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 待ち時間は30分以上が当たり前。それでも評判の味を求めて客足が絶えない。そんなうどんの名店が奈良県高取町にある。ミシュランガイドの「おすすめの店」にも選ばれた。みずから「要領が悪い」と言う店主が調理から片付けまでたった一人でこなしている。

 近鉄壺阪山駅から徒歩10分、国道169号沿いにある「にしかわ」。10月上旬の昼、店内に入ると「当店は手造りですので只今の待ち時間は30分となっております」という看板が目に入った。時間の「30」は「45」「60」に取りかえられるようになっている。

 「いらっしゃいませ!」と元気よく迎えてくれたのが店主の西川卓司(たかし)さん(66)。店内の客は2組3人だけだったが、西川さんは「30分ぐらいかかると思いますが大丈夫ですか」と真顔で聞いてきた。

西川さん、ひとりですべて切り盛りする、手作りうどん店