犬との暮らしをしぶしぶ承知した夫であったが
いつの間にかボニーに愛情を持つようになっていった。
ボニーも夫によくなついて、しっぽをぶんぶん振ってお出迎えしたり
膝に頭をのせて上手に甘えたり…で、おじさんたらし(?)な面を発揮してくれた。
ボニーのお世話はほぼすべてわたしがしていたが、唯一
シャンプーだけは夫が進んでしていた。
そのたびにわたしは少々大げさに「助かる~」とか「ありがとう~」
と言っていた。
(本当はシャンプーするよりドライするほうが、そしてそのあとの片付け、
大量のバスタオルやマット類を洗う方が大変だということを夫は知らない;)
わたしは夫がどんどんボニーに優しくなっていくことが嬉しかった。
そのうち、夫ひとりでドッグランに連れて行き、帰り路にあるペット用品店で
おもちゃやおやつを大量に買いこんでくるようにもなった。
夫の実家にはその昔、秋田犬がいた。
もう何十年も前のことで、当然のように外飼いで
庭には大きな犬舎があった。
自分のところの犬なのに「怖かった」と言っていた。
本来、犬が好きではないのだろう。
それでも、ボニーに理解を示すようになってくれた。
彼の中で “家の中にいるケモノ” から “家族” に変わった瞬間だった。
よかったねボニー!