なおじい(HOBBY:カメラ・ビデオ撮影・DVDオーサリング/資格:ラジオ体操指導員・防災士・応急手当普及員)

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家庭の電力使用データ、暮らしの分析・災害対応に活用

2019年11月20日 10時12分31秒 | デジタル・インターネット

家庭の電力使用データ、暮らしの分析・災害対応に活用
【イブニングスクープ】

2019/11/19 18:00
 
 

家庭での電力の使用時間や消費量などのデータを、ビジネスや災害対策に使う取り組みが動き出す。公的機関の認定を得た団体でデータを扱うことを条件に、企業や自治体への提供が認められる見通しとなった。電力の利用を分析すれば、世帯の特性を地域ごとに詳しく把握できる。すべての世帯を対象にした新しいデータビジネスが広がりそうだ。

 

電力会社が家庭に配置し、オンラインでつながったスマートメーターと呼ぶ電力計で把握するデータが対象となる。電力会社はメーターを通じて、電気が使われている場所と時間、使用量などのデータを30分ごとに把握している。

 

イブニングスクープ

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今の電力会社は原則として、個人の利用状況などを外部に提供することを電気事業法で禁じられている。経済産業省が電気事業法に例外規定を設け、個人が同意すれば、匿名でない形でのデータ提供も可能な枠組みとする。データは企業や自治体に提供する。

データの不正流出を防ぐため、IT(情報技術)の業界団体である日本IT団体連盟(東京・千代田)が総務省の指針を踏まえて認定する「情報銀行」を使うことを条件とする。情報銀行はデータを預かり、個人の希望に基づいてデータを企業に提供する。電力会社などが新たに設立することを想定している。

電力の使用には暮らしぶりが映る。例えば地域ごとに夕方の電力使用のたちあがりとピークを分析すれば、店頭の商品を帰宅のピークに合わせて充実させるような配送ルートを設定できる。人手不足に悩む小売店では、営業時間や人員配置の設定に生かせる。

深夜の電力使用が膨らむ地域は若い世代が多いと考えられる。新規出店の商圏分析がしやすくなる。個人を特定した形でのデータ利用の場合は、電力利用から規則正しい生活ぶりが分かれば生命保険などの保険料を安くするといった商品開発が可能だ。

すでに東京電力ホールディングスNTTデータを主体に50を超える企業や団体が参加する組織が立ち上がり、データの活用を研究している。

自治体による災害対策での利用も期待される。時間帯ごとの人口が正確に分かれば、詳細な避難計画をたてられそうだ。

個人がデータの提供にいったん同意しても、改めて拒否したくなったり問題がおきたりすれば、途中で止められるようにする。政府は運用状況を監視する方針だ。

スマートメーターは2019年3月末時点で家庭など低圧電力を利用する場所の6割超に設置された。24年度には、すべての電力会社が設置を終える。ほぼすべての家庭が対象になれば、巨大なデータ基盤が生まれる。

経産省は20日に開く有識者会議で案を示す。20年の通常国会に電気事業法の改正案の提出を目指す。

現在は原則として、電力大手は業務で得た個人の電力データを第三者に提供できない。2000年代に入って電力の小売り自由化が進む中、電力大手の送配電部門が自社の小売部門に対して、競合する新興小売りの営業情報を流すことを防ぐ狙いがある。

一方で、電力の使用データは電力大手グループだけが保有する状況にある。新たなデータ資源として、適切な仕組みでビジネスに活用できる環境づくりを目指す。