ハノハノ*ニジイロビヨリ

旧ハノハノ*アラチビヨリ
和やかにふんわりと、時々欲張りな日々。

2冊

2009-12-29 20:15:31 | Book&Comic
1週間ほど前に寝室の本棚を整頓していて見つけた本。

ああ。これ読みたくって買ったんだったな。

そして数分後。あれ?

まったく同じ本が。2冊も買ってるよぅ(-_-;)

買ったのを忘れて数ヵ月後また同じ本を買ってしまったのね。
それほどまでに読みたかったのかー。
てかそれを忘れてちゃダメじゃないって、ねぇ…。



まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫)
三浦 しをん
文藝春秋

このアイテムの詳細を見る


中年男多田が営む便利屋にひょんなことから転がりこんだ(ていうか連れ帰った)
高校時代の同級生行天。
そこから物語は動き出し、あくまで架空の街まほろ市で起こる小さかったり
大きかったりする事件に2人が巻き込まれていく話で。
途中、出てくる人物達がこれまた興味深いキャラクターで。
頭の中でどんどん映像が浮かび上がっていくような。
きっと作者の力量の成せる業なのでしょうな。さすが直木賞。
どんどんアンダーグラウンドでバイオレンスな場面に遭遇してもなんだかコミカルな。なので軽く読み進めていけるのだけど、
読み終わった読後感はどこかしっとりと重厚な感じです。

テーマが「再生」だからでしょうか。
主人公達はそれまでの人生に傷を抱えていてなかなかそれを癒すことが出来ずに
いるんだけど、壁にぶち当たる依頼人や出会った人達の背中を押すことでそして
互いのことを思いやることで、再生していく様を丁寧に描いているのです。

100組の親子がいれば100通りの関係があるのだろうけれど
子供に無関心な親を持った子供に「お前の親は変わらないだろう。だけど
お前は違う愛情を注ぐチャンスがこれからもある」みたいなことを言うのだけど
夢の様な事を言うのでなく、覆い隠さない現実を認識させたうえで、でも大丈夫と持って行く考え方はなるほどなーと。
その方がその人に対しての思いやりがあるのかなぁって考えさせられました。


私が三浦作品を読んだのは初だったのだけど、どうやら様々なレビューを見ていると作品により
文体が変わるそうなので、違うのも是非読みたいなと思いました。

今度は2冊も買わずにね♪

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする