先日KATOから発売されたDD13型ディーゼル機関車の初期型を知人が購入したのですが、
どうにも不調と言う事で早速私の手元にやってきました。
具体的にどんな不具合なのかと言うと、しばらく走らせた後に逆進するとパワーパックのブレーカーが落ちてしまうとの事。
買って間もないのにどういう扱いをしたのか知りませんが、とりあえず試運転をしてみました。
ひとまず普通に前進後進はしたのですが、エンドレスを周回するうちに突然減速したり、
起動時にパワーパックを全開にしないと動き出さず、動き出した途端にパックのブレーカーが落ちる現象が数回発生しました。
エンドレス上の特定の場所で発生する訳でも無いので、恐らく車両側の不具合だろうと言う事で分解して見る事にしました。
まずは台車を外す訳ですが、その前に1点気になる部分を。
連結器の胴受けが非常に外れ易く、何かの拍子に触った途端にポロッと外れてしまいます。
個体差があるのでしょうから、ここは整備後に少量のゴム系接着剤で固定したい所ですね。
さて台車を引き抜きましょう。これがまた簡単に抜けます。
台車の片側側面を下方に軽く引くと抜けてきます。
台車の構造は鉄コレ動力やマイクロエースの一部の機関車に似た構造ですね。
不調の状態からしてショートやモーターの不具合が原因と思われますが、どこが原因なのか分からないのでひとつずつ探って行きます。
片側の台車のみを取り付けて、反対側はコキ車に載せて試運転をします。
この状態での数回の前進後進程度ではあまり分かりませんが、とりあえず台車自体には妙な動き方は無さそうです。
次に試したのは動力ユニットに直接通電する方法です。
この状態でも特に不具合は無く、実に快調に動いてくれます。
一体原因は何なのか。例えばショートすると言う事は、+極と-極が何らかの金属で触れなければならないのですが・・・。
と、目に入ったのがこの部分。モーターに直結されたフライホイールです。
真鍮製の挽き物ですから当然電気は通します。
でもまさかカトーの製品でここがぶれる筈も無いだろうと触ってみると何と・・・。
モーター自体がダイキャストブロック内で僅かに動いてしまうのです。
動いてしまう量は本当に僅かですが、フライホイールがダイキャストブロックに触れてしまう可能性が出てきました。
高回転するフライホイールがダイキャストブロックに触れれば、何らかの痕跡を残すだろうと言う事で早速分解にかかります。
まず車体を外しますが、車体はツメ(赤丸内の部分)前後2箇所でデッキに固定されていますからここを外して車体を抜きます。
続いてデッキ端の手すりを外します。(作業中に折ってしまうと困るので。)
手すりを外したらデッキをダイキャストブロック上方へ抜きます。
ダイキャストブロックと床板を固定しているのは、赤丸内のツメ4箇所です。
ツメを外したら床板はダイキャストブロック下方へ抜きます。
ダイキャストブロック上面にあるプリント基板は、中央付近を持ち上げつつダイキャストブロック側面にある矢印の方向へ引きます。
これはちょっとコツが必要です。
最後にダイキャストブロックを固定しているプラパーツ(赤丸内の物)を外せば左右に分解する事が出来ます。
何の参考になるか分かりませんが、モーターの脇に定規を置いておきますね。
ちなみにご覧の通りコアレスモーターではありませんでした。
さて本題に入りましょう。
モーターを外すとそこには恐らくフライホイルが触れたであろう傷を発見する事が出来ました。
赤丸内の2箇所です。
モーターの固定具とダイキャストブロックとの間に遊びが存在する為、フライホイルがダイキャストブロックに触れてしまい
しかもそれが左右のダイキャストブロックをつなぐ形で発生した為にショートを引き起こしていたのでしょう。恐らく。
という事でとりあえずの改善策として、モーター上部に厚紙を入れてみました。
これでモーターの位置がある程度固定される事になり、フライホイルがダイキャストブロックに触れる事を防げるでしょう。
元通り組み立てれば・・・の前に、ヘッドライトのレンズが妙な事になっていたのでこれを直します。
なんか上を向いていますね。組み立て時に気づかなかったのかな・・・?
無理に押し込むとリムが割れてしまうシチュエーションですね。これは危ない。
導光材は角棒状の物ですから、一旦車体から引き抜き、90度回転させてから元通り差し込みました。
レンズが綺麗に収まりました。
今度こそ元通り組み立てて試運転です。
数時間に渡る試運転の結果、ブレーカーが落ちる現象や急減速が無くなりました。成功のようです。
納品後はきっと知人レイアウトで大活躍してくれる事でしょう。
以上!
※この記事の作業はどの車両でも同様の結果が得られるとは限りません。あくまでも参考程度にお願い致します。