第60回奈良県吹奏楽コンクール(県吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)が3日、同県橿原市北八木町3丁目の県橿原文化会館で開幕した。7日までの5日間で、小中高の吹奏楽部や市民楽団など計142団体が、それぞれの音楽を奏でる。

 3日は、高校Aの出場メンバー以外の部員が参加する高校Jと、50人までを上限とする大編成の中学校Aの前半があった。高校Jは、5校が自由曲を演奏。中学校Aは、19校が自由曲と課題曲を披露した。

 中学校Aの審査結果は、4日に出演する後半の20校が演奏を終えた後にまとめて発表する。金賞受賞校の中から関西吹奏楽コンクールに出場する代表3校が決まる。(加治隼人)

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 高校J【金賞】天理▽郡山▽高円【銀賞】高田▽一条

円滑な進行 支える「誘導係」 裏方の高校生

 奈良県吹奏楽コンクールは、受け付けや楽器の運搬、扉の開閉、アナウンスなどを吹奏楽部や放送部の高校生約60人が手伝っている。年に1度の大舞台の円滑な進行を、裏方として支える。

 出演者を調律(チューニング)の場所や本番の舞台へ案内する「誘導係」は、平城高校吹奏室内楽部が務める。辰巳和奏(わかな)さん(1年)と冨田夏代さん(同)は、2人1組で誘導にあたっていた。

 調律場所は3カ所で、団体ごとに異なる。「場所が覚えられない。大変です」と辰巳さん。冨田さんとともに確認しながら、出演者に入場や退場の道順を伝え、演奏後にロビーまで誘導した。「出演団体の方がリラックスしているので、落ち着いて誘導できます」

 冨田さんは「誘導係は時間を正確に計らないといけないんです」。調律の30分間を守らせるのも役割。普段はスマートフォンが時計代わりだが、「この日のために腕時計を買いました」。時計に何度も目を配り、調律終了1分前を伝えた。「本番前でピリピリしているところに声をかけるのは緊張しました」