なぜホンダ「N-BOX」は売れ続ける? オーナーが本音で語る良いところ・悪いところ
現在の軽自動車は「スーパーハイトワゴン」と呼ばれる背の高いワゴンモデルが売れ筋です。なかでも、もっとも人気があるのがホンダ「N-BOX」です。なぜN-BOXは売れ続けるのでしょうか。人気の秘訣を、実際のユーザーに聞いてみました。
普通車からの乗り換えでも不満がない? N-BOXの人気の秘訣は?
軽自動車のなかでも、2011年のデビュー以来、ずっと売れ続けている大人気モデルが、ホンダ「N-BOX」です。
2019年1月から12月の年間の販売台数は、ホンダとして過去最高となる25万3500台を記録し、新車販売台数においては3年連続、軽四輪車新車販売台数においては5年連続の首位を獲得。
一番売れてるホンダ「N-BOX」
現在の軽自動車は、1700mmを超える「スーパーハイトワゴン」が販売上位になっていますが、ライバルのダイハツ「タント」や、スズキ「スペーシア」などを抑えて首位を独走しています。
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N-BOXのグレード構成は意外にシンプルで、ノーマル/カスタムの2種類、搭載されるエンジンは自然吸気/ターボがあり、2WD/4WDを選ぶことも可能です。あとは装備内容によりベーシックな「G」、装備が充実した「G・L」、助手席のロングスライド機能を装備した「G・EX」となります。
N-BOXの魅力は、どのようなものなのでしょうか? 実際のオーナーに聞いてみました。
●出版系会社員:Kさん(50代男性・埼玉)
おもに書籍や楽譜などを製作している出版社にお勤めのKさん。もうすぐ還暦を迎えるにあたり、より快適に移動できるクルマが欲しかったということから、ノーマルのN-BOXを購入しました。グレードはG(ホンダセンシング)・2WDで、ノンターボのモデルです。
「とにかく広い車内空間で、大人4名でも圧迫感がないのがいいです。後席が広く、荷物が積めるので、ラゲッジルームが必要ないくらいです。明るいベージュの内装で、安っぽさを感じさせない上質なインテリアも気に入っています。
ホンダセンシングは多少の慣れが必要ですが、とくに高速道路などで快適だと思います。ただし、高速道路で横風が強いときなど、若干フラフラしてしまうことがあります。
また、購入したのはターボ車ではなく自然吸気エンジンということもあり、アクセルの踏みはじめがモッサリしていて、出だしが遅い気がします」
丸目のヘッドライトで飽きのこないデザインのノーマル仕様は、目立つのを嫌う中高年ドライバーからも好評です。
そして、広々とした車内空間がお気に入りとのこと。とくに頭上空間の広さはスーパーハイトワゴンのメリットで、ホイールベースも2520mm確保されており、スライド機能を組み合わせれば通常のコンパクトクラス以上の快適性を味わえるのが魅力です。
一方で、全長3395mm×全幅1475mmに対し、1790mmもある全高は、どうしても横風の影響を受けやすくなります。
またパワー不足を感じるのは、58馬力のNAモデルのエンジンとCVTのセッティングによるところもあるでしょう。それでも変速ショックが少ないCVTは、ノーマルのN-BOXが持つ愛嬌のあるキャラクターにマッチしているといえます。
●服飾系自営業:Oさん(40代男性・東京)
服飾系の会社を経営されているOさんは、都内をクルマで移動することも多く、かつ荷物も積む機会が頻繁にあるため、以前からスーパーハイトワゴンを「仕事のアシ」として購入を考えていたそうです。
ウインタースポーツにも使いたいということで、ターボのG・EX(ホンダセンシング)4WDを購入。もともと普通車に乗っていたそうですが、とにかく道具として使いやすそうなシンプルさが気に入ったとのことです。
「仕事柄、荷物を積むことが多いのですが、後部座席に大きな荷物を積むときに、助手席スーパースライド機能が便利です。後部座席は足が組めるほど広く、もしかしたら運転席よりも快適なんじゃないかと思います。
ターボ車ということで、流れに乗ってしまえば思ったより俊敏に走ってくれるところも気に入っているのですが、背が高いゆえに、高さ制限のある駐車場に入庫できないのが困ります。
また、売れているクルマなので仕方ないのですが、街で同じクルマに遭遇しやすいです」
64馬力を発生するターボエンジンは、NAよりもパワフルで市街地ではキビキビ走ってくれます。
また、仕事の関係で長尺物やサイズの大きい荷物も乗せやすいシートアレンジも、非常に役に立っているとのことで、普通車から軽自動車に乗り換えても、駐車場の問題以外は、いまのところはメリットしか感じていないそうです。
カスタムの迫力のあるフロントフェイスは意外と女性にも人気
●不動産会社勤務:Aさん(30代女性・茨城)
茨城県在住で不動産会社に勤務するAさんは、茨城県は電車よりもクルマ移動が多い土地柄とのことで、クルマは一家に1台ではなく、個人に1台ずつというケースも多いそうです。
内装の質感も高いホンダ「N-BOXカスタム」
平日は通勤に使用し、週末は子どもと一緒に買い物に出かけることも多いAさんが、迫力のある見た目の良さに惹かれて購入したのはカスタムのターボ(ホンダセンシング)2WDです。
「N-BOXはとにかく車内が広くて、子どもなら立ったまま着替えられるところが便利です。また、フロアが低いので、小さい子どもや高齢の両親も乗り降りしやすいです。
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ちょっと残念なところは、ターボ車なので燃費は期待していなかったとはいえ、思ったより伸びなかったことです。また、自分よりも背が高いので、洗車でルーフを洗うのが大変です」
Aさんは、これまでにも軽自動車に乗っていて、N-BOXは3台目になるそうです。いままで乗ってきたハイトワゴンよりも広い室内に惹かれて、N-BOXを購入しました。
N-BOXの室内高は1400mmもあり、小学生程度なら立ったまま着替えできる室内高で、子どもからも評判はいいとのことです。
また、カスタムのシャープで迫力のあるフロントマスクは、ノーマルのN-BOXではシンプル過ぎると感じるユーザーにはぴったりで、大型スーパーなどの駐車場でも見つけやすそうです。
燃費性能が不満とはいえ、エコドライブを意識せず、またエアコンをフル稼働させても17km/L前後を記録しているとのことなので、実際はかなり低燃費ともいえます。
※ ※ ※
N-BOXのオーナーは、車内の広さに惹かれて購入したケースが多く、走行性能より車内の快適性を挙げる人が多かったです。
また今回話を聞いたオーナーは、普通車から初めて軽自動車に乗り換えた人もいましたが、不都合を感じる機会はほとんどないとのことでした。
長距離を走るユーザーはパワー不足を感じるかもしれませんが、リアシートの広さ、乗り降りしやすいフロアの低さなど、完成度が高い軽自動車としてN-BOXが売れているのも納得できます。
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