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葉月堂鍼療日記

葉月堂の日曜日

2024年09月01日 | 葉月堂の日記・出来事

本日、葉月堂はお休みです

医道の日本社のに夏期大についてのレポートが記載されておりました

20数年前、東京医療の学生の頃、医道の日本社に直接、鍼道具を買いに行っていました。

本は送られてきていましたし注文はしていましたが、

直接品物を観て買いたかった事を思いだいます。

道具など観るのが楽しかったですね♪

今はネットでなんでも買えますけどね💦

今回、鍼灸経絡治療夏期大学の記事が載っておりましたので

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今年も暑い🥵熱い夏期大学でございました。😆

https://www.idononippon.com/topics/10687/

医道の日本:第64回鍼灸経絡治療夏期大学レポート

 第64回経絡治療夏期大学が8月17~19日の3日間にわたり開催され、会場となる東京有明医療大学に全国各地から350人の参加者が集った。

 初日の開講式にて、副会長の馬場道敬氏は「経絡治療夏期大学は3日間ではありますが、明日に身に着くものをひとつでも多く持ち帰ってください」「勉強のコツは、講義を率直に取り入れ、疑問があれば質問をしてください」「新しい友達をつくってください。友人は貴重な財産です」と開講の辞を述べた。会長の岡田明三氏は「昭和13、14年頃に経絡治療という名前が付けられ、全身の治療をするものとして日本から始まった」と過去の経緯から概括すると、「ここに全国から集まった講師たちは皆さん臨床家です。何十年もの経験を持っていますので、貴重な存在です。ぜひ受け継いでいただきたい」と伝えた。

 開講式後には、「診断(脈診)から基本証決定へ」をテーマにした普通科、「基本証から応用へ」を高等科で、「病理・病証から証決定へ」を研究科、「経絡治療の実際と原典の学習」を主題とした研修科の4科に分かれてカリキュラムが進められた。

目次

普通科

 初日、普通科では、岡田明三氏が「経絡治療入門とその到達点」「診断学」「病証」について講義を行った。診察には、望診、聞診、問診、切診の四診があり、問診では甘味、塩味、酸味、苦味、旨味といった五味が重要と語る。また、経絡治療において重要視される切診の中でも脈診が最重要であること、診察から得られた診断を証というなど、経絡治療を学び始めた1年生に向けて、東洋医学と西洋医学の違いや、経絡治療の基本から要穴表を用いながらおさえていった。さらに岡田氏は、体調不良のため欠席となった池田政一氏の代役として講演を行った。ここでは経絡治療の基盤を築いた岡部素道、井上恵理らの治療法について、治療院の規模や開業した場所が大きく関係しているとし、大きなスペースのある治療所となれば、その大きさに合った患者が集まり、ベッドひとつに関しても、横一列に配置するより、施術者が円を描いて回れるように配置することで早く患者を診られる工夫をした。さらに土地柄で客層が異なることからその土地に合ったスタイルを確立していったと語った。こういったことからそれぞれ得意技が編み出され岡部系、井上系と分かれたといった当時の貴重な話を共有した。

3日目に急遽代役を務めた岡田氏。講義の後半は実技を行った。臍に出る横紋を見れば、背中が丸くなっているかどうか日頃の姿勢が分かると話す岡田氏

高等科

 高等科で先陣を切ったのは橋本厳氏。「祖脈の種類と意義」について、祖脈の種類では、気が陽経に集まる祖脈を「浮」、気が陰経や臓腑に多い祖脈を「沈」、慢性的な冷えが地に及ぶものを「遅」などの六祖脈を表にした。続けて、選定選穴を料理のレシピとすると、補寫手法の選択は味付けであると比喩し、調味料を加減するようにその人に合わせて変えていく必要がある。補寫手法の選択にも差が出てくると語った。三部九候鍼については身体を上、中、下の三部に区分し、それぞれに天地人があり、全部で九候の診るべきところがあり、この拍動を修得しておくことが必然と述べた。

 


 「経絡の流注と要穴の取穴」についてマイクを握った馬場道啓氏。経絡治療でも最重要項目は経脈、絡脈、奇形から成る経絡と経穴であり、的確な診断と熟練の技術を持っていたとしても、取穴を誤れば治療の効果を得られないと強調し、臨床では、特に痛みの治療の場合に経絡の流注を意識すること、要穴の取穴に関連する手足の要穴部分の流注の重要性、陰経と陽経の特徴を網羅した。要穴の選穴について、基本は『難経』六十九難の説による。他に経験から導き出された特効穴や代用穴があると指南した。

 

研究科

 研究科は、山口誓己氏と浦山久嗣氏が担当。山口氏は「脈状と病理病証(総論)」と「脈状の種類と意義」の二枠を受け持ち、古く固化した瘀血の解説には一晩寝かせたカレーを例に挙げた。二日目の「脈状の種類と意義」では、脈位を「浮、沈」。速さを「遅、数」。強弱を「虚、実」で表し、脈の形状を病理に置き換えて選穴と手技につなげるとした。

 


 浦山氏の講義「脈状と病理病証(各論)」は、はじめに脈状の種類とその定義について詳解し、古典を引き合いに分類と病証について概説した。二日目の研修科「古典講座(難経)講義」では、『難経』について正式名称は黄帝八十一難経であり、本文は約12,000字といった概要や成立に至るまでをまとめ、最後に『難経』は、小品であるがゆえに、さまざまな解釈を生む可能性があるが、その解釈には臨床的なリアリティが必須となると持論を展開した。

 

研修科

 研修科では、副会長の馬場道敬氏を筆頭に講義が進められた。「経絡治療の真髄」では、自身の修行時代を振り返ると、鼻血や腰痛など症例と治療法をいくつか紹介。「伽羅の槌とうちばり、治療実技」では、馬場氏が所有する約400年前の品と考えられる希少価値の高い打鍼(長さ10cm、重さ1.4g)と、打鍼槌(長さ9cm6mm、重さ13g)を使った打鍼法を間近で見ることができる貴重な場を提供した。「治療の実際」の中では、患者の対応として、六部定位脈診で証を決定し、難経本義による選穴から確実な取穴。鍼灸治療の質量を考慮し、深鍼はしないことと結論付けた。

 


 小山基氏は「標治法」では、蚊に刺されたかゆみや腰が痛くて日常生活に影響を及ぼすといった一般症状の初期と標治法について。「本治法」では、食欲不振や全身倦怠といったやや慢性化した症状を取り上げた。中国の太い鍼が日本へ伝わり、細い鍼へと移行、それがドイツで受け入れられた過去に触れると、その土地の風土に合った医療というものがあるが、経絡治療はどの国の人にも通用すると話した。

 


 佐藤英子氏による「透熱灸よ どこへ行く」の講義では、中国の主流は間接灸であり、ほとんど行われなくなった直接灸(透熱灸)について、透熱灸における熱痛や火傷を軽減し、透熱灸としての効果を維持することができるのかをテーマとした。二日目には「透熱灸と『傍圧』」と続けて講義を行い、右手は拇指、2指、3指、4指で傍圧する。積極的に酸素の供給を遮断し、施術者の指腹の火傷を保護するなど実技を交えて教示した。

 


 木戸正雄氏は、「『素霊の一本鍼(地の巻)』(VAMFIT―壱本鍼)」の講義の中で、まず『素霊の一本鍼』とは柳谷素霊著『柳谷秘方一本鍼伝書』を木戸氏の天地人治療の理論と臨床から読み解き、臨床実践における再評価を加えたものであり、その使用穴を供覧した。VAMFIT―壱本鍼とは、身体を縦系で捉える経絡系統に属し、それに対して天・地・人―壱本鍼は横系で捉えるものと説明を添えた。今回は、「『素霊の一本鍼(人の巻)』(天・地・人―壱本鍼)」「経絡治療と奇経(VAMFIT―奇経本治法)」の講義と合わせて3回にわたり教鞭をとった。

 


 篠原新作氏による「アトピー性皮膚炎」では、鍼を刺して、先端に停滞している熱を絡めてから抜くイメージ。鍼の持ち方に関して、短く持ちすぎるとたわまないので注意が必要とひとりひとり直接指導した。「不妊治療から妊娠中のマイナートラブル・産後ケア」では、妊娠中は強い子宮収縮を起こす治療はしない、補法のつもりで寫にはならないようにとポイントを述べ、鍉鍼を用いて補法するなど推奨した。「小児はり」では、肝、脾、肺、腎体質の子どもの特徴と症状を並べ、一例として肺体質の子は色白で鼻が小さいため、肺の働きが弱まりやすいと特徴づけ、そのうえで取穴や特効穴を紹介した。

 


 「スポーツ鍼灸と経絡治療」について、今野正弘氏はRICE処置やPOLICEを参考に自身の30年以上にわたって培ったスポーツボランティアの活動及び宮城県国体の帯同でのケア活動などからアスリートに対する独自の治療を披露した。「肝虚寒証について」にて、今野氏は質疑の中で経験上、難しい患者であるほど付け足したりせずに、基本に戻ってある程度単純な配穴の方が成功する確率が上がる。注文が多くいろいろなことを付け足していくと失敗することがあると注意を促した。

 


 篠原孝市氏は「井上系経絡治療における祖脈診の方法」と題して、祖脈診を定義した岡部素道と同時期に経絡治療の礎を築いた井上恵理によって創成された六部定位脈診について、さらに、その井上の長男であり、本間祥白の弟子の井上雅文が1970年代後半に手を加えて工夫した祖脈診=人迎気口診を井上祖脈診と称してその方法概要について講義した。祖脈診は一発で分かるようにつくられ、その井上祖脈診の原点の一つであるデジタル化の志向や祖脈の形状の定義に関する完全な理解の必要性、脈診部位とその心得をレクチャーした。

 


 高比良伸哉氏は「経絡治療のルーティーン」と題して、「肝虚肝実体質」「肺虚腎虚体質」「脾虚体質」に分けて実習講義を行った。各体質の陰陽の健康な時の性格、体調が崩れると出る性格や年齢による変化、食べるとよいものと控えるもの、治療薬から経穴まで、それぞれ東洋医学の体質別(精気の虚)特徴と治療・養生のポイントとして挙げた。

 


 「眼の治療」「帯状疱疹」「特殊鍼法・灸法」と全日にわたり実技講習を担当した市川みつ代氏。治療前後の脈は受講者全員が診るように促し、灸頭鍼の際には灸の取り除き方まで施術者自身が火傷しないようアドバイス。仕上げには鈍角の三稜鍼を用いるなど、受講者はデモンストレーションを間近で体験していた様子。

 


 田畑幸子氏は、二日目に基本証であり、根本治療である本治法の重要性を「本治法の大切さと臨床実技」で説き、三日目には、「坐骨神経痛の治療」について下肢の痛みと痺れにおける経絡治療臨床の実際について、それぞれ実技中心に行われた。患者モデルに「ここは痛くないですか」「ここはどうですか」と逐一確認を取りながら鍼を打った。写真は復溜にアプローチする田畑氏。

 


 「日本と道教―三人の人物と三つの信仰を手がかりに―」にて、池平紀子氏は専門としている中国思想の三教と呼ばれる儒教、仏教、道教の中で、唐建国時に仏教より重んじた道教にフォーカスし、天武天皇、役行者、安倍晴明の3人と、大将軍神信仰、妙見菩薩信仰、庚申信仰の三種の信仰との関わりを紐解いた。道教は、そもそも他の思想や信仰と習合しやすい性質を持つこと、僧侶が担い手となり、日本文化に知らず知らずのうちに多方面で受容されていることなどを総括した。

 


 三浦國雄氏は「老翁と嬰児―儒教と道教の身体観と時間観念」の演目のもと、儒教と道教の時間観念という観点から、賈島の漢詩『隠者を尋ねて遇わず』や『酉陽雑俎』などの随筆、その他多数の文献や書物を抜粋し、照査しながら相違を考えるとした。儒教は仁・義・礼・智・信の五常の徳目があり、人と人との関係性を説く概念であるが、一方道教は自分自身をどうするかと対照的な教えであると示した。儒教は、生命、身体、時間を具象化した理想の人間存在が老翁であることに対して、道教の場合は嬰児になる。つまり儒教は成熟に価値を置くが、道教は真逆のベクトルと言える回帰になると提言した。 

 

ナイトセミナー

 二日目の最終演目としてセッティングされたナイトセミナーでは、「不妊治療に対する鍼灸―不妊の基礎知識・鍼灸のエビデンス・鍼灸治療の実際―」が開講され、東京有明医療大学附属鍼灸センターの安野富美子氏が登壇。少子化の一因として挙げられる不妊症の定義から病態と原因を列挙し、検査の方法や原因が特定された場合の治療について、また、海外の研究による鍼灸のエビデンスから不妊に対する鍼灸の可能性と役割について発表した。

 

全科共通実技、懇親会

すべてのプログラム終了後、講師らが集結して実技を行う全科共通実技が開演すると、講義を終えた参加者らが駆け付け、各々直接見て質問したり、鍼をして体験するなど活況を呈した。

阿江邦公氏
大木健二氏
加賀敏朗氏
金子公憲氏
金子太也氏
菊池達矢氏
工藤雅仁氏
小泉智裕氏
今野弘務氏
高橋博氏
田畑里美氏
村田守宏氏

 その他にも、各科では経絡治療総論 蔵象から診断まで、四診法、六部定位脈診、カルテ作成実習、治療実技の授業がそれぞれのクラスに分かれて実施された。

班別に分かれて行われた授業の様子。豊島基伸氏は、受講者同士で重按し、弱いところ、感じないところを答え合わせをしながら教室を回った

社会生活を送る中で抵抗というストレスを感じる。これが筋緊張、循環器、ストレス過敏に波及しやすいと述べた中根一氏

「腎は堅めるという漢字が由来しているほど堅くなる臓器。温めると湯気が出て、肝、脾などの他の臓器を動かす工場」と話す船水隆広氏

 

 

 


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