住所録など保存していたデータは全て消えたという。

 製造番号の書き換えはアプリの開発技術があれば可能。アプリ開発のノウハウはネット上でも広く知られており、個人でもマスターできる。一方でウイルス感染したスマホのOS初期化は、業者に持ち込まないとできないケースが多い。

 同社は、OSの開発元である米グーグルに調査内容を伝え改善を助言している。グーグルの広報担当者は産経新聞の取材に「トレンド社の調査結果についてはコメントできない」としている。

 調査会社のMM総研によると、アンドロイドスマホの昨年の国内出荷台数は1651万台でシェアは56・4%。トレンド社は「アンドロイドスマホを標的に、製造番号を意図的に変えたアプリがネット上に出てくる可能性がある」と指摘。

「グーグルプレイストア」などの正規サイト以外からはアプリをダウンロードしないよう呼びかけている。