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電車内の熱中スマホ

2015年11月07日 | ジョブズの呪い
東京新聞11月5日「妻と夫の定年塾」より


熱中スマホ 
西田小夜子

 「ねえママ、あのね」
 向かいの座席にいた三、四歳の男の子が、小声で何度も母親に呼びかけている。若い母親はスマホから目を離さず、無言だった。
 男の子の指がスマホに触れる。
 「何すんのよ!」と、母親が小さな手を振り払った。子どもはビクッとしたが泣きもせず、あきらめておとなしくなった。
 本を読んでいた稔さんは、母子の様子が気になり集中できない。読みかけの本を閉じる。
 真昼の電車内は程よく座席が埋まり、立っている人はいない。見渡すと、乗客全員が同じ姿勢で下を向いていた。そろってスマホをいじっており、中高年もけっこう目についた。
 見慣れた光景ではあるものの「異様だな。顔つきまで同じだし、まるで人間ロボットだね」と稔さんは思う。ゲームに夢中の人が多かった。忙しそうに指を走らせ、画面を見つめ続けている。
 無言の車内に駅名を告げる女性の声と電子音のメロディーがチャラチャラと元気に響くばかりだ。20分、30分と過ぎ、40分少したった。母子が降りるらしい。
 子どもはウトウトと居眠りをしていた。ほら降りるよ、と乱暴に起こされ、ホームを歩いて行く。母親は子どもに一度も話しかけなかった。
 稔さんにもあの子と同じくらいの孫がいる。まさかうちの娘も電車の中でスマホに熱中し、子どもをほったらかしにしていないだろうな、と心配になった。
(作家・夫婦のための定年塾主宰)

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稔さんの経験が特別とは思えない。似たような光景は私もよく出くわす。時代が変わったのだと、単純に割り切れない。

そういえば幼いころ、母とバスに乗ってでかけるたびに、帰りは必ず隣りに座っている母の膝に頭をのせて眠ってしまったことを思い出した。
母の膝は暖かくてふっくらして気持ちよかった。それは、子供時代しか体験できない、かけがえのない思い出だったんだということに、今、気づいた。


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