虹色オリハルコン

命にエネルギーを与えるパワーの力

命からエネルギーを奪うフォースの力

どちらを選ぶかは自分次第

首相官邸で働いて初めてわかったこと

2013年03月31日 | パワーな人々・パワーな本


著者は、元テレビキャスターで、菅直人前総理のもと、広報として突然官邸に飛び込んだ下村健一氏。
本当に良い本でした。星5つどころか星10個もつけたいほど。
初めて、菅前総理のことをちゃんと書いてくれた人がいる・・・と思ってうれしかったから。

思ったとおりだった。震災以来ずっと四方八方から叩かれ続けた菅さんだったけれど、違う、そうじゃないはずだと、ずっと感じ続けた違和感を払拭してくれたから。

あの時、官邸では、泥縄だったかもしれないけれど、その中で必死で戦っていたんだ。
協力してくれといっても応じない、そのくせ、対応が悪いと批判や罵詈雑言を浴びせかけ内閣不信任だのと、被災地そっちのけで震災を政局利用していた与野党の国会議員たちこそ、税金泥棒じゃないか。

それを物語るP116

 とにかく人手が足りない。あの時期、政府が3つほしいとよく思った。震災・津波対応の政府と、原発事故対応の政府と、普段の国政をやる政府と。本当にみんな3人分以上の仕事をしていた。
 例えば、3月13日の朝の官邸での緊急対策本部のやり取りをメモした僕のノート。

・明日後半-雨、雪。さらに低温に。
・外国の救援隊がきても、日本人を助けている間に、その国の人の救援が出来なかったということが起こりうる。
・保健師-全国から現地入りを昨日から調整
・明日~東電が輪番停電→病院に影響しないように!
・福島県-避難所用に66万食必要なのに、あと2万食しかない
・役所職員用-飴と蜂蜜しかない
・外国語の情報発信データベース→外務省で検討を


・・・こういう調子で互いに脈絡なく、あるとあらゆる情報が流入してきて、それに総理以下各大臣は即断即決を下してゆかなければならない。
 別の日には、「墓地埋葬法の手続き特例措置を、今日中に!」という話も出た。犠牲者が多すぎてご遺体を火葬している時間と施設が足りず、腐敗する前に早く土葬して欲しいという要請が被災地から相次いでいるという。政府が決めなければならないことは一体どこまで広いのか。そういう痛ましい話をしている只中に、同時に「一号炉の水位が下がっています」といった情報が飛び込んでくるのだ。

 このように震災対応と津波対応と原発対応は、すべて同時進行だった。これは非常に重要なポイントだ。原発対応についてはマスコミや事故調査委員会などで、いろいろと検証されているが、当然ながらどの取材・調査者も、当時の原発対応の部分に限って調べようとする。そうすると「なぜもっとテキパキ判断できなかったのか」といった疑問が出てくるのかもしれないが、現実には震災の対応にも物凄いエネルギーが費やされていたわけで、その現実を踏まえた検証でなければ絵空事になってしまう。今度また、大きな原発事故が起きるとしたら、それは大地震と再び同時発生の可能性が高いのだから。



現実に、震災当時、官邸内にいた元報道関係者が書いた文章は、わかりやすく臨場感がある。
反原発派には批判の対象である原子力ムラといわれる官僚たちへの見方も公平で、利権のためとか単純なレッテル貼りではなく、是々非々で書かれていることにも、私は好感をもった。
報道は、全てにおいてまず、中立の立場であることが正しいと、思っているので、脱原発であってもこういう視点は絶対欲しい。
(私自身は、報道者じゃないので、原子力ムラへは批判の立場であることは変わりありませんけどね)


正直で、真っ直ぐで(裏を返せば、直情的といわれる)、私が感じていた等身大の菅直人氏の姿がよく出ていると思った。
他にも福山哲郎議員と官僚との正義Aと正義Bの熱い論争や、正真正銘脱原発派である枝野前経産大臣のぶれる発言の理由(これも思ったとおりだったけど)や、国家戦略室が行った将来のエネルギー依存度の「国民的議論」の裏側など、とても興味深い内容だった。
今思うと、下村氏が官邸にいてくれたことには、とても大きな意味があったと感じる。
やはりあの当時の官邸のメンバーは、あの人達で本当によかったと思った。あの時、あの修羅場を通過して、日本という国の中で、確かに何かが変わったと感じたから。

野田政権下、国家戦略室の古川担当相を議長にした国民とともに考えるエネルギーの「国民的議論」の変遷は、官僚主導から、政治家主導あるいは国民主導に変わりつつある様相が見えてきただけに、前回の選挙結果は、とても残念だった。
だけど、金曜日の官邸前のデモは、政権が変わった今も続いている。

本文中で、下村氏は菅さんがカンフルブログで書いた

「真剣に山頂を目指す登山家は、山頂に向かって一直線に登ってゆくことが困難な時は、前向きに迂回コースの登山道を選びます。肝心なのはリスクを賭して直線的に登ることではなく、確実に山頂にたどり着くことです」


という言葉を引用していた。
これは、脱原発の枝野さんのスタンスを表す比喩として、菅さんの言葉を引用したものだけれど、同様にお任せ民主主義から自立した個人の意見がきちんと反映される民主主義への道とも言えるのではないかと思った。
民主党は、前回負けてしまったけれど、迂回コースの最中なのだと思えばいい。

菅さんを嫌いだという人を含めて、より多くの方に読んで欲しい本です。



★関連記事
 9月2日下村健一さんのツイッターより
 枝野さんが菅前首相の視察を擁護
 野田政権を支持する(条件つき)
 民主主義ってなんだろう--「マイケル・サンデルの白熱教室」後編

 
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消費社会は洗脳社会

2013年03月28日 | パワーな人々・パワーな本


この本のまえがきに大手広告代理店電通の「戦略十訓」といわれるものが紹介されています。

もっと、使わせろ
もっと、捨てさせろ
無駄づかいさせろ
季節を忘れさせろ
贈り物をさせろ
組み合わせで買わせろ
きっかけを投じろ
流行遅れにさせろ
気安く買わせろ
混乱をつくり出せ


ものはいっぱい余っているのに、売り続けなければならない。だから、物は捨てさせなければならない。
・・・って、ちょっと考えれば、おかしな話だと気づくのに。

昨年、WWFが試算したところによると、現代人の生活を維持するには、地球が1・5個分必要ということだ。

人口増加に伴う資源の消費が、地球環境を圧迫 WWF『生きている地球レポート2012』発表(WWF)

こういうことを念頭におくと、私たちは消費を美徳とせず、お金に翻弄されず、足るを知る社会を目指すべきなのではないか。
今テレビCMを見ていると、上記、電通の戦略十訓に当てはまる、あんなCM、こんなCMのオンパレードだ。
原発のCMも、テレビ、ラジオ、新聞、マスコミ全部を使って、さんざんお金をかけて作られていたよね。
おかげで、事故が起こる直前まで、安全神話で社会はすっかり洗脳されていた。

2011年、3.11以降、人々の間に生まれたものは、「共生」の時代への芽生えだった。
しかし、2012年、それが、不都合であったり、おもしろくないと感じる人々の中にある欲望が、活発化してきたなと感じた。
結果として、また自民党に政権が変わり、アベノミクス(きっかけを投じろ?)と呼ばれる、「よくわからないけれど、景気が良くなりそうなもの」という空気に期待をよせているようだけど・・
まるで、よくわからないけれど「郵政民営化」が実現すればすべてが良くなる、と思い込まされたあの時を思い出す今日このごろ。




菅直人善総理は、2011年5月、フランスで、OECD50周年の記念スピーチを行った。
あの大震災の経験をした日本から、自然エネルギーへの転換、省エネルギーへの挑戦(=自らの欲望をどこまでも増大させるのではなく、適切な欲望の水準を知ること)、新生日本のメッセージを世界に向けて発信した。
(しかし、至極まっとうなことを言ってもマスコミには少しも報道されず、菅おろしはさらに激しさを増したのだ。。)

3.11を経験した日本の役割とは、菅さんの言葉通り、そういうことを世界に先駆けて自覚することだったのだと私は思う。
この日本を3.11以前に逆行させるなら、地球があともう1個なければ、人類は生きて行けなくなるだろう。
しかもこの地球は、人間だけのものじゃないよ。

一瞬のお金のために、結局悲しい思いをするのは誰ですか。
安全洗脳の果ての原発事故は、象徴的だけれど、それだけじゃない危険は、今も目の前にある。
医療、食品、住環境あらゆる所で、お金のために、静かに体が心が蝕まれてゆく。
世にあふれる危険に目を塞ぎ、売り続けなければならない、こんな社会は変。
と、気づいた人から変わってゆく。


★関連記事
 マクガバンレポート黙殺にみるネガキャン構造



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完全版にゃのだ

2013年02月24日 | パワーな人々・パワーな本
かわいい、ブックカバーをいただきました
真ん中のおヒゲがゴムで、本を閉じられる





さっそく、大切な文庫本のカバーにしようと思ったのに
厚すぎて、収まりませんでしたよ、飯田史彦先生 





さすが、著者自身が認める、厚すぎて文庫本の意味がない?文庫本
でも、持ってるだけでなぜだか、安心感がある不思議な本です。 


[完全版]生きがいの創造 (PHP文庫) [文庫] 飯田 史彦 (著)




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「田坂教授、教えて下さい。これから原発は、どうなるのですか?」

2012年10月28日 | パワーな人々・パワーな本

原発事故当時、菅前総理の周りにいた方たちの多くが、なぜだかとても高い意識レベルを持った方たちだったのは、偶然ではないのかもしれない。
本当に紙一重で、日本が救われた、と今になってつくづく思う。「神ひとえに」と、言葉を変えてもいいのかもとも思ったのは、今日、うちの不思議人間が本屋さんでみつけた本があったから。
持った途端に、スーッと体が楽になったので、中身を見ないで買ってきてしまった、と申しておりました。



著者は、田坂広志氏。原発事故当時、元内閣参与として官邸で事故対策に取り組み、総理に「脱原発依存」を進言したその人です。
本、まだぜんぜん読んでいないけれど、この本に出会えたことが、とても嬉しかったので、即ご紹介したかったのです。

いろいろなことがある日本だけれど、ヘドロのような毒も沈んでいるうちは、気づかない。浮かび上がってこなければ、すくいとることも出来ません。
いろいろなことがあることは、その本質が、わかりやすく目に見える形になってきたこと。だから、きっといいことなんだと前向きに受け止めることで、希望を持って乗り越えて行けるのではないかと思います。

とりあえず今日は、いい本に出会えたから・・・よかったなっ!


田坂広志氏プロフィールはこちら
 http://www.hiroshitasaka.jp/profile/

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枝野幸男氏の脱近代化と朝日新聞の書評

2012年10月22日 | パワーな人々・パワーな本


枝野幸男経産大臣の著書「叩かれてもいわねばならないこと。
アマゾンの書評を読むと、原発事故当時の官邸の内情や当時官房長官だった著者の表に出てこない部分のルポルタージュを期待した人には、期待はずれだったという内容があったけれど。

この本は、サブタイトルに、「脱近代化と負の再分配」という言葉があるように、原発事故を通して、戦後の日本の経済のあり方、ひいては人生において何に価値を見出すか、を問う、文明の転換期を示す視点が第一にあり、そこに着目できなければ、読んだ意味のない本になってしまいます。

コメント欄で教えていただいた、朝日新聞・根本編集委員の「断簡」というコラムの書評。
本を読んでどう感じるかは、それぞれですが、アマゾンの書評にない的を射た意見だったので、とても共感しました。

MJJ様が書き起こして下さったので、遅くなりましたが、ぜひご紹介したいものです。


枝野幸男経済産業相の新著「叩かれても言わねばならないこと。」はなかなか刺激に富む。
たとえば、首相官邸周辺で続く抗議デモを肯定的に評価する。長い目で見るならば、脱原発依存の実現のための「力になる」と。
現職の大臣にしては踏み込んだ記述が目につくが、ご本人に気にする風はない。
民主党幹事長、官房長官と要職を次々つとめ、衆目の一致するところ、いずれ党の先頭に立つべき一人である。
その党はいま、深刻な危機にある。枝野氏はこの本で、来るべき総選挙に向け、民主党と言う政党の背景となる考え方、基本的な立ち位置を改めて確認しようとしている。

枝野氏によれば、明治以来の日本が歩んできた近代化のプロセスはもはや限界である。財政危機を、格差拡大を、原発事故を見よ。いま「成長幻想」を捨て、「負の再配分」を覚悟し、「脱近代化」社会をつくっていかなければならない―。
ここでの仮想敵はいうまでもなく、あくまで成長を追う「上げ潮」路線である。
枝野氏は筆を進める。「政治ができることは限られている。/あなたの生きがいを私がつくってあげることはできない。/政治は幸福をつくることができない」
どういうことだろうか。
政治は、それぞれの貧困や病苦に手をさしのべることはできる。しかし、幸せや自己実現は、それぞれが自分で追及していくしかない。それが、「人々の多様性を認める社会、真にリベラルな社会」での政治の役回りである。
これは民主党の原点にあった政治観といっていい。
菅直人前首相は「最少不幸社会」論を掲げ、人々の価値観や選好、内面に関わる領域から政治は手を引くべきだと説いた。
鳩山由紀夫元首相も、政治の役割を控えめにとらえる「新しい公共」論を唱えた。
枝野氏はこうした民主党リベラリズムの嫡流にある。

しかし、民主党がそのような背景に貫かれた政党だと、普通の人々に理解されているだろうか。枝野氏に問うと「伝わってないでしょうね。この3年間を通じ、民主党の中ですら共有されなかったという反省があります。」
消費税増税という負の再配分には辛うじて手をつけたが、党内は分裂劇や代表選を経てもなおバラバラの感が深い。
党の原点に立ち戻れと訴える。「そうすれば、次の総選挙の結果がどうであれ、2大政党の一翼を担い続けることができると思う。そこがぐらつくと、政界流動化の渦に党全体が巻き込まれかねない」
枝野氏はすでに「その先」を見据えている。そのことがこの党の苦境のほどを示す。

------------------------------



民主党の理念が、国民だけではなくて党内でも共有されなかった・・・というのは、とても残念です。
党内で伝わらなければ、国民に伝わるはずもなく。
「税金は少なく、保証は手厚く」多くの国民はそう願っているけれど、資源も環境も有限で、右肩上がりの経済がもう限界だと皆内心では気づいているのに、そんな魔法は、あるはずもありません。ギリシアの財政破綻は、まさにそのような政策のつけであったわけですから。

国民自身、好むと好まざるにかかわらず、価値の転換を覚悟しなければいけない時代に生きているという自覚がどれほどあるのか。
そもそもどれだけの人が、この脱近代化や負の再分配を理解できるのか、という事をつきつけられているような気がします。
政治にかっこ良さやヒーローを求めることは、現実的ではないと私も感じます。
ババ抜きのババを自ら引き受けて、後始末できる政治。
成長を求める経済的物質的な豊かさは幻想だと気づき、皆で支えあう社会の精神的な豊かさへ価値の変換を求める政治。
それは、すべての国民に喜んで受け入れられる役割ではなく、むしろ嫌がられるかもしれない・・・「叩かれる」とは、そういう意味もあるのではないかと思いました。



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政治家のターニングポイント

2012年10月05日 | パワーな人々・パワーな本

「パワーかフォースか」によれば、人の意識レベルは、人生においてわずか5ポイントしか上がらないと、書かれています。
自分の慣れた見方を変えるくらいなら死んだほうがまし」と思う人が多いように、自分の固執した意識から抜け出し、意識レベルを上げることは、難しいことなのだと思います。

特に、政治家など矢面に立って、人のネガティブな意識にさらされるような人は、よほど強い意識を持っていない限り、残念ながら、意識レベルは上がるどころか、逆に大きく下がってしまうことがあると経験的にわかりました。
逆境にあった時、強い意識を持って乗り越えようとするのか、不安や怒りで自分の意識レベルを下げてしまうのか。

大きな逆境を、逃げずに、真正面から受け止めようと思った瞬間。
人生のターニングポイントは、そこにあります。
3.11は日本のターンニングポイントであり、世界のターニングポイントでもあったと感じます。

枝野幸男経産大臣の本「叩かれても言わねばならないこと。」を手に入れました。
折り込んだ裏表紙の内側にある枝野さんの写真は、あの震災当時の服装でした。
なぜ、この写真なのか。
枝野さんの政治家としてのターニングポイントは、3.11で、ここが始まりだったからだと思います。
枝野さんの今は、これが原点なのです。その思いは、震災や原発事故で傷ついた国民と同じです。
だから、私は枝野さんが信じられるのです。
同様に菅直人・細野豪志・辻元清美議員も信頼できると感じます。また古川元久議員や福山哲郎議員などにも共通の思いがあると感じます。


以下、「叩かれてもいわねばならないこと。」帯より

「成長」や「改革」は幻想だ。
拍手喝采される政治は嘘。
東京に使用済み核燃料の受け入れを求める。

(追記・この部分については、もう少し説明が必要と思い新記事を書きました
「官邸デモは有効である。
必要なのは「敗戦処理」だ!




枝野さん、多分ずっと同じ事を、私どもも思っていましたよ。
多くの方に、本当の枝野さんを知っていただきたいです。

それから、最後の視点に、「インターネットと政治」という文章がありました。
著書のメインの趣旨とは違うかもしれませんが、ブログもネットの一環なので、あえてこの文章の最初の部分を掲載したいと思います。

 

 インターネットは、政治の環境や国民の政治意識に大きな影響を与えている。
これからインターネットによる政治活動や選挙運動が、ますます進んでいくことは間違いない。ネット普及による影響力の増大にともなって、その功罪の規模も膨らむ。有用なツールであると同時に落とし穴があることも心しておくべきだ。
 3・11の時は被災地や原発事故情報について、ネット上に大量の悪質なデマが流れ、実際に風評被害を招いたケースがあった。
 私自身の例を出せば、「震災後に妻子をシンガポールに避難させた」というデマが出回った。もし、地震がなければ、春休みに、妻子だけでシンガポールに観光旅行に出かける予定だったが、地震のため中止して日本にいた。なぜこれが曲解されて伝わったのか、不思議でならない。
 誤った情報は、私の名誉という以上に、当時官房長官として政府の広報を担っていただけに深刻だった。「国民には冷静な対応を求めながら、自分の家族だけは海外に逃している」という誤解によって、政府が発信する情報全体の信頼性を損ないかねなかった。
 さらに言えば、家族に対して心苦しかった。地震発生から東京にいた妻子には、発生日に電話1本入れただけだった。1週間後に、2時間だけ帰宅できたときは、好物の餃子を作ってくれていた。政治家の身内だけに少々のことは承知してくれているが、悪質なデマに包囲され、一時はパスポートを常時持ち歩くなど、肩身の狭い思いをさせたのは、さすがに申し訳なかった。
 自分のメルマガや会見で、「震災以降、妻も子ども二人も海外に出たことはない」と否定したが、いったん流されたデマは一気にネット上に増殖し、記録として残る。いまだに本気にしている人は少なくないのではないだろうか。
 また、地震から約1か月後、私が福島県南相馬市に防護服を着て視察した際、「自分だけ放射能から身を守ろうとしている」という根拠のない話がネット上に出回ったことがあった。
 原発から半径20キロ以内の避難区域は、防護服の着用が義務付けられている。テレビで流れた映像は、20キロ圏内から出て防護服を脱ぐ時のもので、周囲に防護服を着用している人がいないのは当然だった。
 そもそも着用した防護服は主に放射性物質の周囲への拡散を防ぐためのもので、着用している人を放射線から防護するものではない。デマは防護服を着用する人々への偏見を助長しかねない。



ネットの有用性を認めながらも、デマが拡散してしまったこと。
真実が歪められて伝わる危険性、ネットを利用するものとして、私達も、十分気をつけたいことですね。

 

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自分をえらんで生まれてきたよ

2012年09月28日 | パワーな人々・パワーな本
我が家の不思議人間は、やたら本を買う人なんだけれど、ここ数年来のその選択基準は、内容よりも手に持って体が楽になるかどうかという、ある意味、特殊能力基準。(本当はだれでも持っている能力だけど、みんなそれに蓋をしてしまってわからなくなっているだけなんだって)
購入の基準が「内容」ではないから、いきおい、我が家には色々なジャンルの本がたくさんある。基本ノンフィクションだけれど、政治・経済・医療・自然科学・環境問題・インテリアに手芸、そしてスピリチュアルもある。

とはいえ、本屋さんの売り場には山のように本があるけれど、その中から、持った途端に体が楽になる本などというのは、特に大人向きの本は、本当は数えるほどしかないのが現実なのだ。

多分、この本は今まで出会った本の中でも、最強の部類に入る一冊だ。




自分をえらんで生まれてきたよ
 いんやく りお著 


病気を持って生まれてきた少年がお母さんと話した言葉の数々。
我が家の不思議人間は、とあるページで号泣していた。この人は、自分の魂が呼応すると、本人の意志にかかわらず、泣くシーンであろうがなかろうが涙が出てくるらしいのだ。
飯田史彦さんの本の中で、飯田さんがイギリスで迷ってコナン・ドイルのお墓に偶然出くわしたくだりで、別に泣くシーンでもないのに号泣していた・・・
だからきっと、りおくんの言葉は、誰もが生まれて来る前に知っていた、だけど忘れてしまったことを魂が感知する、魂が喜ぶ言葉なのだと思う。


心は神様のかけらで
体は地球のかけらだよ


これはまさに、以前書いた、「本当の私は意識である」そのもので、しかも、シンプルにしてとってもわかりやすい。すごいなー。


水も、生きている
水は、小さい粒でできているけれど
それより、小さい粒があって
それが、神さまのたましいなんだ


今年になって、神の粒子と呼ばれるヒッグス粒子の発見によって、物質が存在する不思議が少し紐解かれた。
ヒッグス粒子について、私も下書きしていたことがある。宇宙には、意志があるのか・・・とか。でも私が、まどろっこしく書くよりも、この一言ですんじゃいそうだ。(笑)


しんどいというのは、
じつは、小さな喜びなんだよ
しんどくてたまらなくても、
その後に、やっぱり疲れがとれるでしょ。
そのとき、前よりももっと元気になっている。
だから、しんどいってたいせつなことで、
しんどい思いができるというのは、
じつは、奇跡なんだよ


そだね。うちでも、2年前くらいに、とっても苦しいことが続いて(多分、人生の好転反応だったのだけれど)、乗り越えたらパワーアップしたよ。
そのとおりだよね。ありがとー、りおくん。

便利に見えて体をいためる物質に囲まれている現代文明。心ならずも人を傷つける言葉の荒波高波。情報の洪水に溺れて、いつの間にか、ささくれだってしまう心と疲弊する体。
リセットするためにも、全編、パワーに満ちている言葉のシャワーを浴びて、もっとやさしく、もっと元気になりましょう。




★おまけです

   
  今晩のモーリーくん。いつもと同じだけど今日は全身見えました(笑)(クリックで拡大)
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畠山重篤さん、フォレストヒーローとなる

2012年02月10日 | パワーな人々・パワーな本

午後のNHKのbsニュースを見ていたら、気仙沼の畠山重篤さんが、国連の「フォレストヒーローズ」(森の英雄)に選ばれたと!
すごくうれしい。畠山さんの海を守るために植林するという活動が認められたこと、・・・畠山さんに、縁もゆかりもないお会いしたこともない私ですが、心から尊敬していたんです。思わず知らず、気づいたら涙があふれてました。

おめでとうございます、よかったですね、畠山さん。うれしい涙はいくら流してもいいものです。

■国際森林年:気仙沼の畠山さん「フォレストヒーローズ」に
【ニューヨーク山科武司】国連森林フォーラム(UNFF)は8日、昨年の「国際森林年」を記念し、森林保護に貢献した「フォレストヒーローズ」の一人に東日本大震災の被災地、宮城県気仙沼市でカキ養殖業を営む畠山重篤さん(68)を選んだと発表した。
 畠山さんはカキを養殖しながら環境保護などに携わるNPO法人「森は海の恋人」の理事長を務め、気仙沼湾に注ぐ大川上流域の植林を続けてきた。「毎日新聞・震災フォーラム」のメンバーで、著書に「鉄が地球温暖化を防ぐ」(文芸春秋)などがある。
 フォレストヒーローズはアジア、アフリカ、欧州、中南米、北米の世界5地域から計6人選出され、アジア地域で畠山さんが選ばれた。国連本部で9日に開かれる国際森林年閉会式で表彰される。
毎日新聞 2012年2月9日 13時00分(最終更新 2月9日 13時21分)



★関連サイト
 森林ヒーローに気仙沼の畠山さん(MBSニュース:動画あり)

★関連記事
 山に木を植え、海に鉄をまく人
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幸せの青い鳥は、自分のすぐそばにいる

2011年11月30日 | パワーな人々・パワーな本

ブータン国王夫妻が来日され、日本にいらっしゃる間に、私たちの心の中にある、素直であたたかい感情を呼び起こして下さったように思います。
お二人の言動から、「本当の幸せとは、精神の在り方である」というストレートなメッセージを受けとられた方も多かったのではないかと思います。
また、日本人にはどこか親しみのある美しい民族衣装もとても素敵でした。

 パワーは人に喜びのエネルギーを与えてくれる

お二人を見ていると、本当にそう思います。
テレビの番組ですが、とても粋なシーンがあったのでご紹介しますね。
ご覧になられた方も思い出してね(笑)

日本を離れる直前のインタビューです。日本国民に対してのメッセージ。




「みなさんを抱きしめたい気持ちです」




「代表して妻を抱きしめます」




「みなさんを抱きしめていると感じていただきたい」






これほど美しい奥さまなら、誰だって抱きしめていたい…でしょうけれど (*^m^*) ムフッ

ユーモアあふれる中、新妻である王妃への愛情と同じくらい、日本のみなさんを愛しています・・・という思いに、また幸せな気分になってしまいました。そして、

自分の身近にいる人を大切に思う気持ちは、世界中の人々を大切に思う気持ちとつながっているんですよ・・

と、改めて、気づかせていただきました。
ワンチュク国王、ぺマ王妃、来日ありがとうございました。
私も心の中でお二人をハグしましたよ(笑)


★関連サイト
 「国民総"幸福"量」を重んじるブータン国王が国会で演説 全文


★関連記事
 ブータン国王夫妻の来日によせて



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ブータン国王夫妻や浅田真央ちゃんや・・

2011年11月23日 | パワーな人々・パワーな本


先週は、ブータンのワンチュク国王夫妻の来日で、ほっこり癒され

フィギュアNHK杯では、浅田真央さんの妖精のようなスケートに癒され

なんとも 幸せなひと時でありました。


Mao Asada - 2011 NНK Trophy FS



真央ちゃんの最後の表情、パワーのオーラ満開できらきら、まぶしい。

試練が厳しいほど、乗り越えた時の喜びは格別です。






そうそう、真央さん、なかなかの仏像顔ですよね。

あの飛鳥美人にも よく似ています。



 中宮寺


いつの日も 未来は 

明るいのです。



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慰霊と復興を祈るお遍路の旅

2011年10月05日 | パワーな人々・パワーな本
思ったことはすぐやりなさい・・・って、「夢の扉」という、本当に次々に夢の扉が開かれるような好きなテレビ番組の中でいってたんだけど、時々ふと旅に出たいと思うことがある。
季節がよくなれば、なおのこと。

でもいろいろな事情があって、今は潔くあきらめることにする。
それに、近所の道を歩く時、日々、変化する頭の上の空を見上げ、なんだかこの世という修行の旅路の一部にいるんだなあと、そんなことを思う時もある。





菅さんが、6度目のお遍路の旅に出られた。
人生何が起こるかわからないけれど、国の存亡さえ危うくするような原発事故に見舞われた今年3月。
まだ終わったわけではないけれど、最大の危機の峠を脱することができ、本当によかったと思います。
(人からなんと思われようと、紙一重のぎりぎりのところで見えない力が日本を守ってくださっていたと、私は個人的には思っています。)

この災害で亡くなられた方たちのご冥福を祈り、原発の収束と震災からの復興を誓う、祈願の旅。

この国が、脱原発の道を選び、人の和と自然との共生を重んじた本来の日本へと生まれ変われますように、私も、心を合わせて祈りたい。

弘法大師様と、目には見えないけれど、私たちを後押ししてくださる力のみなもとへと。
どうぞ よろしくお願いいたします。

菅さん、道中ご無事で。お祈りしています。


菅前首相、四国お遍路を再開 慰霊、復旧へ祈り(東京新聞)


おまけに、少しうれしいニュース
連合「脱原発依存」に方針転換 即時停止は求めず(朝日新聞) - goo ニュース



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枝野経済産業大臣

2011年09月13日 | パワーな人々・パワーな本


災い転じて?、枝野幸男前官房長官が新経済産業大臣に。
このポストは、難題も多いわけですが、鉢呂さんはちょっと弱かったから、むしろ早く辞められて良かったのかもしれないなとも思います。

私自身、正直に申しますと、政治については、もう手放したいという気持ちがずっとあります。
しかし、党や組織にかかわらず、個人個人、高いパワーの領域につながった方は応援したい。
枝野さんの使命感や意識、あの震災を経て、さらに強くなっていらっしゃるから、閣僚に入られて、日本のためによかったなと思いました。

これからも各方面から、叩かれるでしょうが、しなやかにしたたかに。
かげながら、応援しております。細野さんもね。


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つながっているんだよ

2011年03月14日 | パワーな人々・パワーな本

勇気



温もり

希望

思いやり

笑顔




言霊を受け止めて、片手を自分の頭にそっと置いて。
そのまま、左右に動かして、自分の頭をよしよしして。
そして、やさしくポンポン叩いて。
その感触は、あなたを抱きしめている みんなの気持ち。
離れていても つながっているんだよ。

・・・・と、これは
被災地に送る上地雄輔さんのメッセージ、素敵なおまじないの方法です。

http://ameblo.jp/kamijiyusuke/entry-10829784126.html

あったかい方です、元気が出てきますね。


それぞれがそれぞれのやり方で、助け合うことを考えよう。
とりあえず私のできることって、節電と募金くらいだけど、ちりも積もれば山となる。
みんなが少しずつ、気持ちを持ち寄れば、大きな力になるのだと信じています。

がんばろう、にっぽん。



★3月15日追記

相馬の知人は、昨日、無事が確認できました。
畠山重篤さんは、ご家族で高台のご自宅に避難されていらっしゃるとの情報です。
詳しくはこちらで・・
 ☆畠山重篤氏のこと(自在ブログ)様より

とりあえず、よかった。


コメント (4)
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目から鱗の免疫学

2010年11月26日 | パワーな人々・パワーな本
学校では絶対に習わないこと、学校では絶対教えられないこと。
常識が覆されたのに、すっかり納得してしまった時、目からうろこが落ちた、と思う。私は、そういう経験を本から知った。


飯田史彦さんの「生きがいの創造」という本を読んでから、今までもやもやして良くわかないけれど、やっぱりあるんじゃないかって漠然と感じていた世界や、人が生きる意味、生まれてきた意味まで理解が進み、目から鱗がおちた。「決定版生きがいの創造」で、それがよりはっきりした。


奇跡のリンゴ」で有名な木村秋則さんの、農薬も化学肥料も使わず収穫を得るという農業の方法から、白神の土と同じ自然の微生物が、植物の本当の力を引き出すことを知った。農薬や化学肥料がそれらを損なっていたことも知った。
品種改良を重ねた栽培種だから、農薬を使わないと育たないと100年近く思いこまれていたリンゴの木が、本来、持っていた植物の力を発揮できること。そして、そこには育てた人とのある種のエネルギーの授受があるということ。
また、目からうろこが落ちた。




人の体の仕組みに関して、安保徹先生の免疫理論も、今までの常識を覆されるという意味で、目から鱗だなあと常々思っていたけれど、「マンガで教えて安保教授!病気にならない免疫学」っていうこの本は、数ある安保本の中でも、もっとも面白くわかりやすいのではないか。おかげで、またまた目から鱗が落ちた。
いったい、私の鱗はどれだけ落ちたら気が済むのか(笑)

人々を不安に陥れている病気のしくみについての説明を読めば、その不安も一気に解消するだろう。
恐るべし、人間の体。熱や、筋肉の痛みが体を治す仕組み、すごいぞ自律神経すごいぞミトコンドリア。自分の体を信じて、自分の体をいたわりつつ、大切に一生、上手に使いこなしたい。

今、自分の病気のことで悩んだり、不安に思っている方がいらしたら、ぜひとも一読してほしいと思った。

コメント (10)
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新首相に思うこと

2010年06月05日 | パワーな人々・パワーな本
ブログのブックマークに菅さんのことを、「私の好きな政治家です」と書いています。

思えば、二枚舌・腹黒さという部分において、政治家という人たちが、この世で一番汚い人種なのではないかと思いこんでいた若い頃がありました。
20数年前、偶然見た、政見放送の中で、立花隆さんの『宇宙からの帰還』という本の一節を紹介して、「宇宙から見た地球には、国境はなかった・・・」ということを話している候補者がいました。
今なら、当たり前に思うかもしれませんが、こういうことを言う政治家は、当時は皆無でした。

「えええ~!、政治家にも、こんな、まともなことをいう人がいるんだ!」

驚いて、大急ぎで名前を覚えました。菅直人。社会市民連合。

それから、彼をチェックするようになりました。
有吉佐和子さんの「複合汚染」という私が環境問題に目覚めた本があるのですが、その最初のほうに若者だった菅直人氏がちょこっと登場していたことも後になってわかり、何か運命的(?)なものを感じました。

その後、新党さきがけ時代に、厚生大臣として薬害エイズ問題に政府として初めてきちんと取り組み、鳩山前首相とともに、民主党を作られたことは、みなさんご存知ですよね。

鳩山さんには鳩山さんの役割があり、菅さんには菅さんの役割があります。
悪いと思ったことがよくなるきっかけになるということは、経験上、何度もあります。
私は全体として、この一連の騒動をパワーの流れとして見ています。

普天間の基地問題を含めて、自民党時代の負の遺産が、山ほどあります。
これらをずっとほっておいた国民にだって責任はあるはずです。
だから、私たち国民も批判ばかりじゃなくて、本当の意味で解決に向かうためにはどうしたらいいのか、国民全体の責任として、きちんと向かい合うことも必要ではないでしょうか。
国民にも、政治を育てる覚悟がなければ、日本の政治はだめになってしまうかもしれません。

鳩山前首相も言っていたけれど、菅新首相もどうぞ、「原点を忘れずに」頑張っていただきたいなと思います。応援しています。
コメント (9)
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