こんにちは🌞南海トラフ地震が気がかりの毎日ですね。
毎週日曜日は、院長のひとりごとです😊
難経・六十六難の前段には五臓六腑の原穴が書かれています。
「心の原は太陵に出ず…少陰の原は兌骨に出ず」となっています。
十二経脈が完成していたならば、心の原は神門穴であり、心包の原は大陵穴であるはずです。
何れにしても難経の成立期は十一経脈から十二経脈への移行期であったので、
先ほどの三焦と並びこの心主心包の扱いについても秦越人・扁鵲の苦心がうかがえます。
つまり、素問・霊枢時代のヘン石や大鍼により邪を取り除く治療から、
生命力・自然治癒力に重点を置いた「補って後瀉すべし」(補法優先の原則)とした、微鍼による難経医学の確立です。
補法優先の原則については経絡治療の屋台骨で有る難経・六十九難に、
「虚する者は其の母を補い、実する者は其の子を瀉す。当に先ず之を補い、然る後に之を瀉すべし」と、明確に述べられています。
難経・七十難には「春夏は温なり、必ず一陰を致す…」、「秋冬は寒なり、必ず一陽を致す…」
と虚している所から実している場所に気を運ぶ事の重要性が述べてあります。
難経・七十五難には、「その虚を治すること能(アタ)わずんば、何(イズク)んぞ其の餘を問わんとは此れ之の謂なり」と、
肝実の瀉法で知られる本難に於いても、『先補後瀉』の原則が述べてあります。
難経・七十六難にも、「陽気不足、陰気有餘は、当に先ず其の陽を補い、しかして後に其の陰を瀉すべし」。
「陰気不足、陽気有餘は、当に先ず其の陰を補い、しかして後に其の陽を瀉すべし」。と、病の有り所による深浅の補瀉を説いています。
難経・七十七難には、「未病を治すとは、肝の病を見ては、則ち肝当に之を伝えて脾に与うべきことを知る。
故に、先ず其の脾を実して、肝の邪を得しめること無し、故に曰う、未病を治すと」と、
邪気に襲われる以前に生気を充実させて病邪に侵犯されない様にしなさいと教えています。
そして、難経の最後の条文である難経・八十一難には、
「肺実して肝虚す、微少の気、針を用いて其の肝を補さずして、反って重ねて其の肺を実す。
故に、実を実し、虚を虚し、不足を損じて有餘を益すと曰う。此れ、中工の害する所なり。」と、
補瀉の先後の間違いを戒めています。
これらの治療に、的確に判断ができるように診断のための基礎研修を
欠かさず続けています。
次週に続く
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