写真・図版帰任式に臨む緊急消防援助隊奈良県大隊=2018年7月9日、奈良市八条5丁目、照井琢見撮影

 奈良市消防局総務課によると、第1次隊の79人は7日午後7時ごろに現地に到着。9日までの3日間、救助活動にあたり、逃げ遅れた人ら65人を救出した。9日からは第2次隊の76人が救助活動にあたっている。

 9日午後11時35分ごろ、奈良市八条5丁目の奈良市防災センター前に、第1次隊の隊員79人のうち38人が到着した。仲川げん市長や、消防職員など約20人が隊員を迎えた。

 第1次隊大隊長を務めた奈良市消防局の山中徹哉司令長(56)によると、救助活動は浸水した建物の2階などに取り残された人の救出活動から始まった。「夜は部屋のライトがチカチカするなど、逃げ遅れた人が出す様々なサインを見渡しながら活動しました」

 地元住民から「岡山は災害のないまちだったんだよ」という声を聞いた山中司令長。「水害は怖いと改めて思いました。今回の救助活動を通じて、奈良市での災害に強いまちづくりが必要だと感じました」と話した。(照井琢見)

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 西日本豪雨で被災した岡山県倉敷市真備町に派遣された奈良県警広域緊急救助隊警備部隊が10日、帰任し、県警で活動を報告した。警備2課によると、隊員12人は7日午後7時ごろに岡山県に到着。8日から活動を開始し、2日間で6人を救助した。

 中川達哉小隊長(51)によると、隊員は8日、介護施設から利用者ら6人をゴムボートで救出。付近の家を1軒ずつ回り、取り残された人がいないか確認した。中川小隊長は「水害現場は初めてで、凄惨(せいさん)だなと思いました。いろいろな現場を想定した訓練をせねばならないと思いました」と話した。