栄養士が教える、冬を乗り切るための
4つの「最強食材」
パプリカ
ビタミンCは免疫システムを強化し、疲れを軽減してくれることで知られており、
寒い季節には不可欠の栄養素なのだとか。
「柑橘類はビタミンCが豊富で、風邪に効くことは一般的に知られています。
しかし、パプリカのビタミンCはオレンジの3倍で、ずっと健康効果があるのです」
と説明するのは栄養学の専門家、ジータ・シドゥ=ロブさん。「
赤パプリカはファイトケミカル(植物性化学物質)や(色素となる)カルチノイド、
とりわけベータカロチンを多く含むため、抗酸化作用や抗炎症作用にも優れています」。
キノコ
キノコ類には、感染から体を守る抗ウィルス・抗菌作用があるため、
「冬の食生活にはぜひ加えたいものです」とシドゥ=ロブさん。
「よくある普通のマッシュルームは、特にビタミンDの宝庫で、免疫機能を高めてくれます」。
また、「キノコ類は抗酸化物質の1つであるセレンやナイアシン、カリウム、
銅、リンの他、タンパク質、ビタミンC、鉄分も含みます」。
そして、これらの栄養素を最大限に吸収するためには、キノコ類によく火を通すこと。
「火を通さないと、キノコの細胞壁を消化できないのです」。
脂肪分の多い魚
体の中で冬に弱りやすいと言われる部分の1つが、肺。
風邪や呼吸器感染症にかかりやすいのだとか。
でも、オメガ3脂肪酸は「肺への空気の流れを増やし、肺を守ってくれます」と話すのは、
栄養士でもあるマリリン・グレンヴィル医師。
「週に3回、オメガ3脂肪酸を豊富に含む、
イワシやニシン、サーモン、サバなどの魚を摂ってみてください」とのこと。
シナモン
「シナモンは、もっとも活性化作用に優れた天然ハーブの1つです。
強力な抗酸化物質に富み、(ほぼすべてのスパイスやハーブよりも)
免疫機能を高め、穏やかに胃を温めて、食物の消化を助けてくれます」とグレンヴィル医師。
※この翻訳は、抄訳です。
和田秀樹 75歳からも楽しい人生を送るために、
やめるべき考え方とは。本当に恐ろしいのは
「記憶の衰え」より「意欲の衰え」
![](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/amd-img/20230206-00007638-fujinjp-000-1-view.jpg?pri=l&w=640&h=360&exp=10800)
自分で目標を設定し、目標に向けて楽しく努力しているとき、人は生き生きと輝けます(提供:photoAC)
2023年現在、「団塊の世代」が75歳を迎え始めていますが、
医師で多くの著書を持つ和田秀樹さんいわく、
75歳を境に認知症になる人の数がぐっと増える」とのこと。
70代以降にやってくる「老い」を遅らせるために避けるべきことの一つが、
“人生のピークは過ぎた”と考えてしまうことらしく――。
◆人生は下り坂だと思うのをやめる
「75歳になったら、もう人生にはいいことなんてない」
「この先は、ゆっくり下り坂を歩いていくだけだ」
そんなふうに考えていませんか。
でも、人は死ぬまでピークを迎える可能性を秘めています。
人生100年時代を幸せに全うするためには、
「人生のピークをできるだけ先に設定する」という発想が重要となります。
何を「ピーク」に設定するかは人それぞれです。
確実にいえるのは、目標を設定し、それを実現したとき、
人は人生のピークを迎えているということです。
漠然と生きていると、人生の目標は達成できません。
大切なのは、自分が残りの人生で何を為し遂げたいかを考えることです。
目標は「90歳まで現役で仕事を続ける」「作家デビューする」
「世界一周旅行をする」などなんでもかまいません。
また、目標は一つとは限りません。
私は映画監督としても、物書きとしても、精神科医としても、家庭人、
社会人としてもずっと続けていきたいという目標を持って生きています。
自分で目標を設定し、目標に向けて楽しく努力しているとき、人は生き生きと輝けます。
「今さら目標なんて」「ダメに決まっている」などと考えずに、
トライしてみましょう。元気な75歳にはまだまだ時間が残されています。
![](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/amd-img/20230206-00007638-fujinjp-001-1-view.jpg?pri=l&w=442&h=640&exp=10800)
『75歳からやめて幸せになること一気に老ける人、日ごとに若々しくなる人の差』
(著:和田秀樹/大和書房)
◆ささいな目標でも実現することが大事
目標は壮大なものでなくても大丈夫です。「毎日読書を続ける」
「自分の足で散歩を続ける」など、ささいなことであっても、
目標を立てて実現させる行為を繰り返していれば、
人生のピークはどんどん後ろにずれていきます。
自分の人生を常に上書きし、ベスト記録を更新していくようなイメージでしょうか。
退屈な余生を当てもなく過ごすか、人生のピークを先に持っていけるか。
すべては自分の考え方で決まります。
ぜひ、ピークを目指す楽しい人生を送ってください。
◆「意欲の老化」をやめる
人の老化は、知力や体力の衰えではなく、実は意欲の衰えから始まります。
「もの忘れが激しくなった」「昔の俳優の名前が思い出せない」
「暗算で答えを出すのに時間がかかるようになった」というのが知力の老化であり、
「階段を上るとすぐに疲れる」「歩くスピードが遅くなった」などが体力の老化です。
これに対して、意欲の老化は「これをやってみよう!」
「がんばろう」というモチベーションが低下する状態を指します。
高齢者の多くは、知力や体力の衰えを恐れています。
特に記憶力の衰えを怖がる傾向があります。
もの忘れが続くと「認知症かもしれない」などと不安になり、
せっせと脳トレを行ったりします。
しかし、本当に恐れるべきは記憶の衰えよりも「意欲の衰え」です。
人間の体は、知力や体力を司る器官よりも、
意欲に関わる脳の前頭葉のほうが先行して衰えます。
前頭葉の働きによって、私たちは物事にチャレンジしたり、
上手に感情を切り替えたりしているわけですが、それができにくくなるわけです。
◆楽しいことをして前頭葉を刺激する
逆にいうと、前頭葉が老化すると無気力になり、
人間らしい生活を送れなくなっていくということです。
コロナ禍では若い世代の人たちはしばらく行動制限を経験しても、
再び行動的になることができました。
しかし、70代後半にもなると、いったん動かない生活を続けた結果、
行動する意欲が失われてしまいます。行動しないと頭も体も使いませんから、
結果的に知力や体力の老化も一気に加速します。
つまり、まずは前頭葉の老化を食い止めることが先決です。
「自分にとって楽しいと思うことをやる」というのがポイントです
。楽しいことをして前頭葉を刺激すれば、老化に歯止めがかかります。
意欲を保った状態で70代を終えれば、元気な80代が待っています。
◆過剰に不安に思うのをやめる
森田正馬(もりたまさたけ)という精神科医が創始した森田療法では、
人が不安になるのは「生の欲望」があるからだと考えます。
例えば、人に嫌われたくなくて不安を感じている人は、
裏を返せば「人に好かれたい」という生の欲望を持っています。
不安があるからこそ、私たちは「頑張って働こう」
「将来のために勉強しよう」などと努力をします。
不安はエネルギーに変換できるということです。
また、人は不安を持つことで対処法を準備できます。
「電車が遅れるかもしれないから早めに家を出よう」
「渋滞に備えてクルマに給油しておこう」などと考えるのは、
不安を上手に活用している例といえます。
ただし、過剰に不安を持ってしまうのは問題です。
これから起こるかもしれない事態を必要以上に不安視し、
悲観的な未来を想像してしまうことを「予期不安」といいます。
実は大半のケースでは、不安に思っていたことが実現しても、
それほどダメージを受けないものですが、
予期不安に振り回されるあまり、リスクを高めてしまうことがあります。
◆とりあえず行動してみよう
例えば、コロナの恐怖で外出することを極度に恐れ、家に閉じこもった結果、
寝たきりになったり認知症になったりする高齢者がいます。
実際に私が診ている患者さんにも、コロナ禍で閉じこもる生活をした結果、
認知症が進んだ人や、歩行が困難になった人がいます。
冷静に考えれば、高齢者が新型コロナで寝たきりになる可能性より、
外出自粛によって寝たきりになる可能性のほうが大きいはずです。
あまりに不安が大きくなりすぎると、もはやどう対処していいかわからなくなります。
大切なのは、深く考えすぎず、とりあえず行動してみることです。
試しに行動してみて、結果を見てから次の行動を判断すればよいのです。
まさに「案ずるより産むが易し」です。
※本稿は、『75歳からやめて幸せになること 一気に老ける人、
日ごとに若々しくなる人の差』(大和書房)の一部を再編集したものです。