宇宙旅行が遠い夢ではなくなりつつある。米国では官民で法整備や「宇宙港」の準備が進み、来年にも実現しそうだ。日本でも旅行会社が参加説明会を開き、地方では宇宙港誘致の動きもある。ただ、日本では法律面などで課題もあり、国内発着の宇宙旅行はもうしばらく先になりそうだ。

■日本からも18人が予約

 「宇宙観光の時代は必ずくる。あとはいつ行くのか、という時代なんです」

 宇宙旅行を専門に扱う旅行会社「クラブツーリズム・スペースツアーズ」の浅川恵司社長は先月、東京都内で開いた説明会で約50人の参加者に呼びかけた。

 同社は、旅行大手クラブツーリズムが今年1月に設立した宇宙旅行専門の子会社。航空会社などを持つ英ヴァージングループ(VG)が米国で計画する宇宙旅行を販売する。

 計画では、スペースシャトルの元パイロットらが操縦する専用の「宇宙船」(乗客6人)で米ニューメキシコ州から高度110キロメートルまで上昇。4分間の無重力状態を体験する。宇宙船は米国の大手航空機メーカー、ノースロップ・グラマンの子会社が製造。これまでに150回以上テスト飛行し、今年1月には高度22キロに達した。早ければ来年にも最初の客が乗る予定という。

 参加費は25万ドル(約2500万円)。一部または全額支払いが条件の予約は世界で650人以上、日本からも18人いる。その1人、6年前に申し込んだ兵庫県の会社役員山本美知子さん(63)は「幼いころ両親と月を見上げ、ウサギの伝説を聞いてから宇宙旅行は夢。かなう夢なら実現させたい」。

関連情報:朝日デジタル:http://www.asahi.com/articles/ASG4N6RQDG4NUTIL01G.html?ref=nmail