毎年、アカデミー賞にはいろんな逸話が生まれたりするわけなんですが、今年は日本から2本の映画がオスカーを受賞した。
何よりうれしかったのは、宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」
見てないから、感想も言えないどころか、当初からネタバレ厳禁らしくて情報もあまりなくて映画の内容もよくわかっていなかったのですが、宮崎監督の遺言みたいな映画らしいというのは、風の便りで聞いたりしていたので・・
それが、3月12日の東京新聞のコラム筆洗で、この件に関して書かれていたものが、すごくいいなあと思って。
ご紹介しますね。
思春期にあった少年は母親とこんな「論争」をよくしていたそうだ。母親はこう主張した。「人っていうのは愚かなものなんだよ」「仕方がないものなんだ」。欲やウソなど人にはどうしようもない部分があるという意味なのだろう
▼少年はうなずけなかった。人間の愚かさなど信じたくなかったか。「そんなことはない」と反論し、いつも言い合いになっていた
▼少年とは宮崎駿監督。宮崎監督の映画『君たちはどう生きるか』が米アカデミー賞の長編アニメーション賞に選ばれた。2度目の受賞。一度は引退を口にした監督が83歳にして今なお世界のトップランナーにいることを示した
▼冒頭のエピソードはかつてのインタビューからお借りしたが、受賞作の主人公「眞人(まひと)」と人の愚かさを信じたくなかった宮崎少年が重なってならない。ただし「眞人」の方は宮崎さんの母親寄りになっていく。人の弱さや愚かさを認め「悪意」さえ持っていることを受け入れた上でそこから先、「どう生きるか」を模索する存在なのだろう
▼正義か悪かの二元論に分かれ、対立しやすい時代にあって互いに手を取り合うことで、人の愚かさを埋め、乗り越えていこうと示唆しているとみた。その視座を対立に苦しみ、疲れる世界が評価したと信じる
▼「再生」の物語でもあった。となれば、宮崎さんの「次回作」をどうしたって期待してしまう。
私に限って言うなら、人間って、生物、動物、有機体だから、やっぱりどこかアナログでなければならないって思うのだ。
宮崎監督の作品には、それがあるから、まずは、ほっとするのかもしれない。
83歳、自然体であり骨太、言いたいことを言っちゃう、それもすてきだ。
まだまだ現役で、しつこいほど?のメッセージを伝え続けて欲しい。
どうか、ずーーっとお元気でいてください。
しかし前回受賞した同賞「千と千尋の神隠し」からもう、21年も経っていたとは・・月日の経つのが早いと言うより、もはや恐ろしいわね。
■付記
最近有名人の名前と写真を勝手に使って投資詐欺をするという手法が問題になっているようですが
まさかの宮崎駿さんも勝手に利用されていた。一番そういうの嫌がるような人じゃないですか。
これはご本人も不愉快でしょう。
gooニュースに掲載されたかに見せる読売新聞オンラインのニュースという手の込んだ偽サイト。
許せないですね。だまされないでくださいね。