ふと思ったのですが、
写実的な絵画には、ある感情の動きを伴った物語を、
シュールレアリスムの絵画には、抽象的な思念を伴った考察を
感じるような気が …
たとえば、ルネ・マグリットの La Durée Poignardée
(1938, Art Institute of Chicago) 普通、仏語で 「時間」
というと、これではなく、 la durée は、持続とか、継続
を意味していて、まさに日本語の 「時間」 という処の
時と間を示している … 再生時間とか … 光もそうですが、
粒子と波動の表裏一体のような関係を考えさせられる …
… 火のない暖炉のある部屋で、遠く汽笛の音が聞こえる
と … 列車が、ある時刻や風景を貫くように進むのが、心に
映る … その列車の中には、進んでいる間の時間というものが
包摂されていて、この部屋の中に居てもよい人と同じように
そこに居るかもしれない人は、時間や風景を貫き運ばれながら
も寛いでいる … その結果、残されていくのは向きを変えつつ
消えていく影と煙だけ … 煙突から響いてきた音が遠ざかる
につれて、その思念というか映像は後ろ向きに煙突に
吸い込まれるように消えていく … まるで煙突が煙というものを
儚く思い出していたかのように …
一方、アレックス・コルヴィルの Boy, Dog and the Saint John River
(1958, London Public Library and Art Museum, Ontario) は、朝の空気
というか湖を渡る微風や周囲の草の匂いまで感じられる
ようで、そんなことはしたこともないのに、少年の頬に
触れる息や毛皮の襟、背後につき従う犬の温もりや
滑らかな筋肉の手触りなどが伝わって、自然の穏やかな
鳴動とともに永遠の想い出に浸されるかのよう …
コルヴィル画伯が昨夏亡くなられていたことを知り …
昨年はほんとうに … その輝き亘る光で温まり、何処までも
広がる大いなる蔭に憩うていた存在が、亡くなってしまい …
部屋の中にいても外に出ても、凍えるように空虚ですが …
これまで当り前のように受けてきた、そして今も尽きること
なく受けている … 温もりや爽やかさを、少しでも伝えていく
ことで、いつか再びその許へ到る道を歩いていければと …
写実的な絵画には、ある感情の動きを伴った物語を、
シュールレアリスムの絵画には、抽象的な思念を伴った考察を
感じるような気が …
たとえば、ルネ・マグリットの La Durée Poignardée
(1938, Art Institute of Chicago) 普通、仏語で 「時間」
というと、これではなく、 la durée は、持続とか、継続
を意味していて、まさに日本語の 「時間」 という処の
時と間を示している … 再生時間とか … 光もそうですが、
粒子と波動の表裏一体のような関係を考えさせられる …
… 火のない暖炉のある部屋で、遠く汽笛の音が聞こえる
と … 列車が、ある時刻や風景を貫くように進むのが、心に
映る … その列車の中には、進んでいる間の時間というものが
包摂されていて、この部屋の中に居てもよい人と同じように
そこに居るかもしれない人は、時間や風景を貫き運ばれながら
も寛いでいる … その結果、残されていくのは向きを変えつつ
消えていく影と煙だけ … 煙突から響いてきた音が遠ざかる
につれて、その思念というか映像は後ろ向きに煙突に
吸い込まれるように消えていく … まるで煙突が煙というものを
儚く思い出していたかのように …
一方、アレックス・コルヴィルの Boy, Dog and the Saint John River
(1958, London Public Library and Art Museum, Ontario) は、朝の空気
というか湖を渡る微風や周囲の草の匂いまで感じられる
ようで、そんなことはしたこともないのに、少年の頬に
触れる息や毛皮の襟、背後につき従う犬の温もりや
滑らかな筋肉の手触りなどが伝わって、自然の穏やかな
鳴動とともに永遠の想い出に浸されるかのよう …
コルヴィル画伯が昨夏亡くなられていたことを知り …
昨年はほんとうに … その輝き亘る光で温まり、何処までも
広がる大いなる蔭に憩うていた存在が、亡くなってしまい …
部屋の中にいても外に出ても、凍えるように空虚ですが …
これまで当り前のように受けてきた、そして今も尽きること
なく受けている … 温もりや爽やかさを、少しでも伝えていく
ことで、いつか再びその許へ到る道を歩いていければと …
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