昨日の、「ちはやぶる」という一席は、「おからつながり」の落語でした
これは、在原業平が詠んだ歌で、
この竜田川に、一面に紅葉が流れているのを見ると、まるで、水を紅いくくり染めにしたように見える。このようなことは、ふしぎなことの多い神代にも聞いたことがない。(まあ、何というめずらしい景色だろう)
と言う意味なのですが、これをネタにした落語があるの。
物知りな先生に、物を知らない八五郎が、この歌の意味を聞きます。
先生にも解からなかったのですが、まさか知らないとも言えず・・・・・
八五郎 「へえ、教えてもらいてえのは、
『ちはやぶる
神代も聞かず竜田川
からくれないに
水くぐるとは』
って歌の意味なんですがね。」
先生 「ほほう、この歌の意味が知りたい?
おまえさん、あわてて取り乱しちゃいけないよ。」
と、八五郎をなだめるフリをしながら、必死で言い訳を考える先生・・・・・
先生 「まず、いいかえ、竜田川ってえなぁ、相撲取りの名だ。」
八五郎 「へえ! 相撲取りの名だったんすかい。」
で、この辺りから、お客さんたちはクスクスと笑い始めるわけだ
先生 「その竜田川が、吉原の花魁(おいらん)に ほれちまった。
その 花魁の名が千早だ。」
八五郎 「あれま、千早が花魁の名!」
先生 「ところが千早は、『わちきは、相撲取りなんかイヤでありんす』と、竜田川を振ってしまった。
それじゃってんで、妹分の神代って花魁に話を持ちかけたんだが、その神代にも振られてしまった。
で、竜田川はがっかりして相撲もやめて国へ帰って、豆腐屋になったんだ。」
八五郎 「へーえ、女に振られたぐらいで相撲やめて国へかえっちまったんですかい?
だらしのねえ男じゃねえか。」
先生 「それくらい純情な男だったんだよっ!
で、豆腐屋になって十年くらいたったある日、
竜田川の店の前に落ちぶれて女乞食になった、その千早って花魁が通り
がかった。
『もう三日も何も食べておりません、おからでも頂かせてください』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そこで竜田川は怒ったね、
お前に振られたばっかりに、俺は相撲をやめて豆腐屋になったんだ、
お前なんかにおからはやれないってね。
で、千早は悲しんで近くの井戸に身を投げて死んでしまった。」
八五郎 「へえ、かわいそうに。」
先生 「これで意味がわかっただろう。
千早に振られ、
神代も言うことを聞かなかったので、
相撲をやめた竜田川が今度はおからをくれないってんで・・・
千早は水にくぐっちまったのさ!」
と言う、ちはやぶるが神にかかる枕詞の歌。
無学者は論に負けず。
よく知らないことを知ったような顔をして、恥をかく、ということは誰にもよくあることでございます。
チャンチャン
これは、在原業平が詠んだ歌で、
この竜田川に、一面に紅葉が流れているのを見ると、まるで、水を紅いくくり染めにしたように見える。このようなことは、ふしぎなことの多い神代にも聞いたことがない。(まあ、何というめずらしい景色だろう)
と言う意味なのですが、これをネタにした落語があるの。
物知りな先生に、物を知らない八五郎が、この歌の意味を聞きます。
先生にも解からなかったのですが、まさか知らないとも言えず・・・・・
八五郎 「へえ、教えてもらいてえのは、
『ちはやぶる
神代も聞かず竜田川
からくれないに
水くぐるとは』
って歌の意味なんですがね。」
先生 「ほほう、この歌の意味が知りたい?
おまえさん、あわてて取り乱しちゃいけないよ。」
と、八五郎をなだめるフリをしながら、必死で言い訳を考える先生・・・・・
先生 「まず、いいかえ、竜田川ってえなぁ、相撲取りの名だ。」
八五郎 「へえ! 相撲取りの名だったんすかい。」
で、この辺りから、お客さんたちはクスクスと笑い始めるわけだ
先生 「その竜田川が、吉原の花魁(おいらん)に ほれちまった。
その 花魁の名が千早だ。」
八五郎 「あれま、千早が花魁の名!」
先生 「ところが千早は、『わちきは、相撲取りなんかイヤでありんす』と、竜田川を振ってしまった。
それじゃってんで、妹分の神代って花魁に話を持ちかけたんだが、その神代にも振られてしまった。
で、竜田川はがっかりして相撲もやめて国へ帰って、豆腐屋になったんだ。」
八五郎 「へーえ、女に振られたぐらいで相撲やめて国へかえっちまったんですかい?
だらしのねえ男じゃねえか。」
先生 「それくらい純情な男だったんだよっ!
で、豆腐屋になって十年くらいたったある日、
竜田川の店の前に落ちぶれて女乞食になった、その千早って花魁が通り
がかった。
『もう三日も何も食べておりません、おからでも頂かせてください』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そこで竜田川は怒ったね、
お前に振られたばっかりに、俺は相撲をやめて豆腐屋になったんだ、
お前なんかにおからはやれないってね。
で、千早は悲しんで近くの井戸に身を投げて死んでしまった。」
八五郎 「へえ、かわいそうに。」
先生 「これで意味がわかっただろう。
千早に振られ、
神代も言うことを聞かなかったので、
相撲をやめた竜田川が今度はおからをくれないってんで・・・
千早は水にくぐっちまったのさ!」
と言う、ちはやぶるが神にかかる枕詞の歌。
無学者は論に負けず。
よく知らないことを知ったような顔をして、恥をかく、ということは誰にもよくあることでございます。
チャンチャン