Accumulation journalière

とある社会人の日常と夢への道のり。時々月に還ったうさぎ🐰のことも。※画像を使用する場合はひとことコメント下さい

見てくれるだけでも

2024年09月13日 23時05分10秒 | 日記
ちょっと懐しいことを思い出したので記しておこうと思います。

秋になってほんの少し過ごしやすくなったので、この三連休、何か面白い催し物がないかなと探していました。

すると、美術館で県展があるとのことで、県展、と聞いてちょっと昔のことを思い出しました。

あれはワシがまだギリ10代の頃じゃった…(遠い目)


前にやってたブログで、友達とまではいかないんですが、知り合いになった画家の方がいました。
その方はまだいわゆる駆け出しくらいの時期で、他に仕事をしながら絵を描いていました。

その方とは、そこまでめちゃくちゃ親しいわけではなかったし、わりとドライな考えの持ち主でした。
当時、私が初めて書いた超絶ど素人の下手くそな小説を読んでくれ、よくある話だね、とばっさり切り捨ててくれました(笑)逆に清々しいw

そんな感じで、何を話してたか今ではほとんど思い出せないんですが、一つだけ印象に残った言葉がありました。

それは私が、「絵は描けないけど、絵を見るのが好きで美術部に入ってる」と言った時のことでした。
実は私、絵を鑑賞するのが好きという理由だけで、大学の時、他のサークルと掛け持ちで美術部に入っていました。(イベントの時にだけ来る幽霊部員でしたがw)
でも、正直絵も描けないのに、そんな理由だけで入っててもいいのかと、ちょっと迷いというか、申し訳ない気持ちがありました。


私のその言葉を聞いたその方は、間髪入れずに「絵は見てくれる人がいるから絵になる」んだと仰いました。
見てくれる人がいないと絵を描く意味がない、誰かに見てもらうために絵はあるのだと。
正確には覚えてないのですが、確かそんな感じのことを言っていました。

その言葉を聞いて、絵が描けなくても絵を好きでいていいんだと思えました。絵を見るだけの人でも、芸術に関わっており、ただ見るのも大事な役回りなんだと。
絵を見るだけでも美術部にいていいんだと…。
(実際、殆ど活動実績のないサークルだったのが救いでした。コンクール応募!とかのガチなやつだったらついていけなかった(笑)

結局、私は大学4年間、最後まで美術部に在籍し続けました。

そして、あの言葉を言ってくれた方はいつしか姿を見せなくなり…
私も時を重ねるにつれ、その方のことも、話した内容も忘れていきました。

当時、その方が描いた絵をブログ上で見せてもらったことがあるんですが、絵の良し悪しが分からない私でも、綺麗な絵だな、と思いました。そしてすごく細部まで凝っていて、美しかったです。

そして数年前、そんなこともすっかり忘れて百貨店の中を歩いていたある日、
偶然、あの時見せてもらった絵を直に目にする機会がありました。
テーマは若手の芸術家の作品展とのことで、数人いる中のその一人に、その方が含まれていたのです。
私はびっくりして、近寄ってしげしげと眺め、これがあの時の絵か…と懐かしく思いました。
間近で見ると本当に綺麗で、この作品を製作するためにどれだけの時間と労力をかけたのだろう、と思いました。

今ではもう個展を開けるくらいに有名になり、絵も一枚数十万で売買され、たくさんの作品を製作しているみたいです。
他の作品もどれも繊細で綺麗で好きな作品ばかりでした。

芸術家は評価されるまでが苦しい時期なんだと思います。
それでも、その努力が実って、自分の作品を認められた時の感動はことばに出来ないくらいのものなんだろうなと思います。

自分、今まで芸術といえば西洋画のイメージだったんですが、あの方の作品と出会ってからは、日本画の方が自分は好みだなぁと思うようになりました。
日本画も、無知な私は最初水墨画のイメージだったんですが(笑)、実際はもっと幅広く、色んな表現があることを知りました。


最近では入江明日香さんという方の、細かく繊細な線と色使いが好きで、一度個展に行ってから虜になり、また個展があるなら行ってみたいなぁと思っています。

そんな感じで、新しい芸術家と作品たちに出会いに、県展もちょっと覗いてみようかなぁと思いました。(⁠◔⁠‿⁠◔⁠)
コメント
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