電気自動車・EVに本当に将来性はあるのでしょうか。
電気自動車は、自動車ですから車体やサスペンションはガソリン車と変わりません。エンジンとトランスミッションの代わりにモーターが付いている事になります。
エンジンやトランスミッションよりもモーターを中心とした駆動装置の方が構造が簡単で製造もし易いはずですから、その分安くできるはずです。しかし現状その価格は三菱自動車のi-MiEVを例にすれば以下のとおりです。
¥3,980,000_
共通車体のガソリン車 i はというと以下の金額です。
¥1,218,000_
価格差は、¥2,762,000とガソリン車 i が2台以上買える金額となっています。
量産が進めば、価格が下がると考えられますが、i-MiEVとガソリン車 i は元々同一の車体ですからその効果はそれほど大きくないでしょう。
この価格差をもたらしている要因は、モーターを回すリチウムイオンバッテリーであると考えられます。これも量産が進めば、価格が下がると考えられていますが、はたしてそうでしょうか。
最も価格が安く性能のいい量産化されたリチウムイオンバッテリーはノートパソコンに使われているバッテリーと考えられます。ノートパソコンではある程度規格化されたバッテリーセルを複数組み合わせて多くの機種に対応する様に作られています。
i-MiEVに搭載されているリチウムイオンバッテリー容量は16kWhです。
ノートパソコン例としてヒューレット・パッカード社の2540p Notebook PCを参照します。容量の単位がWhで表示されていたので採用しました。
6セルのバッテリーで容量が0.062kWhですから、1,548セルでi-MiEVの容量をまかなう事が出来ます。6セルのバッテリーは¥9,450_ですから、1,548セル分は、¥2,438,710_となります。
それにしてもi-MiEVとガソリン車 i の価格差と近い数字が出てしまい、我ながらびっくりしていますが、量産型のバッテリーですらこの価格です。i-MiEVが更に量産されたとしても価格がガソリン車並になるとは現状のリチウムイオンバッテリーを前提とするなら到底考えられません。バッテリー価格が150万円を下回るとは考えられません。
また、リチウムイオンバッテリーには寿命があります。一般的にノートパソコンは3年で寿命となり、充電しても持続しなくなります。つまり3年ごとにバッテリーの交換が必要です。
バッテリー価格が150万円と仮定して、車両価格が270万円で、3年ごとに150万円かかる車をいったい誰が買うのでしょうか?電気自動車に本当に将来性はあるのでしょうか?はなはだ疑問です。
バッテリーの性能と価格に大きなイノベーションがあったなら将来性があるかもしれません。
*三菱自動車i-MiEVの綴りが間違っていたため訂正しました。