「空気を読め」「空気を読むな」巷ではいろいろなことが言われているけれど、どっちだって本人が思ったようにすればいいと思います。その結果、うまくいこうがいくまいが、自分に還ってくるもので、自分が責任を負えばいいのだから、どっちだっていいです。
でも、一つ前の記事にも書いたけれど、
「空気に染まる」
っていうことが、自分という主体が消えて、誰かの意のままになってしまうという意味なら、やっぱり空気に染まるって、こわいなと思います。
私が変な空気を感じ、周りの人々がその空気に感染していると最初に感じたのは、イラク人質事件だった。
あの時は、人質をかばおうものなら、「自己責任」「自業自得」というような言葉があちこちから返ってきて、どうしてこんな嫌な国になってしまったのか、と思ったものです。
アメリカでは、9.11の後のイラク政策で、開戦の空気が充満して、世界から見れば戦争反対の意見が多かったけれど、アメリカ国内は80%以上の人々がイラク攻撃賛成。野党でさえ、反対を唱えると、落選すると思ったか、大方が賛成に回った。(結局、イラクに大量破壊兵器はなかったし、サダム・フセインと9.11は無関係だった。アメリカの攻撃で何十万人もの無実のイラク市民が、殺された。大使館員やカメラマンなど5人の日本人も巻き込まれて殺された)
世紀の暴挙を、民主国家たるアメリカは、誰も止められなかった。野党も、マスコミも、国民も。多くのアメリカ人は「イラクはアメリカの敵」という作られた空気に染まってしまったのだ。
しかし、一人、当時のブッシュ大統領に面と向かって、イラク政策の批判をした政治記者がいた。
ホワイトハウスの名物ジャーナリスト、ヘレン・トーマスさんが20日朝、ワシントンの自宅で亡くなった。92歳。
米ホワイトハウス名物記者死去 ヘレン・トーマスさん(47NEWS)
23日の東京新聞に、追跡記事がありました。
ジャーナリストとしての彼女の姿勢、それを紹介した記事もとてもいいと思いました。
捏造記事ばかり書いている、自民党の広報誌のような新聞社や、自信満々でデマを撒き散らすジャーナリストもどきの方たちは、彼女の爪の垢でも飲んだらいかがか。
以下、全文。
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言葉によるパワーとフォースとアル・ゴアの「理性の奪還」
ブッシュ政権が戦争を仕掛けた本当の理由をアル・ゴアが著書で暴露しました。
でも、一つ前の記事にも書いたけれど、
「空気に染まる」
っていうことが、自分という主体が消えて、誰かの意のままになってしまうという意味なら、やっぱり空気に染まるって、こわいなと思います。
私が変な空気を感じ、周りの人々がその空気に感染していると最初に感じたのは、イラク人質事件だった。
あの時は、人質をかばおうものなら、「自己責任」「自業自得」というような言葉があちこちから返ってきて、どうしてこんな嫌な国になってしまったのか、と思ったものです。
アメリカでは、9.11の後のイラク政策で、開戦の空気が充満して、世界から見れば戦争反対の意見が多かったけれど、アメリカ国内は80%以上の人々がイラク攻撃賛成。野党でさえ、反対を唱えると、落選すると思ったか、大方が賛成に回った。(結局、イラクに大量破壊兵器はなかったし、サダム・フセインと9.11は無関係だった。アメリカの攻撃で何十万人もの無実のイラク市民が、殺された。大使館員やカメラマンなど5人の日本人も巻き込まれて殺された)
世紀の暴挙を、民主国家たるアメリカは、誰も止められなかった。野党も、マスコミも、国民も。多くのアメリカ人は「イラクはアメリカの敵」という作られた空気に染まってしまったのだ。
しかし、一人、当時のブッシュ大統領に面と向かって、イラク政策の批判をした政治記者がいた。
ホワイトハウスの名物ジャーナリスト、ヘレン・トーマスさんが20日朝、ワシントンの自宅で亡くなった。92歳。
米ホワイトハウス名物記者死去 ヘレン・トーマスさん(47NEWS)
23日の東京新聞に、追跡記事がありました。
ジャーナリストとしての彼女の姿勢、それを紹介した記事もとてもいいと思いました。
捏造記事ばかり書いている、自民党の広報誌のような新聞社や、自信満々でデマを撒き散らすジャーナリストもどきの方たちは、彼女の爪の垢でも飲んだらいかがか。
以下、全文。
本質突いたホワイトハウス名物記者逝く
米ホワイトハウスの名物記者で、92歳で亡くなったヘレン・トーマスさんの質問はシンプルだった。だが、最も鋭く本質を突き、オバマ大統領も「私を含め歴代大統領は緊張させられた」と追悼の辞を寄せた。世界のトップを監視続けた政治記者の質問力とは-。(中山洋子)
「戦争したい真の理由は?」 ブッシュ氏のイラク政策批判 大統領10人取材
「大統領閣下、あなたが戦争したがった、本当の理由はなんですか」
イラク戦争が泥沼化していた2006年3月、トーマスさんがブッシュ大統領(当時)に投げかけた質問は有名だ。手厳しい質問が敬遠され、大統領に質問が認められたのは3年ぶり。それ自体もニュースになったが、85歳の直球勝負にまともに答えられない大統領の姿は、あらためてイラク戦争の本質を白日のもとにさらした。
オバマ大統領もその追求は免れていないが、追悼談話では「指導者の説明責任を厳しく問うことによって、民主主義は最もよく機能する」というトーマスさんの信念を振り返った。
1943年に米のUPI通信に入社し、61年からホワイトハウスを担当した女性記者の草分けの一人。ジョン・F・ケネディから10人の大統領を取材。2000年にUPIを退社し、コラムニストとなった後も、ホワイトハウスの会見室最前席が「指定席」だった。
任期切れ目前のクリントン大統領が、記者会の夕食会で披露したジョーク映像にも出演。会見室にただ一人座り、大統領に「まだいたの」。10年6月にユダヤ人はパレスチナを去るべきだとの発言で引退表明した。
「舌鋒鋭く二の矢、三の矢を放つのが彼女のスタイルだったが、女性や若い記者には優しかった」と話すのは元UPI記者で関東学院大非常勤講師の米山司郎氏だ。
交流があった外交ジャーナリストの手嶋龍一氏も、01年の米同時多発テロ直後、ホワイトハウスでブッシュ大統領の到着待ちをしていたことを振り返り、「最も心に残っている大統領は誰か、と聞いてみたら、大きな目でぎょろっと私を見上げ『JFKよ』と一言。何を当たり前のことを聞くのか、という表情が印象的だった」。
特徴的な野太い声でトーマスさんが「大統領閣下」と呼びかけると、ブッシュ大統領も立ち止まざるを得ない。「首相番記者は若手だが、米国では最も有力なジャーナリストが大統領の近くで取材する。政治家も無視できないし、痛烈な批判もできる」と指摘する。
米在住の映画評論家、町山智浩氏も「大人の論理ではなく、子どもが聞くような単純で純粋な質問をし続けた」と語る。
06年4月にホワイトハウスの夕食会に招かれたコメディアンのスティーブン・コルベア氏がブッシュ大統領とホワイトハウスの記者団をジョークで痛烈に批判した。
いわく「記者の皆さんはずっといい子ちゃん。イラクに大量破壊兵器がなかった時もあまり突っ込まなかった。私たち国民が知りたくないことですからね!」。このときコルベア氏が敬意を払った記者はただ一人、イラク政策を批判し続けたトーマスさんだった。
町山氏は「新聞は、どこもこの話を記事にしなかった。日本の記者クラブ制度がよく批判されるが、米国の新聞報道のほうがひどい。表面上は尊敬していても、面白くなかった記者は多かったのでは。だからこそ、彼女の発した問いはより偉大なんです」と悼んだ。
米ホワイトハウスの名物記者で、92歳で亡くなったヘレン・トーマスさんの質問はシンプルだった。だが、最も鋭く本質を突き、オバマ大統領も「私を含め歴代大統領は緊張させられた」と追悼の辞を寄せた。世界のトップを監視続けた政治記者の質問力とは-。(中山洋子)
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イラク戦争が泥沼化していた2006年3月、トーマスさんがブッシュ大統領(当時)に投げかけた質問は有名だ。手厳しい質問が敬遠され、大統領に質問が認められたのは3年ぶり。それ自体もニュースになったが、85歳の直球勝負にまともに答えられない大統領の姿は、あらためてイラク戦争の本質を白日のもとにさらした。
オバマ大統領もその追求は免れていないが、追悼談話では「指導者の説明責任を厳しく問うことによって、民主主義は最もよく機能する」というトーマスさんの信念を振り返った。
1943年に米のUPI通信に入社し、61年からホワイトハウスを担当した女性記者の草分けの一人。ジョン・F・ケネディから10人の大統領を取材。2000年にUPIを退社し、コラムニストとなった後も、ホワイトハウスの会見室最前席が「指定席」だった。
任期切れ目前のクリントン大統領が、記者会の夕食会で披露したジョーク映像にも出演。会見室にただ一人座り、大統領に「まだいたの」。10年6月にユダヤ人はパレスチナを去るべきだとの発言で引退表明した。
「舌鋒鋭く二の矢、三の矢を放つのが彼女のスタイルだったが、女性や若い記者には優しかった」と話すのは元UPI記者で関東学院大非常勤講師の米山司郎氏だ。
交流があった外交ジャーナリストの手嶋龍一氏も、01年の米同時多発テロ直後、ホワイトハウスでブッシュ大統領の到着待ちをしていたことを振り返り、「最も心に残っている大統領は誰か、と聞いてみたら、大きな目でぎょろっと私を見上げ『JFKよ』と一言。何を当たり前のことを聞くのか、という表情が印象的だった」。
特徴的な野太い声でトーマスさんが「大統領閣下」と呼びかけると、ブッシュ大統領も立ち止まざるを得ない。「首相番記者は若手だが、米国では最も有力なジャーナリストが大統領の近くで取材する。政治家も無視できないし、痛烈な批判もできる」と指摘する。
米在住の映画評論家、町山智浩氏も「大人の論理ではなく、子どもが聞くような単純で純粋な質問をし続けた」と語る。
06年4月にホワイトハウスの夕食会に招かれたコメディアンのスティーブン・コルベア氏がブッシュ大統領とホワイトハウスの記者団をジョークで痛烈に批判した。
いわく「記者の皆さんはずっといい子ちゃん。イラクに大量破壊兵器がなかった時もあまり突っ込まなかった。私たち国民が知りたくないことですからね!」。このときコルベア氏が敬意を払った記者はただ一人、イラク政策を批判し続けたトーマスさんだった。
町山氏は「新聞は、どこもこの話を記事にしなかった。日本の記者クラブ制度がよく批判されるが、米国の新聞報道のほうがひどい。表面上は尊敬していても、面白くなかった記者は多かったのでは。だからこそ、彼女の発した問いはより偉大なんです」と悼んだ。
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言葉によるパワーとフォースとアル・ゴアの「理性の奪還」
ブッシュ政権が戦争を仕掛けた本当の理由をアル・ゴアが著書で暴露しました。
空気に支配される。
今回の選挙・・・短期的視点と長期的な視点があった。
長期的なことは、ある種の覚悟とそれに至るまでの知見が必要。
短期的なことは身近なこと、自分のお金のことなんかは
アベノミクスが(いまのところ)うまくいっているんだからこれに乗ろう。それ以上はわからないじゃないか?
土曜日にフジロックに行ってきました。
アトミックカフェという加藤登紀子さんや津田大介さんなどの脱原発集会もありました。
そこではアーティストはアーティストらしく信念をもって活動しようと言っていました。
覚悟するにはまだまだだと思いますが、いまだけでなく、先のことを考えた行動をしたいと思いました。
PS)
「風立ちぬ」のレビューを書きました。ぜひ見てください。
私たちは、日常に追われてしまいますが、せめて選挙の時くらい、長期的な視野にたったほうがいいですね。
時には鳥の目で、空からの視点で全体を見ることも忘れないでいたいです。
「風立ちぬ」レヴュー拝読。ありがとうございました。