国立歌劇場「コシファントゥッテ」６．１．２００８

今日はよかった。本当によかった。やっとウィーンで納得してオペラ観たって感じです。ものすごく繊細で美味しいケーキ食べてるみたいだった！

久しぶりの国立歌劇場、ムーティーがモーツァルトを振るというので、絶対観にいかないといけないと思って行ってきました。で、ためしにものすごく久しぶりに、下のバルテレ立ち見の券を取りました。後ろから2列目だったけど、前の人が小柄な人だったので、よく見えました。

とにかくムーティの作る音楽がすごくよかったです。私、この指揮者そんなに、なにがいいのかよくわからなかったんですが、こんなにモーツァルトを色っぽく、しかも上品に作れる人なんだということで、再評価しました。私なんかが評価したってどうしようもないけど、でも今日はよかったですわ。

誰も叫ばない。誰も自分を主張しない。アンサンブルと美しさを求めた感じの舞台でした。でもそれぞれの役どころはちゃんと見えてくるし、喜劇的な部分は、今まで見たどのコシファンよりも面白かったです。国立歌劇場はスター歌手が来ることもあって、1回合わせてはい終わりみたいな舞台も多い。なのではもるまでに時間がかかったりすることもあるんですが、今日は最初からドンピシャだったし、それもすごく高いレベルの美しさではもっているので、何度も鳥肌立ちましたし、立ち見が前のめりになりました。こんな舞台だったらフォルクスじゃなくってこっちに来ます。

ソプラノのフィオリディリージ役の人が、いちばんムーティの音楽に答えていたような気もします。とにかく美しかった。

モーツァルトってこんなふうに自由に動いて、時間をとめていいんだと、これで確信しました。そしてそこには止まるべき理由がちゃんとあるのが、ちゃんと指揮者がわかっているのできちんと時間を楽しめる感じがしました。

とても上品でかつ美味しいケーキを食べたようだと書きましたが、実際ウィーンにきて、まだこれほど美味しいケーキ食べていません。これが悩みどころ。どのケーキも美味しいんだけど、「おぉ！！！！」というのにまだ当たっていない。日本のケーキが最近おいしすぎるのか、ウィーンのケーキのレベルが下がったか？(実はパンも全体に美味しいけど、ひっくり返るようなのに当たってない。）オペラはやっと今日当たったような気がします。よかった。

指揮Riccardo Muti
フィオリディリージBarbara Frittoli
ドラベラAngelika Kirchschlager
グリエルモIldebrando D`Arcangelo
フェランドFrancesco Meli
デスピーナLaura Tatulescu
ドンアルフォンゾNatale De Carolis