Tasmin.Archer -Sleeping Satellite
"Sleeping Satellite"は、英国のシンガー・ソングライター、タスミン・アーチャーのデビューシングル。1992年9月にリリースされたファースト・アルバム『Great Expectations』に収録されている。英国とアイルランドで1位を記録し、その他13カ国でもトップ20入りする世界的なヒット曲となった。米国のビルボードシングルチャートでは32位まで登った。日本ではJ-WAVEがこの曲を当時大プッシュしていて毎日のようにかかっていた。毎週日曜日にクリス・ペプラー氏がMCを担当するチャート番組『TOKIO HOT 100』でけっこう上位にランクインしていた記憶がある。アポロ宇宙船の月面着陸を題材にした哲学的な歌詞とのこと。難しい単語は一切使われていないけど、かなり抽象的な言い回しで、一読しただけでは意味がよくわからない。
1992年当時、そのJ-WAVEでこの曲がよくかかっていたのを聴いてCDが欲しくなった。CDショップをあちこち探したがなかなか見つからなかった。曲の感じから、まさか黒人の女性が歌っているとは想像できず、ふつうの洋楽ポップスのコーナーばかり探していたのが原因。どこか寒さを感じさせるこの曲からブラックな雰囲気はまったく感じられなかった。今改めて聞くと、ブラックなフレーバーはすぐに感じられる。まさかと思ってある日、大きなCDショップでブラック系のコーナーを探したら、すぐに見つり脱力。90年代はなんだか忙しくてテレビをほとんど観てない。この曲のPVは一度も見たことがなかった。どんな人が歌っているのか知らなかった。そんなこんなで、曲名・アーティスト名はわかっていたにもかかわらず、このCDの捜索は難航したのであった。
ここから先は書こうかどうしようか、かなり迷っている。
この曲は胸が張り裂けそうなつらい思い出とリンクしているから。
当時、とても好きな女性がいた。
いわゆる片思い。
彼女は沿線にあるスーパーの店員さんでとても可愛かった。
今ならレジの店員さんに話し掛けるのは、何の抵抗もなくできるが、
あのとき若かった自分は勝手に必要以上にプレッシャーを感じてしまい、話し掛けることすらなかなかできなかった。
週末に、彼女がいるレジに並んで買い物の精算を済ませるのが精一杯。
寒い冬のある週末。
初めて彼女を見たときからどれだけ月日が流れていただろうか?
いつものようにレジで彼女と対面すると、ある異変に気が付く。
異変の重大さがわかってくると、胸が猛烈に痛くなり気を失いそうになる。
名札の名字が変わっていた。
左手の薬指には指輪が。
フラフラの状態で店の外にでると、有線放送のBGMでこの曲がかかっていた。
いや、イヤホンで聴いていたラジオからこの曲が流れていたのかもしれない。
もはやよく覚えていない。
なぜ、今になってこの曲を取り上げようと思ったのか。
実は2週間ほど前に、最寄り駅の改札口でン十年ぶりに彼女を目撃した。
ご時世ゆえにマスクはしていたが、目元の美しさはまったく変わっていなかった。
体型もスリムなまま。
彼女は年配の女性となにやら熱心になにか話し込んでいた。
誰かを駅まで迎えに行ったところ、偶然に元同僚にでも出くわしたのだろうか。
少し離れた場所にしばらく佇んで、彼女が誰を待っていたのかを確かめることも、やろうと思えばできたが、それはえらく野暮な気がしたのでやらなかった。
それにしても、もし、神様がいるとするならば、この期に及んでなんでこんなイタズラするんでしょう?
当時の自分はアホ丸出し。何が怖くて躊躇ばかりしていたのか?
人生やり直したい。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます