虹色オリハルコン

命にエネルギーを与えるパワーの力

命からエネルギーを奪うフォースの力

どちらを選ぶかは自分次第

面従腹背?外務官僚が鳩山内閣に示した「基地移設・アメリカの意向」文書が、実は出所不明だった件

2016年02月08日 | 沖縄で起こっていること
鳩山由紀夫前総理に対しては、期待もあっただけに色々な思いもあります。

辺野古基地移設の迷走は、多くの方たちを失望させたし、私が個人的に特にがっかりしたのは、脱原発依存宣言をした菅直人前総理に対して、辞任勧告申し入れをしたときです。
本当に、「鳩山さん、どうしちゃったの?」という気持ちでいっぱいでした。

いい人だし人々に対して優しいから、といっても、政治家に向いているとは限らない、ということはこの時、しみじみ思いました。
詐欺師と詐欺に引っかかってしまう人、加害者と被害者なのかもしれませんが、被害者がいい人過ぎたから、という理由があったとしても、親類家族に迷惑をかけたりしますよね。総理大臣なら、国民にも被害が及ぶ。
どっちが悪いといえば、だますほうが悪いとは思いますが、だまされるほうももう少し思慮があればなあと、いまさらですが残念です。

鳩山政権当時、基地移設場所は迷走の末に、「辺野古以外ない」という結論に至りました。当時の岡田克也外相も、「アメリカの意向として、辺野古以外の選択肢はない」と明言しました。

当時、外務官僚から「沖縄北部の演習場から65マイル以内(約104キロメートル以内)」というアメリカの移設条件が書かれた文書が示されたためだったそうです。

しかし今になって、アメリカからそんな移設条件が出ていたかどうかが、非常に怪しくなってきました。
なぜなら、その件に関して、今、外務官僚は口をつぐみ、その文書自体が出所不明になっているというのです。としたら、時の総理大臣の「移設は辺野古以外」という意志を砕くために作られた、外務官僚の工作だったかも知れない、と思うのも不思議ではありません。
「国会のコントロールに米国は便利」と打ち明ける外務官僚もいるくらいだそうですから。

2016年2月5日の東京新聞より




アメリカでは、政権交代すると、官僚も全取り換えだそうです。
しかし、日本では、政権交代が行われた回数が、戦後70年の間、2度しかありません。それも短い間だけ。
政治家は選挙がありますから少しは禊を受けたりしますが、官僚は、ずっと同じメンバーなので、自分たちこそが国を動かしている、という自負もあるのでしょう。
表向きは、政治家をたてて、従っているように見えますが、政権交代で政策がガラッと変わるなんてことは、彼らにとっては許しがたいことなのかもしれませんね。

民主党政権時代は、野党の壁に加えて、現状維持に固執する官僚の壁もあったし、経済界の壁もあった。宗教法人への課税などもメスを入れようとしていたことから、宗教団体の壁もあった。彼らは、それぞれがいろいろな形で、時にはステルスで、民主党政権を潰しにかかった。マスコミも利用された。
それらの抵抗勢力に、叩かれ続けた結果、党内ですらそれぞれが疑心暗鬼となり、はかなく分裂してしまった。

今度、政権交代をするときは、それらの対策も万全でなければならない。そのためには国民からの応援が必須だと思います。
民主党も、国民も、二度と同じ轍は踏まないで欲しい。


2月11日追記
かつて「川内原発」を読み違える経産相がいましたが、今回は「歯舞」も読めない沖縄北方担当相・・・
官僚に「政治家なんて御し易い」と舐められのは当然です。
官僚にとっては、いちいちチェックされる民主党政権時代より、自民党政権のほうが勝手にさせてもらえてやりやすい、と思うのは当然でしょう。
しかし国民にとっては、どちらがいいことでしょうか。


★関連サイト


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 「日本会議」と政権の関係を警戒する海外メディア
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「宝の海をまもりたい 沖縄・辺野古」いんやくのりこ著

2016年02月05日 | 沖縄で起こっていること
「サーカーの予言・資本主義は花火のように爆発する」を書いたラビ・バトラは、師・サーカーの言葉として、現代社会が行き詰まっている理由として、秩序と調和を保つスピリチュアル性がないがしろにされていること、唯一、反作用をもたらさない進歩とは、スピリチュアルを含めた進歩である、と言う意味合いのことを述べています。

続サーカーの予言・スピリチュアルについて

スピリチュアルとは何か、前世やオーラといったものを浮かべる人もいるかもしれないけれど、私は、人間は大いなる自然、大いなる宇宙の一部であり、その神聖さとつながっている神聖な存在であることを自覚すること、なのだと思う。





沖縄在住のいんやくのりこさんの新著「宝の海をまもりたい 沖縄・辺野古」を読みました。
著者は、「自分をえらんで生まれてきたよ」の「いんやくりお」くんのお母様でもあります。

読みながら、この本はいわゆる沖縄・辺野古レポートという役割とともに、もう一つの役割があると思いました。
それは、その土地柄ゆえに、沖縄は先駆けてスピリチュアル性の伴った進化が現在進行形で進行中であるのだと裏付けてくれる内容のもので、個人的に「やっぱり」と確認できたというか、とても共感できました。
なんとなく前から、そうではないかなとは思っていたのです。

翁長知事の信念の力強さの源泉はなんだろうとかねがね思っていたのですが、本を読んで、沖縄の人びとの願いはもちろんのこと、沖縄の祖霊や、土地の神様(=土地の持つエネルギー)、そして未来への持続を可能にする地球全体の命のつながりと共存するということ、それらが全部合わさった力強さが、そこにあるのだとあらためてわかったような気がします。

辺野古への基地移設が、地元の方たちの反対の中、国によって強行されようとしています。
アメリカの戦争に加担することや米軍による犯罪被害も含めて、もちろんこれ以上、沖縄に基地を作ってほしくないという社会的な問題もありますが、もう一つ大事な視点は、辺野古やその周囲は、沖縄の聖地として地元の方たちが大切にしてきた場所、とてもエネルギーのある場所である、ということです。

著者は、はじめて辺野古を訪れた時に、不思議な体験をされたそうです。以下プロローグより抜粋。


 水平線をぼんやり眺めていると、山のように大きな女の人が上半身までの姿をあらわして、こちらをじっと見ているのを感じました。
私はめんくらい、まばたきをしてまた眺めましたが、そのひとはまだそこにいました。そのひとは表情も変えず、黙って人間のすることを眺めていました。とても大きなお姿で、御髪は水平線まで長くたなびき、そのシルエットは富士のようになだらかな稜線を描いていました。
 そばにいた方に「ここは聖地なのですか」と尋ねると「そのようですね。県内だけでなく日本各地から神事をする人が祈りに来ますよ」とのことでした。辺野古をめぐるあれこれを調べてみようと思ったのは、この日のことがきっかけです。

(中略)

キャンプ・シュワブの沖では、ハーリーという海の神事が行われていました。浜はお社のある小島や御嶽(うたき)のある社に続いています。辺野古の海は生物多様性の宝庫で、その遺伝子資源からは画期的な新薬が作られる可能性があります。海の宝を守るように生息するジュゴンは、ニライカナイ(祖霊神が住まう海の彼方の異界)の使者とも伝えられています。

(中略)

御嶽(うたき)は、木立に囲まれた空間、泉、岩そのものを聖域とします。岡本太郎は神体も偶像もない御嶽のあり方に驚嘆し、「(なにもないことの)目眩」という言葉を残しました。


今の安倍政権のバックグラウンドに「日本会議」という組織があります。
この組織には、神社本庁が関わっていますが、ほんとうに見えないけれど「ある」ものがわかってらっしゃる方なら、きっとおわかりになるのでは?
もし伊勢神宮を更地にして、米軍の基地を作るといったら、それは絶対にしてはならないと、神社本庁の方は言われるはず。
同じことが、聖地である辺野古で行われようとしているのに、なぜ、その理不尽を止めようとしないのでしょう。
日々、神様と関わり、自然への畏怖心をもっていらっしゃる方々なら、きっとおわかりになると思います。


以下、出版社からのコメントより

 近代文明は、目に見えるもの、強いものを、追いかけてきました。地球環境に壊滅的ダメージを与えられる武力を手にしたいま、人類の精神性も科学技術の進歩に追いつかないかぎり、人類はいずれ他の種を巻き添えにして滅びるでしょう。(本文より)
ゲート前で座る女性たちは語ります。
「辺野古には社会の矛盾があらわになっています。それでも、ここにいる人たちは優しくて強い。人間にはまだ救いがあると感じます」(60歳代女性)
「安全保障関連法の強行採決や原発事故の核被害を思うと、海外移住も心をよぎります。(略)それでも、いまは逃げる時期ではない。沖縄でできることが、まだきっとあるはず。辺野古新基地建設がとまり、それをきっかけに日本が戦争に 向かう流れが変わることを、私は心から願っています」(40歳代女性)



こちらは、新聞広告より






もちろん、スピリチュアル性だけでなく、沖縄の現実(地元の人たち(ウチナンチュ)の生の声のレポート、琉球王国としての歴史、太平洋戦争末期国内唯一の民間人を巻き込んだ地上戦が行われ、戦後は長く米軍の統治下にあった歴史、基地の危険と土壌の汚染、翁長知事の誕生、生物多様性の辺野古など)を、たくさんの資料とともに、正面から伝える真摯な取材姿勢にも好感を持ちました。

著者はまた、最後には、以下のように書いています。

 沖縄を癒やしの島と呼ぶとき、青い海、青い空だけを指してそう言うなら、それは表層に過ぎません。沖縄のもっとも美しい富の一つは、心の目でしか見えません。「オール沖縄」「島ぐるみ」という表現は、政治的スローガンとして理解されるかぎり、まだ仮の姿と言えるでしょう。それは、亡くなった人たち、生まれようとしている人たち、山川草木、それらすべての声を聞いて、ともに生命を寿(ことほ)ごうという呼びかけです。
 その祈りは、大海に落ちた一滴がどこまでも波紋を広げるように――隔ての海でなく結びの海を通して――ヤマトゥにアジアに世界に、どこまでも広がっていくでしょう。とても旧くそして新しい文化のルネッサンスが大浦湾から始まることが、辺野古問題の核心にあるのではないでしょうか。


不思議の島沖縄には、不思議な事が起こります。それは、まるでサーカーの予言のように、進んでは後退しながらも、また進んでゆく。
スピリチュアルを伴った進化の過程とは、反作用の起こらない、調和と秩序を持った、持続可能な世界に帰結してゆく、その過程だと思います。
古くて新しい価値の創世が今、ここから始まっている予感がしました。



Cocco 「ジュゴンの見える丘」 大浦湾に帰ってきた2頭のジュゴン 辺野古で起こっていること



この歌が収録されたのは、2007年です。私がはじめて辺野古とジュゴンのことを知ったのも、2007年でした。
もしこれを見て、Coccoさんの心が伝わってくるとしたら、魂が共鳴してしまうからです。それは表層的な言葉や理屈ではなく、ただただ「命を守りたい」という「思い」への魂の共鳴です。

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びっくり「世界で最も多くのロビイストを米国で雇っているのは日本」

2016年02月03日 | 沖縄で起こっていること
よく日本の政治家はアメリカの言いなり、っていう言葉を聞きますよね。
しかし実は、アメリカの意見として発信してくれるように注文をつけていたのが、実は日本政府だった?!
1月31日の東京新聞「こちら特報部」より。
ワシントンでロビイストとして活動している猿田佐世弁護士(憲法行脚の会、「新外交イニシアティブ」事務局長)。彼女への取材の中でびっくりぽんな記述がありました。

ニュース記事の本題とはややずれますが、官僚主導の日本政府が、アメリカのシンクタンクやロビイストを雇って、日本の都合にかなうような発言する機会を作っていたのだっていうのです。こういうことって、一般の人たちは知らないし、アメリカがそう言っているから、しょうがないみたいな事、戦後もずっとそうでしたよね。
へええええええ!!そうだったんだ!



市民の声 ワシントンに 沖縄基地、TPP…「拡声器」効果で日本政治の転換狙う
(東京新聞2016年1月31日)

沖縄の米軍基地などに関する市民の声をワシントンの政治の中枢へ直接届け、米国経由で日本を変えようという試みが始まっている。「米国がくしゃみをすれば、日本が肺炎になる」と言われることもあるほど、米国の意向に敏感な日本の政治。その「拡声器」効果を活用しようとしている。(沢田千秋)

(前略)

ロビー活動をはじめたきっかけは2009年、政権交代を果たした鳩山由紀夫首相(当時)が普天間飛行場の沖縄県外移設を提案した時だという。「米下院で、沖縄問題担当の議員から、『沖縄の人口は2000人か』と尋ねられた。辺野古という単語も知らなかった。ならば、普天間の辺野古移設を求めている『米国』とは誰なのか、知りたくなった」

猿田氏は「世界で最も多くのロビイストを米国で雇っているのは日本」と言う。
「米国では民主党、共和党で政権が代わると、政府のスタッフもすべて代わる。政府を出た人間はホワイトハウス周辺のロビイストやシンクタンク勤務になる。米国の議員で日本外交の専門家はごくわずか。議員に働きかけるロビイストやシンクタンクは、米政策決定賢者に近づく重要ルートかつ外交の舞台そのものだ」

猿田氏によると、日本政府は米シンクタンクに、年間2000万~6000万円以上を寄付している。寄付者には国際協力機構(JICA)や航空自衛隊も名を連ねている。また、環太平洋連携協定(TPP)に影響力を持つロビイスト事務所に対し、日本政府は13年までの3年間で1億3600万円を支払っていたという。

「日本政府が、米国の対日政策のすべてを作るために金を払っているとは思っていない。ただ、『米国の意見』として発信する機会は確実に作っている。外務官僚は『国会のコントロールに米国は便利』と打ち明け、足しげくワシントンに通っている。これが『ワシントン拡声器』だ」

 このワシントン政治に猿田氏自身も飛び込んだ。
「日本の代表の市民運動家が米議会を表敬訪問し、『ご協力を』と言っても何も動かない。何をしてほしいのか要点を整理し具体的に伝える必要がある」

 猿田氏は昨年、米国の16年度の国防予算を決める国防権限法案の審議中、普天間飛行場の移設先として「辺野古が唯一の選択肢である」とする条項の削除を求め、米議会でロビー活動を展開した。上下両院の意見は分かれたが、結果的に条項なしで法案は通過した。

 手応えをえた猿田氏は今後を見据える。「なぜ日本政府が、ワシントンのシンクタンクやロビイストにあれほど金をかけるのか。費用対効果、時間対効果が高いから。私たちもTPPや原発政策、沖縄の基地問題について、一般市民の声を伝え、拡声器効果で日本政治を変えたい」

--------------------


官僚主導である日本政府は、日本に影響力を与えるアメリカのロビイストたちにお金を払っている。ならば、市民も・・ということなのでしょう。

あらゆる手段を使って辺野古移設を阻止すると言うのには、こういう方法も含まれているのですね。ロビイ活動には、辺野古基金などが使われているのだと思います。私もわずかですが協力していますので、猿田さんの活動、成功してほしいと願っています。



★関連記事

・・・今考えれば、これもそうですね。アメリカを使って公明党に圧力をかける外務官僚
集団的自衛権の舞台裏、外務官僚が誘導、米を動かし公明党代表を説得

・・・辺野古移設は、アメリカではなく外務省・防衛省の意向だった
辺野古の海にジュゴンの食み跡

・・・これはネットの匿名性の陰に隠れた官僚の本音?
匿名で「復興は不要だ」経産官僚の残念


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ジュゴンだけでない、辺野古沖の絶滅危惧種262種、辺野古基地建設の大義はどこにもない

2015年12月11日 | 沖縄で起こっていること
ひとつ前の記事、「暴露された安倍総理の捏造歴」にも書きましたが。

かつて安倍晋三議員は、当時の米アーミテージ国務副長官から言われてもいなかった「ショーザフラッグ(戦場に旗を見せよ)」という言葉を、ほんとうに言われたかのようなをついた。
そのキャッチコピー的なフレーズが面白かったのか、マスコミが大々的に取り上げたため、自衛隊を海外に派兵する「テロ特措法」が必要という空気ができ、そして成立。
まさに、ここ10年余りは、安倍さんやその周辺や支持者たちによる嘘と煽りによって、空気が染まり、日本国憲法下、平和主義を貫いてきた国の方向性が少しずつ、しかし確実に変えられてきてしまったといえる。

辺野古基地建設も、私達国民は「アメリカが望んでいるから変えられない」と思い込まされていないだろうか。
情報を集めているうちに、それも防衛省や外務省の官僚たちが作った捏造ではないかと思うに至った。

昨年の報道ステーションSandyの取材で アメリカ側は、どうしても辺野古に基地建設が必要とは思っていなかった 、ことが、わかった。
米側は日本政府が決めることに任せている、というスタンスであり、民主党鳩山政権時代にアメリカとの話の中で、
「キャンプ・ハンセンへの移設でも良い」というアメリカ側の了承 を得ていたのだ。
にも関わらず、外務省、防衛省の官僚の激しい抵抗と説得にあい、当時の鳩山総理が折れてしまった形。
・・・なんだかなあ。

 詳しくは、こちらに→テレビ朝日「報道ステーションSunday」放送記録 (2014年1月26日 10:00~)極秘交渉の舞台裏 特集“幻”の普天間基地移設案


オール沖縄とは、沖縄の人たちだけではないのですね。
沖縄の祖霊や土地神様を含めた沖縄の自然も、辺野古の基地建設反対を訴えているように思えてならない。
沖縄の自然は、沖縄だけでなく、子孫へ残してゆく国の自然でもあり、ひいてはオールアースとも言える。


ジュゴンだけではない! 米軍基地移転先・辺野古沖の絶滅危惧種は262種
HARBOR BUSINESS Online 12月6日(日)9時21分配信

 沖縄の米軍普天間基地の移転先とされている名護市・辺野古沖の大浦湾。絶滅危惧種ジュゴンの生息地でもあることから、環境保護団体などが基地建設に反対している。実は、この海域には国の環境影響評価で確認されているだけで、ジュゴンをはじめとして262種もの絶滅危惧種が生息しているのだという。

◆防衛省「ほかの絶滅危惧種(の保全)はこれから……」

 今年11月25日、国際環境NGOのグリーンピース・ジャパンは、安倍首相に宛てた国際署名「辺野古・大浦湾を海洋保護区に」約2万9000筆を防衛省に提出した。

 この時に署名を受け取ったのが、防衛省で辺野古沖での工事を担当する普天間代替推進グループだ。その際、NGO側が省担当者に「ジュゴン以外の絶滅危惧種の保全で、環境省との情報共有を行っていますか?」と質したところ、「今後行う可能性もある」との答えが返ってきた。ジュゴン以外の絶滅危惧種に関して、環境省と情報共有していないというのだ。

 沖縄防衛局がまとめた環境影響評価(アセスメント)では、大浦湾一帯に生物5334種もの生息が確認されている。この内、絶滅危惧種はジュゴンのほかにアカウミガメとアオウミガメ、ベニアジサシ、ヤドカリ他節足動物、海藻類など262種だ。

 国はこれらに関して「工事の影響が出たとしても、対策を講じるので最小限にとどまる」との姿勢を取っている。

◆海藻類の移植は「成功した試しがない」!?

「従来のアセスメントでは『環境影響はない』と押し切るのが当たり前だったが、最近は『対策するので問題ない』という風に手が込んできている」。湿地の保全・再生のために活動するNPO「ラムサール・ネットワーク日本」の花輪伸一さんはこう話す。花輪さんは辺野古沖アセスメントを「基地建設ありき」と指摘している。

「ジュゴンが注目されているのは、生態系における『象徴種』だからです。ジュゴンが生息できるように環境保全すれば、結果として他の種も守ることができるという考え方です。これに対して、国は『アセスメントに加えて(辺野古沖での工事を環境面で監視する)環境監視等委員会も設けたので問題ありません』という立場です」(花輪さん)

 ところが、この委員会の委員4人が、工事請負業者側から報酬を受けていることがわかった
(http://www.asahi.com/articles/ASHBK54G2HBKUUPI001.html)。しかも環境監視委員会の運営を行う企業は、アセスメントの調査業務を受注した企業であることも明らかとなっている(http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=137955)。アセスメントや環境監視等委員会の公平性や中立性が疑われる事態となっているのだ。

 花輪さんは「サンゴや海藻類は、『今ある場所からはぎ取って別の場所に移植する』と国は言っていますが、海藻類に関してはこれまで移植に成功した試しがない。他の種に関してもまったく期待できません」と指摘している。<取材・文・撮影/斉藤円華>

    
辺野古の環境監視4委員、業者側から寄付・報酬
(朝日新聞2015年10月19日)
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設計画で、国が進める工事を環境面から監視する専門家委員会の委員3人が、就任決定後の約1年間に、移設事業を受注した業者から計1100万円の寄付金を受けていた。他の1委員は受注業者の関連法人から報酬を受領していた。朝日新聞の調べでわかった。
 4委員は取材に対し、委員会の審議に寄付や報酬は影響していないとしている。違法性はないが、委員の1人は受領を不適切だとして、委員辞任を検討している。
 この委員会は「普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境監視等委員会(環境監視委)」。沖縄県の仲井真弘多(ひろかず)・前知事が2013年12月、辺野古周辺の埋め立てを承認した際に条件として政府に求め、国が14年4月に設置した。普天間移設事業を科学的に審議し、工事の変更などを国に指導できる立場の専門家が、事業を請け負う業者側から金銭支援を受ける構図だ。



辺野古に基地を作った場合、米軍にとっては、それほどのメリットもないようなのは、下記の記事でもわかります。
ジュゴンの存在は、訓練の中断となるという判断をしていること。

ジュゴンは米軍訓練に影響 国防総省報告書 日米異なる認識
11月23日 05:44沖縄タイムス

 【平安名純代・米国特約記者】米国防総省が今年3月に米連邦議会に提出した報告書で、大浦湾に生息するジュゴンの存在が訓練を中断するなどの影響を与えている、と記述していることが21日までに分かった。防衛省沖縄防衛局は環境影響評価(アセスメント)の中で、ジュゴンの辺野古・大浦湾における利用度は少ないため、代替施設を建設してもジュゴンへの影響はないなどとの見解を示していたが、同報告書は現状をめぐる認識に日米間で大きな差があることを示している。
 同報告書は、「ジュゴンが現れると、海兵隊は接近を回避するために戦術を変更する」と述べ、「彼らの存在は水陸両用の訓練の中断が可能だ」と指摘。「ジュゴンの保護措置は(米軍が)回避区域を作り、特定の訓練を禁止し、訓練範囲へのアクセスと訓練を減らしている」とジュゴンの存在が米軍の訓練に与えている影響を説明したうえで、「海軍と海兵隊は、ジュゴンの生息区域での訓練を回避しようとしている」と記述している。



また、ジャパンハンドラーの一人と言われているジョセフ・ナイ元国防次官補でさえ、辺野古移設は普天間軽減のための短期的なもの、沖縄に米軍基地が集中するのは、対中国の軍事戦略上、リスクになるという視点からも、再検討しなければならないという見解です。

であるならなおのこと、そんな短期的なもののために、絶滅危惧種262種、一度失ったら戻ってこないものを破壊していいのでしょうか。
辺野古基地建設は、住民の圧倒的な反対の中、強行する大義は全くありません。

全ては白日のもと。


★関連記事
 ジュゴンへの影響考慮を 米軍普天間移設で米地裁命令
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辺野古の土器が文化財認定へ

2015年11月22日 | 沖縄で起こっていること
沖縄の辺野古の海辺で見つかった土器は、やはり文化財と認められる可能性が出てきました。
沖縄の新聞2紙が報じています。


(画像:琉球新報)



辺野古の土器を文化財認定へ 沖縄県教委、基地予定地で出土
沖縄タイムス 11月21日(土)5時30分配信

 米軍の新基地建設が計画されている名護市辺野古の海辺で見つかった土器とみられる出土品について、県教育委員会は来週にも文化財認定する方向で調整に入ったことが20日、分かった。県教委文化財課の職員が、週明けに現物を確認して最終判断する。発見場所近くでは、ことし2月に文化財「碇石(いかりいし)」も見つかっており、詳細な調査が必要になった場合、基地建設のスケジュールに影響が出る可能性がある。(鈴木実、伊禮由紀子)

 名護市教育委員会の作った出土品の資料を今週半ばに受け取った県教委文化財課が鑑定していた。人の手で作られた跡が確認されたことから、文化財保護法に基づいて正式に文化財認定する見通しだ。
 土器などが見つかった場所は、基地建設に伴う仮設岸壁や仮設道路の予定地にかかる。名護市教委が碇石の発見場所付近を調べている際、干潮時の砂浜や岩礁で数点を見つけた。
 出土品には石器らしきものも含まれる。土器と比べると判定が難しいため、文化財課は慎重に見極める方針だ。
 文化財が相次いで見つかっていることから、名護市教委は周辺一帯を遺跡として県教委に認定申請することも検討する。遺跡と認められれば、試掘調査や本調査で建設計画がずれ込む可能性がある。
 シュワブ内では、過去に遺跡や土器などが見つかる遺物散布地が過去に確認されている。中でも、思原(うむいばる)遺跡や大又(うふまた)遺跡は、貝塚時代後期のものとみられ、年代は2500~1500年前とされている。

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辺野古で発見の土器、文化財に 今週にも県教委認定 工事日程影響か
琉球新報 2015年11月22日 05:04

 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設で、埋め立て予定地の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部で発見された土器や石器とみられる物を、県教育委員会は早ければ今週にも、文化財保護法に基づき文化財と認定する。24日以降に県教委の担当者が名護市へ赴き、実物を見て詳しく調べる。今後の展開次第で、新基地建設工事の進捗(しんちょく)に影響を及ぼす可能性が高い。

 土器や石器とみられる物が発見された地域では2月に文化財「碇石(いかりいし)」も発見されている。文化財と認定されれば、発見現場一帯の遺跡認定に向けて、市教委は県と調整に入る。
 一帯が遺跡に認定された場合、実際に掘って遺跡の範囲を確認する試掘調査など、文化財保護法に基づく調査が必要になる。場合によっては試掘調査の後、さらに記録保存のための調査を実施することもある。
 県教育庁文化財課は「人工物とみられる土器は文化財の可能性が高い」と現時点での所感を述べた。一方で石器のような物に関しては、慎重な調査が必要だとしている。
 県教委は18日、名護市教委が送付した土器や石器のような物に関する書類を受け取った。その後、書類調査を進めてきたが、土器の年代や石器のような物に加工の跡があるかどうかを調べるために、実物を見て判断する。

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沖縄県民を何度も何度も傷つけている、強引で心ない国の手法。荒れる沖縄・辺野古。
やはり、佐藤優氏が言うように、オール沖縄には、沖縄の土地神さまや祖霊たちもいらっしゃるようです。


★関連記事
 どきっ!辺野古の埋め立て予定地から土器が出てきた!


★おまけ

BEGIN 島人ぬ宝 歌詞付 ビギン


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どきっ!辺野古の埋め立て予定地から土器が出てきた!

2015年11月05日 | 沖縄で起こっていること

すみません、ベタなタイトルをつけてしまいました。でも、本当にどきっと、びっくりなニュースだったので。




シュワブ沿岸に土器 遺跡認定なら辺野古工事遅れ

11月04日 05:05琉球新報

 【名護】米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で、埋め立て予定地の米軍キャンプ・シュワブ沿岸から新たに土器や石器が発見されたことが3日までに分かった。発見場所は文化財の「碇石(いかりいし)」が見つかった現場付近で、仮設岸壁や仮設道路建設予定地に一部が重なる。土器などが文化財だった場合、市教育委員会は新たな遺物が見つかったとして、一帯を遺跡に認定するよう求める方針で、移設作業の大幅な遅れなど影響が生じる可能性が高い。
 市教委は10月13〜16日と26〜30日の間、碇石発見現場付近で、歩いて遺物の有無を確かめる踏査を実施した。その結果、干潮時の海辺で土器や石器が数点見つかった。現在は市教委が保管している。市は遺失物法に基づいて名護署に届けを出し、同時に米軍に公開許可申請を提出する。その後県教委が文化財保護法に基づいて、土器や石器を鑑査し、文化財と認められた場合、その一帯を遺跡と認定するかを検討する。 沖縄県 26.210818 127.684994
 遺跡と認められた場合、工事の前に遺跡の規模を調べる試掘調査が必要となる。さらに、記録を残すための調査を実施する場合もある。市の担当者は「防衛局の工事の規模が分からない」と前置きし、「現在実施している調査すら本年度中で終わるとはとても思えない。(遺跡と認められた場合の)試掘調査はその後になる」との見通しを述べた。

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どうなる辺野古。どうなる、文化財。そして辺野古の自然は守られるのか。
まるで、沖縄の土地神様が、埋め立てるなと言っているようにも感じられる。


★関連サイト
 <社説>辺野古崎に土器 法治国家なら法の順守を(琉球新報)


★11月6日追記
 この記事より、カテゴリー「沖縄・辺野古」を作り辺野古関係の記事をまとめてみました。
 ご覧いただけましたら、幸いです。
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青い炎のような「屈しない」意志

2015年05月18日 | 沖縄で起こっていること



100の言葉よりも、1枚の写真が、一瞬で人の心を捉えることがありますね。
今朝(5月18日)の東京新聞のように・・・この沖縄の覚悟を、自民党や自民党員の皆さんは他人ごとのように、また笑うのですか。


3万5000人「屈しない」 辺野古反対 

沖縄県民大会米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古(へのこ)移設に伴う新基地建設に反対する「沖縄県民大会」が十七日、那覇市の野球場で開かれ、主催者発表で約三万五千人が集まった。新基地阻止の決議を採択し、昨年の名護市長選、県知事選、衆院選などで示された沖縄の民意をあらためて訴えた。
 出席した翁長雄志(おながたけし)知事は、辺野古移設が普天間返還の「唯一の解決策」とする政府に対し「阻止することが唯一の解決策だ」と強調。沖縄の方言「しまくとぅば」で「沖縄人を見くびってはいけない」と声を張り上げると、参加者が立ち上がって拍手を送った。
 翁長氏は「あらゆる手法を用いて辺野古に新基地は造らせない」と重ねて表明。辺野古移設計画を推進する安倍政権に対し「日本の政治の堕落だ。自国民に自由と人権、民主主義の価値観を保障できない国が世界と(同じ価値観を)共有できるのか。日米安保体制・同盟はもっと品格のある、冠たるものであってほしい」と批判した。
 参加者らは午後一時の大会開始前からスタンド席を埋め、外野席や球場外にもあふれた。「辺野古新基地ノー」「われわれは屈しない」と気勢を上げた。
 翁長氏は二十七日から訪米し、辺野古反対の意向を米政府に直接伝える方針。





社会面には、映画監督オリバー・ストーンからのメッセージも


米下院が、わざわざ日本の安保法制を歓迎する法案を可決したそうだ。
そりゃそうだ。自衛隊が、米軍の別働隊になってくれるっていうんだもの。後方支援だから戦争に巻き込まれないなんて安倍総理は言うけど、アメリカはそんなこと思っているわけがない。

 日本の安保政策転換「支持」=国防権限法案を可決―米下院(時事通信) - goo ニュース

アメリカの戦争経済。今は、まだリベラルなオバマ大統領だからかろうじてだけれど、多勢に無勢で苦慮している。次の大統領候補は、共和党も民主党も期待が持てない。
武力で国を大きくすれば滅びると説いた老子。米も中も露も北も同じこと。

日本の民意を示そう。日本は、平和憲法にのっとった独自の政策を進めるべきだと思います。
・・・どこの誰が安倍さんに言っても聞く耳は持たないようですが、パワーのエネルギーはこちら側にあります。


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広がる沖縄独立論、国の地方創生が本物かどうか問われている

2015年05月12日 | 沖縄で起こっていること
昔の時代劇によくあったパターンだけれど、暴れん坊将軍の「成敗」や、水戸黄門の印籠を出すタイミングって、もうこれでもかこれでもか、ってひどい目にあわされて、見ているこっちも、「しょうがないよね、こんなことやあんなことされて、もう堪忍袋の緒もきれるよ」っていう時。

私は沖縄見てると、いつもそう思うんですよね。沖縄一人に負担をすべて押し付けて。
騒音問題や訓練中の事故などの場所の負担だけでなく、精神的な負担や代償もあまりに大きい。
米兵は、治外法権?犯罪を犯しても国にかえされるだけ。傷ついたものは傷ついたまま、ずっと一生傷を引きずってしまうのに。
返還された基地跡地には、ベトナム戦争時代に使用された枯葉剤の可能性のある化学物質がドラム缶で地中に埋められ放置されたままだったという。
http://www.eritokyo.jp/independent/ikeda-col1239...html

沖縄に対して国は、それでも頭を下げ、「本当に申し訳ない」くらいの態度でいればまだ可愛げのあるものを、安倍政権になってからは、なんと高飛車になってしまったのだろう。
安倍政権の上から目線の「粛々と」。知事がわざわざ上京して何度も会いに行っているのに、顔も合わせず。嫌がらせのように復興予算は減らし。
それでいて、アメリカには、沖縄県民の怒りと悲しみの声などないかのように、調子のいいことばかり言って、これからは「日米一緒に戦いましょう」みたいな自己勝手な憲法無視の約束をして。
戦後最悪の無知で劣化した本当にひどい政権だ。

沖縄は、国内では太平洋戦争の唯一の地上戦となって大勢の一般人が亡くなった。二度と繰り返したくない悲惨な経験の後、アメリカ占領下には朝鮮戦争、ベトナム戦争があり、米兵は沖縄から飛び立った。沖縄の人々は、戦争末期から戦後、常に戦争と隣り合わせで、1972年、日本に復帰した時は、戦争放棄した9条のある日本に戻れるのが本当に嬉しかったそうだ。
しかし、沖縄に基地があるという現実は変わらなかった。

沖縄が堪忍袋の緒を切るタイミングは、もう刻々と近づいているのではないか。
いつも勉強になる内山節氏のコラム「時代を読む」(5月10日の東京新聞)にも、沖縄は沖縄独立論が、徐々に広がってきている、と書かれている。
辺野古基金も、その7割が本土からの送金だということで、こころある日本人なら沖縄独立論もやむなしという気分、理解できるのではなかろうか。
以下全文。


沖縄独立論という切り札 
内山 節

 辺野古の米軍基地の動きを見ていると、状況に変化が芽生えつつあるような気がしてくる。というのはこの問題をめぐる切り札を、沖縄の人々が持ち始めたのではないかとも感じられるようになってきたからである。
 基地建設を進める政府の切り札はお金でしかない。沖縄の振興予算をつけるとか、逆に予算面で追いつめるとかである。これまではそれが切り札としての役割を果たしてきた。ところが予算面で希望が叶えられなくなっても構わないという雰囲気が広がってしまえば、それは切り札としての役割を果たさなくなる。

 ところがいま沖縄では、じわじわと沖縄独立論が広がってきたのである。独立してしまえば、沖縄は日米安保条約の適用外だ。つまり全基地の撤去を要求できることになる。沖縄が独立する現実的な方法があるのかどうか。また独立の後に単独国家としてやっていけるのか、そういう事が議論に上がってくるようになってきた。もしも独立されれば日本は沖縄を手放すことになるのだから、政府としては認めがたい問題だろう。そうである以上独立論が広がっていけば、それが切り札になってしまう。本当に独立するかどうかは別として、そういう意見を持つ人々がふえていくと、政府はこれまでのような高飛車な態度はとれなくなるのである。

 振り返ってみれば、かつて沖縄は独立した琉球王国だった。沖縄の人々は遺伝子的には日本とのつながりが深いという研究もあるが、琉球王国は1429年に成立している。1609年に薩摩の侵攻を受け、江戸時代は薩摩の従属下にある独立国という立場だった。最終的に日本に併合されたのは、明治時代の1879年である。
 沖縄は、日本の時代よりも独立国の時代のほうがはるかに長いし、独自の文化や言葉を持っていた。


 20年ほど前に東北のある村長と話をしていたとき、その村長は
「不可能なことを承知で願望を述べさせてもらえば、江戸期の幕藩体制の時代に戻りたい」
と話してくれたことがある。
 その頃は江戸=東京に村が従属することはなかった、という意味である。自分たちで自分たちの世界をつくることができた。
地方創生とは、国のメニューに従って、地方や地域をつくることではない。地方や地域が自立性を持ち、独自の地域を創出していくことである。国の方針に従っているうちに地域が衰弱していった明治以降の歴史を、どのようにして変えていくのかがここでは問われている。
  
 地方が力をもつということは、独自の考えや方針で、地方、地域がつくられていくということであり、それは一面では国と地方との間に新しい緊張感が生まれるということでもある。ときに国と地方との間に対立が生まれ、ときに協力関係を結ぶ。そういう自立的な力を地方がもちながら、独自の地方を生み出していくことが本物の地方創生である。

 とすると今日の国と沖縄の関係は、いま国が掲げている地方創生が本物かどうかを見極める試金石なのかもしれない。沖縄の人たちがつくろうとしているこれからの沖縄を尊重することなくして、地方創生などありえない独立論が芽生えてくる背景にあるものは、基地問題だけでなく、国と地方の関係の問い直しでもある。

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NHK・オバマ会見の同時通訳誤訳、わかる気がする

2015年05月01日 | 沖縄で起こっていること
オバマ大統領は、安倍政権の多くの閣僚たちと違って、人の痛みをちゃんと感じる能力があるから、沖縄県の翁長知事が近く訪米して、「辺野古への基地移設に住民たちが反対していること」を大統領に直で訴える機会があるならば、本気で耳を傾けてくれることだろう。

4月30日のそもそも総研によると、辺野古移設反対の広報活動に資金カンパを広く募ったところ、すでに1億円以上集まったとのこと。それも、3:7で、本土からのカンパが上回っていたという。ちょっと嬉しかった。

30日の東京新聞に小さな囲み記事があった。これ↓



同時通訳者は「直訳というよりも、発言者の意も汲み取り鑑みながら、よりわかりやすく伝える」と、その仕事をされていた方が話しているのを聞いたことがある。同時通訳の難しさを知ったけれど、これは勇み足過ぎたかな。と、当初は思ったのですが。



ホワイトハウスHPには、沖縄含めた地元コミュニティーの負担軽減したいと

こちらによると、ホワイトハウスのHPには、大統領は

「新しいガイドラインは、沖縄を含め、地元コミュニティーの負担軽減のために、地域における米軍再編への努力を補うことになります。そして私は、沖縄に駐留する海兵隊のグアムへの移転を前進させることを再確認しました」


と、述べている。たしかに、辺野古や普天間という言葉は出てこないが、上記写真の新聞内容に書かれていなかった前の緑色の字で示した部分に示唆があると思う。
今現在沖縄で争点となっている「普天間」「辺野古」は、まさに地元コミュニティーの反対の中で起きている出来事ですからね。
普天間の負担や、辺野古の問題を解決するためにも、グアム移転を進める・・・とも発言の趣旨を汲み取れないだろうか。
しかし、辺野古移設は、アメリカはフレキシブルに対応する用意はあるのに、むしろ前例踏襲主義を変えたくない外務省や防衛省が固執しているという、現実があります。
詳しくはこちら→そもそも沖縄の普天間基地を「国外へ」というのは、ありえない話なんだろうか?/そもそも総研・・動画13分前後)



アメリカの元国防省高官が「辺野古再検討」を提言

また、クリントン政権下普天間基地返還の合意を主導したジョセフ・ナイ氏が「辺野古移設は再検討すべきだ」と語っています。

 ナイ元国防次官補、辺野古「再検討を」 地元民意を重視
(琉球新報2015年4月4日)
 【ワシントン=問山栄恵本紙特派員】米クリントン政権で米軍普天間飛行場返還の日米合意を主導したジョセフ・ナイ元国防次官補(現米ハーバード大教授)は2日、日米両政府が進める普天間飛行場の名護市辺野古への移設について「沖縄の人々の支持が得られないなら、われわれ、米政府はおそらく再検討しなければならないだろう」と述べ、地元同意のない辺野古移設を再検討すべきだとの見解を示した。ワシントン市内にある米有力シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)で琉球新報に答えた。米外交政策に影響力を持つ米国防省元高官が辺野古移設に疑問を投げ掛けていることは、沖縄の民意を無視する形で工事が進むことに米国内でも懸念が広がっていることの表れとみられる。
 ナイ氏は辺野古移設に反対する翁長雄志知事が就任するなど、県内移設反対の声が根強いことについても「承知している」と述べ、沖縄と日本政府は話し合う必要性も強調した。
 ナイ氏は昨年の知事選後、日本メディアに対し、辺野古移設に関して「長期的には解決策にはならない。固定化された基地の脆弱(ぜいじゃく)性という問題の解決にならないからだ」と指摘し、中国の弾道ミサイルの射程内にある沖縄に米軍基地が集中することが対中国の軍事戦略上、リスクになるとの見方を示した。ただ「今後10年といった短期間で考えれば宜野湾市の負担を軽減したいわけだから、施設や海兵隊を辺野古に移す方がいいと言えるだろう」とも述べ、短期的な解決策としては有効だとした。これに対して、ナイ氏は「その通りだ。変わらない」と強調した。
 ナイ氏は冷戦後の日米同盟を再定義する「ナイ・イニシアチブ」を推進した。リチャード・アーミテージ元国務副長官との連名で、超党派の対日専門家による政策提言書「アーミテージ・ナイ報告」を発表し、集団的自衛権の行使容認などを求めてきた。米外交政策に最も影響力を持つ国際政治学者の一人として知られ、2014年10月、ケリー国務長官に助言する外交政策委員会のメンバーに就任している。

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なんだか、そもそも総研の内容や、上記の琉球新報を読んでいたら、同時通訳の人が勇み足してしまったのも、若干わかるような気がするのでした。
ジョセフ・ナイ氏の言によれば、もし辺野古移設をしたとしても、普天間の負担軽減のための極めて短期的なもの。
別の選択肢でもこだわらないという態度が見える。変化は起こせる予感がする。

それにしても、翁長知事は、いい顔してますね。沖縄を守るっていう強い信念と意思を感じる。かげながら応援しています。

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辺野古のサンゴ破壊を県が確認

2015年02月27日 | 沖縄で起こっていること


画像:東京新聞


辺野古サンゴ破壊、県が確認 大浦湾で潜水調査(琉球新報) - goo ニュース
2015年2月27日(金)05:05
 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設計画に関連し、県水産課は26日、大浦湾の現場海域で潜水調査を実施し、沖縄防衛局が県の岩礁破砕許可区域外に設置したコンクリートブロックがサンゴ礁を破壊している場所を1カ所確認した。県がブロック設置によるサンゴ礁被害を直接確認したのは初めて。県は調査結果を精査し、県漁業調整規則に基づく岩礁破砕の取り扱い方針に反していることが明らかになれば、許可を取り消すことも視野に入れている。許可が取り消されれば、防衛局はボーリング調査を実施できなくなる。
 県は26日午前9時から、常時立ち入りを禁止する臨時制限区域外に設置されたコンクリートブロック(15トン)の位置や水深、設置状況を確認した。その後、沖縄防衛局から提供を受けた設置図面や海底写真を基に、海底地形の改変が予想されるブロックの置かれた8カ所で潜水調査を実施した。県によると、1カ所でブロックの下敷きになっていたサンゴ礁が押しつぶされた形で破損していた。破損場所は移設に反対するヘリ基地反対協議会が2月上旬に行った調査で明らかになった場所と同じとみられる。またブロックによって海底が削られている場所もあった。
 県はさらに臨時制限区域内にあるブロックの設置状況も調査する方針で、今後、米軍に立ち入りを申請する。県水産課の新里勝也課長は「潜水士からコンクリートブロックの下にあるサンゴが壊れていると聞いている。行政判断が控えているため、調査内容の詳細は控えたい」と述べ、慎重に調査を進める姿勢を示した。
 沖縄防衛局は同日、ボーリング調査の資機材を積んだ大型クレーン船と台船を大浦湾に追加投入しており、近くボーリング調査を実施する構えだ。

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心の痛くなるようなニュースが多くて、悲しい。こんなことまでして、ヘリポートを作らねばならぬという意味がわからない。
アメリカ側からも、住民の同意が得られないところに、基地を作るべきではない、に中国と敵対しなくてはならない場合、沖縄一箇所に基地が集中することが、むしろ防衛上危険となる、というような以前と違う見解がある。
 →辺野古移設「長期的解決策にならない」 ジョセフ・ナイ元米国防次官補

こだわっているのは、日本政府のみ。
しかも、沖縄の民意が選んだ沖縄知事に「会わない」、沖縄県の「振興予算の大幅減額」など、露骨な「いじめ」。
政権のこのような荒んだ態度が、人々のネガティブな感情と連動して時代の空気を作り、巡り巡って社会や子どもたちにも悪影響を与えているのだと思う。

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沖縄知事選

2014年11月15日 | 沖縄で起こっていること
普天間移設の行方左右=沖縄知事選16日投開票(時事通信) - goo ニュース

思いがけず、思いがけない人まで立候補した沖縄知事選ですが、いよいよ明日が投票日ですね。
意識の視点では、前任者ではなくて、翁長雄志(おながたけし)氏が断然いいと感じます。
理性的な判断をされる方だと感じました。

下馬評でも、翁長さんがリードされているようなので、ほっとしました。


■11月16日追記

沖縄知事選、翁長氏が初当選確実 辺野古移設阻止を主張(朝日新聞) - goo ニュース
翁長さんに当確でました。よかったですね。これが沖縄の気持ちなんですね。
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やっぱりジュゴンが!

2014年08月18日 | 沖縄で起こっていること
ボーリング調査がはじめられようとしている沖縄の辺野古の海で、17日ジュゴンの姿が確認された。



(写真:共同通信)


緊迫の沖縄・辺野古沖にジュゴンの姿
2014年8月18日9時16分(日刊スポーツ)

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先、名護市辺野古の東方約5キロの沖合で17日、人魚伝説のモデルとされ、絶滅の恐れが極めて高いジュゴンとみられる海獣の姿を共同通信記者がヘリコプターで上空から確認した。辺野古の生態系に詳しい日本自然保護協会の安部真理子さんは「ジュゴンで間違いないだろう」と語った。ジュゴンが泳ぐ海域からわずか数キロの辺野古沿岸部は、対照的に緊迫した雰囲気。この日は、海底ボーリング調査に使う台船を海上に設置し、海底調査に着手した。

 ◆ジュゴン 海牛目ジュゴン科の哺乳類で、ゾウと共通の祖先を持つ。体長2~3メートルで体重250~400キロ。数分ごとに呼吸のため水面に顔を出す。聴覚は人間の8倍といわれる。南太平洋からインド洋の熱帯・亜熱帯海域に生息し、沖縄が北限。



アマモが繁茂する辺野古の海は、絶滅危惧種であるジュゴンの餌場である。ここを軍事基地のために埋め立ててしまうことは、人道的にとても許容できないです。
どうしても、国は強引に作ってしまいたいみたいだけど、なくしたら、二度と取り戻せないものもあるのです。

今からでも移設先をキャンプ・ハンセンに変更したらどうですか。アメリカ側も了解していたんだから。
 →http://www.y-fujita.com/activity/reports/9429/



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 辺野古の海にジュゴンの食み跡
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辺野古の海にジュゴンの食み跡

2014年05月18日 | 沖縄で起こっていること
いつだったか、テレ朝の日曜日午前の番組「報道ステーションサンデー」を見ていたら、米軍は、普天間基地の移設に関して、辺野古には全然こだわっていなくて、むしろ、ここに滑走路を作りたいのは、日本の官僚・外務省と防衛省の強い意向だっだと知った。
民主党鳩山政権時代、辺野古案とは別の候補地があり、アメリカ側もそれで問題なしという答えが出ていたのに、日本の官僚の抵抗にあって頓挫してしまったのだという。(鳩山さんはいい人だけれど、官僚の壁を崩すにはあまりにも押しが弱かったですね。)

詳しくは、こちら→極秘交渉の舞台裏 特集“幻”の普天間基地移設案

一度決めたことを覆すのは、官僚のプライドが許さないっていう事なのだろうか。大きな事業なので、埋め立て利権もあるのではないかと番組で鳩山さんも匂わせていた。
・・・そんなことを今頃言われても、あまりにも残念すぎるけれど、鳩山さんだって悔しさはきっとあるのだろう。
彼らは口が立つから、それは、余程の信念とエネルギーがないかぎり、言葉では言い負かされてしまうでしょう。ましてや鳩山さんのような素直な性格の人は妙に騙されやすいし・・・・。

官僚の人たちは、どれほど頭が切れて、勉強ができたのか知りませんが、何か最も大事なことを忘れてしまったのではないですか。
すべての官僚に言っているわけじゃないけれど、そんなことが多すぎるのです。この地球という惑星に人間として生まれた意味をもう一度よく考えて欲しい。天の道から、ずれてしまっているのではないですか?

この海は、絶滅の危機にあるジュゴンの北限の地。食料であるアマモなどの生える亜熱帯の浅い海にしか生息できないジュゴンにとっては、とてもとても貴重な海です。

以下、5月18日の沖縄タイムスより。



ジュゴン食み跡再確認 辺野古の移設予定地

 【名護】米軍普天間飛行場の移設計画で埋め立て予定地となっている名護市辺野古沿岸の海で、絶滅危機にある国の天然記念物ジュゴンが海草を食べたとみられる跡が確認された。付近では沖縄防衛局などの調査で、2009年や12年にも「食(は)み跡」が見つかっており、餌場となっている可能性が大きい。

 ジュゴンの生息環境調査を実施している「北限のジュゴン調査チーム・ザン」が16日に、岸から20~30メートル沖で発見。水深2メートルほどの砂地に生えた海草「ウミジグサ」や「ウミヒルモ」などが線を引いたように無くなっており、ジュゴンが食べたとみられる。5~10メートル四方の範囲で数本が確認されており、1~2週間以内に食べた可能性が高い。




 チーム・ザンの鈴木雅子代表は「辺野古沿岸は嘉陽の10倍の藻場があり、回遊ルートを南北につなぐ貴重な場所で、訓練などがなければ繁殖地となるような大事な海。守らないといけない」と強調した。



海は人間だけのものじゃないってこと。

今もめている、南沙諸島とか西沙諸島の海だって、なんにも言わなけれど、たくさんの生き物が生きているんだよね。
それぞれの種が、生態系のバランスの中で、つながっている。調和を乱せば、巡り巡って自分たちに還ってくる。

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名護市長選は、辺野古移設反対の稲嶺氏が勝利

2014年01月20日 | 沖縄で起こっていること
名護市長選:再選の稲嶺氏「辺野古前提ならすべてお断り」

毎日新聞2014年1月20日(月)00:14

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設の是非を最大争点とした同県名護市長選が19日投開票され、日米両政府が進める名護市辺野古への移設に反対する現職の稲嶺進氏(68)が、移設推進を訴えた前自民党県議の末松文信氏(65)を大差で破り、再選を果たした。

 当選を決めた稲嶺氏は「政府は辺野古移設に固執しているが、県内移設はダメというのが県民の総意だ。辺野古の埋め立てを前提にする手続き、協議に関してはすべてお断りする」と述べた。



「いっときのお金で、子孫に禍根を残すな」という稲嶺氏の主張を名護市民は選びました。
辺野古の海は、北限のジュゴンの生息地です。

BEGINの「島人ぬ宝」・・・教科書に書いてない、数字じゃあらわせない、宝物。大切なものが、ここにあるから。



BEGIN 島人ぬ宝 歌詞付 ビギン



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60年代沖縄で生物兵器実験

2014年01月18日 | 沖縄で起こっていること
敵と認定した相手を倒すためには、どんな手段でも使う、戦争とは人間の持つ最もネガティブな意識の象徴だ。
60年代初頭、生物兵器実験のため、沖縄では、米軍が稲に被害をもたらす「いもち病菌」を散布していたことがわかった。

1960年代初めといえば、東西冷戦時代、ベトナム戦争が始まった頃。日本はオリンピックに向けて高度経済成長期のはじまり、イケイケドンドンの時代であった。しかし、光が強ければ影も濃い。
沖縄はまだ、アメリカから日本に返還されておらず、アメリカの一部であった。

1月13日の東京新聞のこんな記事。


60年代 沖縄で生物兵器実験 稲に被害の菌 米軍が水田に散布
 2014年1月13日 朝刊

 日本に復帰前の一九六〇年代初めの沖縄で、稲作に深刻な打撃を与える生物兵器の研究開発のため、米軍が屋外実験を繰り返していたことが分かった。稲に大きな被害をもたらす「いもち病菌」を水田に散布し、データを集めていた。共同通信が米軍の報告書を米国の情報公開制度で入手した。



写真:東京新聞


 米国本土や台湾でも実験しており、沖縄が米軍の生物兵器の研究開発戦略に組み込まれていた実態が浮かび上がった。中国や東南アジアを念頭に開発を進めていたとみられる。その後、米国は六九年、人に被害を与える病原体を含め、保有する生物兵器の廃棄を決めた。
 報告書は、米陸軍がいもち病菌を使った研究開発の結果をまとめて六五年に作成。実験場所の一つとして沖縄が明示され、六一~六二年に少なくとも十二回の実験が記載されている。「ナゴ」「シュリ」「イシカワ」という具体的地名があり、名護や首里、石川(うるま市)の可能性があるが、基地の敷地内だったのかなど詳細は不明だ。

 報告書は、いもち病菌の散布について「沖縄と台湾では、菌をまくために小型の散布機を使った」と記述。六一年四月に沖縄で行った散布実験では、数十メートル離れた場所にどの程度の菌が届くかを計測した。
 他の十一回の実験では、稲にできた病斑の数や期間中の気象条件、収量の減少率などのデータを集めていた。
 また六一~六二年にナゴで、日本と台湾、米国の稲の品種を使い実験したなどとする記述もあり、実験回数はさらに多かった可能性もある。
 同様に入手した米陸軍の別の文書は、沖縄などで行った実験が「有用なデータの蓄積という点で部分的な成功を収めた」と評価している。


◆3カ所とは驚き

 琉球大の我部(がべ)政明教授(国際政治学)の話 
沖縄での生物・化学兵器の配備や貯蔵、訓練は、米軍側が1961年に着手した「プロジェクト112」の一環だ。生物・化学兵器の態勢強化を図るのが目的で、米国内や海外の基地で数多くの研究や実験をした。沖縄にも62年に化学兵器部隊が配備された。配備の前から農作物に被害を与える生物兵器開発の実験が行われていたことはあまり知られておらず、3カ所で実験されていたとは驚きだ。首里には基地がなく、実験は基地外で行った可能性もある。




日本の戦後の繁栄は、沖縄の犠牲と引き換えだったのだろう。
そして、未だに続く犠牲。沖縄知事を大金で丸め込み、米軍基地のために、宝石のように美しい辺野古の海を埋め立てることを決めた日本。「美しい国」って何?

それにしても、情報公開は大事とつくづく思う。
事実を知ることで、人間のやってきた愚かさも知る。

しかし、昨年成立してしまった自民党の作った秘密保護法のことを思うと、とても情けない気持ちになる。
まるであの20世紀の戦前の日本に戻るような内容で、その時の為政者の都合でいかような解釈もできるという危険がある。
(参照:12・6を忘れない マンデラ氏と秘密保護法
ほんとうの意味での国民主権、民主主義に背を向けた、時代錯誤の政権の時代錯誤の法律が、また過去に戻るような強引な成立のさせ方で通ってしまったこと。その成立の過程も情けない。

戦争の世紀と言われた20世紀、そして実験当時の東西冷戦の頃、大国は軍事的な秘密が多かった。何もアメリカだけではなかっただろう。
しかし、21世紀、世界は変化し続けている。核廃絶に向けて少しずつ歩をすすめている。いつまでも同じやり方を繰り返してはならぬと、歴史は教えてくれる。

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