なおじい(HOBBY:カメラ・ビデオ撮影・DVDオーサリング/資格:ラジオ体操指導員・防災士・応急手当普及員)

身についている『ワザ 』でボランティア活動・地域社会とのコミュニケーション、楽しいシルバーライフ目標で有意義に過ごす 。

電気自動車を「走る蓄電池」として考えると、災害時にどのように活用できるのか。

2020年03月12日 07時53分30秒 | NBOX

電気自動車を「走る蓄電池」として考えると、災害時にどのように活用できるのか。

日産は、昨年の台風15号の際に53台のEVを停電地域の自治体や福祉施設に貸与し…

 
サステナブル・ブランドジャパン左からフォーアールエナジーの松原氏、日産自動車の高橋氏、熊本市の舛田氏、ファシリテーターを務めた日産自動車の大神氏

サステナブル・ブランド国際会議2020横浜、初日に開催された、昼食を取りながら聴講できるランチセッションの一つは「SDGs推進へのEV活用による連携」。このセッションでは、日産自動車が推進している“日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」”の取り組みによる地域課題解決の事例と熊本市でのEV活用事例などが報告された。(岩崎 唱)

EVは、走る蓄電池

ファシリテーターの日産自動車日本事業広報渉外部の大神希保担当部長は、電気自動車は単なる移動手段ではなく、大容量のバッテリーを搭載しているために「走る蓄電池」として社会インフラの一部を担える価値があると確信していると述べた。そして、自動車会社として商品を世に出すという視点ではなく、持続可能な社会の実現に向けて電気自動車がどのように地域課題の解決につなげられるかという視点で、自治体や企業とEV活用による連携を進めていると説明した。

「ブルー・スイッチ」でSDGsに貢献する

続いて日産自動車日本事業広報渉外部の高橋雄一郎氏は、EVの販売台数は国内累計で約13万台になり、そのバッテリーをすべて利用すると約50万世帯分の一日の電気量を賄え、EVが電源としても大きな価値があることを指摘。日産では、EVを「いつもの時」は環境に優しくエコな移動手段や家庭の電源として、「もしもの時」は走る蓄電池として被災地を支援する電源として活用することで社会全体を変革する「ブルー・スイッチ」という活動を展開しSDGsを実践しようとしている。

また、活動の実例として令和元年台風15号の千葉県大規模停電におけるEVによる電力供給支援活動を紹介。日産は、台風上陸後2日目に53台のEVを停電地域の自治体や福祉施設に貸与。EVを非常用の電源として活用した。EVは給電中でも無音のため周囲に迷惑をかけず、排気ガスがでないので建物の中でも安心して利用できた。さらに、バッテリー容量が大きいため長時間給電でき、高出力であるためパワームーバーという給電装置を使えば数多くの電化製品を同時に使えることなどの利点があった。日産自動車ではEVを停電対策として活用する取り組みを熊本市、横浜市をはじめ26の自治体や企業と連携し進めている。2020年度には約100件へ拡大する計画があると述べた。

サステナブル・ブランドジャパンOLYMPUS DIGITAL CAMERA

二次使用電池を有効活用

次にフォーアールエナジー社外取締役の松原雅一氏がバッテリーの二次利用により再生可能エネルギーを普及させ低炭素化社会への好循環サイクル創出への取り組みを紹介した。ファーアールエナジーでは、EVの使用済みバッテリーを回収し性能別にグループ化し、高品質・高性能なものはEVの交換用バッテリーに、中間性能のものは電動フォークリフトなど急加速による負荷が発生しない車両用に、使用頻度が低いものを工場の変電設備のバックアップ用蓄電池として再利用している。

そして、2018年より日産リーフで使用済みのリチウムイオンバッテリーを、同じ日産リーフの補修用部品(日産純正)として再製品化する世界初となる「EV to EV リユースビジネス」を展開している。また、セブンイレブンの一部の店舗で太陽光発電の余剰電力の蓄電地設備とし二次使用電池を使用している事例や、同社の事業所がある福島県浪江町の国道113号沿いに昼間太陽光で発電した電気を二次使用のバッテリーに蓄電し夜間LEDで町を照らす「リボーンライト」設置の事例などを紹介した。

EV活用で「上質な生活都市」へ

続いて熊本市での連携事例を熊本市環境局環境推進部の舛田一郎氏が紹介した。2016年に熊本地震による大きな被害を受けた熊本市は、地震からの教訓を生かし「ライフラインの強靭化~SDGs未来都市計画~」を推進している。

その中で災害時の電力を確保するため、市が出資した地域エネルギー会社がゴミ焼却工場で発電した電力を40%の市施設に供給している。さらにEV充電拠点を整備し自立・分散型のエネルギーシステム構築に取り組んでいる。そして日産自動車との連携により災害発生時は、市が所有するEVと日産販売店のEVが「走る蓄電池」として充電拠点から避難所などへ電力を供給するために向かう計画があることを報告。熊本市は2050年には温室効果ガス実質排出ゼロを目指し、安心安全な「上質な生活都市」へと変身しようとしていると締めくくった。

最後にファシリテーターの大神氏が、地域課題解決に対し企業が自治体と連携していくには、何かを変えていきたいという思いが大切だと説いた。その上でビジョンや進め方の合致が重要で、それがクリアできれば話し合いながら方策を決めていくことができるという。持続可能な社会の実現には、まずできることから始めるのが重要だと話 す。日産自動車は、今後も自治体や企業と連携することで少しでもSDGsに貢献していきたいと述べた。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿