思いつくままに書くブログ

基本旅行記と日本ハムファイターズの事しか書きません。そして忖度なくものを言う。いいものはいい悪いのは悪いと。

旅と鉄道「種村直樹の汽車旅相談室」連載終了に向け苦言を呈する

2006-06-17 00:16:00 | 雑記
鉄道ジャーナル社から発売している季刊誌「旅と鉄道」に長期連載している「種村直樹の汽車旅相談室」がこのほど発売された最新号で連載終了となった。

私にとって種村直樹氏(以下RW氏)は鉄道における先生であったに他ならない。RW氏を知ったのは中学校の頃、やはり汽車旅相談室を読んだのが初めてで、時を同じくして地元の図書館に蔵書されていた氏の著書にも触れた。高校に入った頃にRW氏に質問の手紙を送り、ミミズがのた打ち回っているような悪筆の返答に悩まされたりした。しばらくして氏の親睦団体から入会の誘いが届いて入会。これは今も続いている。何度かイベントに参加したり、2人きりで旅行したこともあるし、飲みに行ってゴチになったこともある。RW氏の事務所にいきなり行ったこともあるし、原稿の読み合わせに付き合わされたこともある。氏を私の車の助手席に乗せてドライブしたこともある。
#これ以上書くと私が誰か特定されそうですね<判る人は判るかも。

そんな私だが、今回の連載終了に関しては「来る物が来たか」というのが率直な感想であり、氏を擁護するつもりは無い。身の引き際を誤ったと思うからだ。

かつての汽車旅相談室は寄せられる質問も難解なものや「こんな考えを持つ人がいるんだ」と感心させられるようなものが非常に多く、それに対するRW氏の回答も的確で「そんな答えがあったのか」と開眼させられるような物だった。それがどうだろう、最新号に関しては4ページもあるのに質問が2つ。何度も議論尽くされているようなものと何を今更的な質問しかなく、それに対する回答も精彩を欠いており投げやり感さえ感じさせられた。

RW氏はくも膜下出血以降に文筆力が落ちたように話しているが、それならその際に現役引退しておけば、社会からも読者からも同情されただろうし納得されただろうし、きれいな引き際になったと思われる。

しかし「年金生活宣言するほど優雅でない」という理由で現役を続行したのはいいけれど、文筆力が落ちた上に誤認識を元にして回答をしてしまったり、鉄道ジャーナル誌のルポ記やレビューにしても私でも書けそうなレベルの文章で、プロの仕事を感じさせられなくなった。よって汽車旅相談室に手紙を書いても的確な回答が得られないばかりか、回答までのスピードが落ちた上に(2年間も塩漬け状態にされた質問があるくらい)、回答が保証されず(私自身がした質問でも、いくつも未回答のものがある)、それならネットで調べれば同様のことを行っている個人サイトがいくつかあるので、そこの掲示板に書き込んだほうがスピードが早くて的確だし、鉄道会社のお客様相談室にメールしても答えを得ることができる。汽車旅相談室は時代遅れなのである。それなのに「体調悪化が連載終了の理由の一つならもう大丈夫」などと、鉄道ジャーナル社に談判に行くのは何も判っていない。それで最後の原稿は恨みつらみが目立つ内容なのは非常に大人気なく、70歳の人がすることではない。せめて「フリーになって30年余り、お世話になりありがとうございました」と一言挨拶あってもいいのではないか。

ちなみに年金生活できないのは若い時期に脱サラしてしまったゆえに厚生年金の掛け期間が比較的短いためで、RW氏は今になって「脱サラしないで国会担当を受けていれば」と少しは後悔しているかも知れない。氏は毎日新聞で国鉄担当から国会担当に変わるのが不服なのがフリーになった理由の一つであるからだ。

これだけ苦言ばかり述べているが(苦言は氏の専売特許ではない)、私は即引退しろとは思わない。昔のような読んでいてワクワクさせられる文章が読みたいのだ。それを期待したい。それができないならやはり身の引き際を誤っているのである。それに脱サラも良し悪しだなあ…。