Hanews-はにゅうす

ウィーン歌曲歌手、「はにうたかこ」の毎日のちょっとしたことを書いています

フィルムミュージアム「東京物語」19.2.2008

2008年02月20日 08時02分34秒 | Weblog
今日はクリスチャン君と約束して、ウィーンのフィルムミュージアムでやっている日本の映画を観にいってきました。時間が出来たら行くわと言っていたDoさんも来ていたので結局3人で見たのですが、二人はなんともないのに、私だけ最初から最後までずっとうるうるしてしまいました。

この2週間は「増村保造フェア」とでもいいましょうか、ずっといろいろな作品を上映していたのですが、その中からあらすじを読んで、また、笠智衆さんも好きだったので、どうせ観にいくならと私が作品を決めて約束していました。

ずっとうるうるしていたのは、お母さん役の東山千栄子さんの後姿が、私の記憶の中のおばあちゃんそっくりなんですよね。それでなんか思い出してしまって、遠目の後姿が映るたびに物語と関係なくズルズル鼻をすすっているので、かなりかっこ悪かったです。

また、原節子さんを初めて見たのも今日。顔写真くらいは知っていたし、短いショットはテレビとかでみたことがあったけど、こうまじまじ見るのは初めて。本当にきれいな人だったんですね。(あの時代に!)おもわず「この人、日本のマレーネ・ディートリッヒだから。」と言ってしまいました。

作品はいろいろな所が面白かった。市電が走っている私の知らない東京があったり、行ったことのある尾道のお寺や町があったり…いちばんは、「そういえば昔の日本人、こんな動作だったし、こんな考え方をしたし、こんな気遣いもしたし、そしてこんな日本語使ってなぁ。」ということ。両親に敬語だったり、ちょっとした動きや、気の使いよう、生活スタイルが、記憶のスミに残ってはいるものの、それが映画だったのか、実際だったのかわからないくらい私には遠い。なによりも物言わないのに通じてる、言葉には出さないけど雰囲気でわかるところがよかったです。

うれしかったのは、会場が100席くらいだけど、ほぼ満席だったこと。それも日本人は10人くらいで、あとは全部こっちの人。クリスチャン君はほぼ毎日来ているらしい。こんな古い日本ばかり見ているので、彼の日本語はおかしい。それとも彼の日本語が正しくって、私たちの話している今の日本語がおかしいのか?考えさせられる部分もある映画でした。日本の古いのはほとんど見たことがないので、これも帰国してからの一つの楽しみになりそうです。

コメント (4)
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