貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

ベリリウム鉱物

2024-03-18 20:49:59 | 元素別鉱物リスト

ベリリウムを主成分とする鉱物は mindat によれば、IMA認定で129、それ以外も含めると165。最初聞いた時は多いねえと思ったけれど、そうでもない。アンチモニーなんかですら306あるのに。
以下、主要(主観的)鉱物。ありゃアルファベット順になっちゃってる。

ベルトランダイト Bertrandite Be4(Si2O7)(OH)2
ベリル Beryl Be3Al2(Si6O18)
ベリロナイト Beryllonite NaBePO4
クリソベリル Chrysoberyl BeAl2O4(アレキサンドライト
エピディディマイト Epididymite Na2Be2Si6O15 ・ H2O
ユークレース Euclase BeAl(SiO4)(OH)
ユーディディマイト Eudidymite Na2Be2Si6O15 ・ H2O
ガドリナイト Gadolinite (Ce,La,Nd,Y)2Fe2+Be2Si2O10
ヘルビン Helvine Be3Mn42+(SiO4)3S
ヘルデライト Herderite CaBe(PO4)(F,OH)
ローレントーマサイト Laurentthomasite K□2Mg2(Be2Al)[Si12O30]
リューコファナイト Leucophanite NaCaBeSi2O6F
ロンドナイト Londonite (Cs,K,Rb)Al4Be4(B,Be)12O28
マグネシオターフェアイト Magnesiotaaffeite Mg3Al8BeO16/Mg2BeAl6O12
ミラライト Milarite K(□H2O)Ca2(Be2Al)[Si12O30]
ペツォッタイト Pezzottaite Cs(Be2Li)Al2(Si6O18)
フェナカイト Phenakite Be2SiO4
ローディザイト Rhodizite (K,Cs)Al4Be4(B,Be)12O28
ソレンセナイト Sorensenite Na4SnBe2Si6O16(OH)4
トゥグトゥップアイト Tugtupite Na4BeAlSi4O12Cl
ベイリネナイト Vayrynenite BeMn2+(PO4)(OH)★


リチウム鉱物[メモ]

2024-03-17 10:34:33 | 元素別鉱物リスト

リチウムを主成分とする鉱物は112(IMA認定)と割りに少ない。主要な鉱物は以下。(超主観的です)

アンブリゴナイト Amblygonite LiAl(PO4)F
エルバアイト Elbaite リチア電気石 Na(Li1.5Al1.5)Al6(Si6O18)(BO3)3(OH)3(OH)
モンテブラサイト Montebrasite LiAl(PO4)(OH)
ネプチュナイト Neptunite 海王石 KNa2Li(Fe2+)2Ti2[Si4O12]2
ペタライト Petalite LiAl(Si4O10)
ペツォッタイト Pezzottaite Cs(Be2Li)Al2(Si6O18)
スポデューメン Spodumene リチア輝石 LiAlSi2O6 (クンツァイトなど)
スギライト Sugilite 杉石 KNa2Fe23+Li3[Si12O30]
トリフィライト Triphylite LiFe2+PO4

日本で新発見されたものもある。
片山石 Katayamalite KLi3Ca7Ti2(SiO3)12(OH)2(IMA認定取り消しはされていない)
益富雲母 Masutomilite (K,Rb)(Li,Mn3+,Al)3(AlSi3O10)(F,OH)2
村上石 Murakamiite LiCa2Si3O8(OH)
わたつみ石 Watatsumiite KNa2Li(Mn2+)2V24+[Si4O12]2


主なマンガン鉱物[メモ]

2024-03-11 20:56:45 | 元素別鉱物リスト

ビクスビアイト。もろマンガンの酸化物。黒光りして美しい。



マンガン鉱物をおさらいしようかと思ったけど、『日本大百科事典』では「約170種類、日本ではこのうち約100種類」とあり、mindat では841もある。はは。名前を聞いたことのあるものだけ。(超主観的w) イオン価数があったりなかったりはご愛嬌。

【硫化】
アラバンダイト Alabandite 閃マンガン鉱 MnS
ハウエライト Hauerite ハウエル鉱 MnS2
ランバージャイト Rambergite ランベルグ鉱 MnS
【酸化】
ハウスマナイト Hausmannite ハウスマン鉱 Mn3O4
パイロルーサイト Pyrolusite 軟マンガン鉱 MnO2
ラムズデライト Ramsdellite ラムスデル鉱 MnO2
マンガノサイト Manganosite 緑マンガン鉱 MnO
ビクスビアイト Bixbyite ビクスビ鉱 Mn2O3
クリプトメレーン Cryptomelane K(Mn4+,Mn2+)8O16
マンガナイト Manganite 水マンガン鉱 MnO(OH)
フランクリナイト Franklinite フランクリン鉱 (Zn,Fe,Mn)(Fe,Mn)2O4
ロマネカイト Romanechite ロマネシュ鉱 (Ba(Mn2+,Mn4+)5O10・H2O(旧名サイロメレーン鉱)
ホランダイト Hollandite ホランド鉱 Ba(Mn4+6Mn3+2)O16
コロナダイト Coronadite コロナド鉱 Pb(Mn4+6Mn3+2)O16
【水酸】
パイロクロアイト Pyrochroite キミマン鉱 Mn(OH)2 (和名は「黍+マンガン」からw)
【炭酸】
ロードクロサイト Rhodochrosite 菱マンガン鉱 MnCO3
クトナホライト Kutnohorite CaMn2+(CO3)2
【珪酸】
テフロアイト Tephroite テフロ石 Mn2SiO4
ブラウナイト Braunite ブラウン鉱 Mn2+Mn3+6SiO12
リューコフェニサイト Leucophoenicite リューコフェニス石 Mn7(SiO4)3(OH)2
ロードナイト Rhodonite バラ輝石 CaMn4Si5O15
パイロクスマンジャイト Pyroxmangite パイロクスマンガン鉱 (Mn,Fe)SiO3
スぺサルティン Spessartine 満礬柘榴石 Mn3Al2(SiO4)3
バスタマイト Bustamite バスタム石 (Mn,Ca)3Si3O9
アレガニアイト Alleghanyite アレガニー石 Mn5(SiO4)2(OH)2
イネサイト Inesite イネス石 Ca2Mn7Si10O28(OH)2・5H2O
ヨハンセナイト Johannsenite ヨハンセン輝石 CaMnSi2O6
ピーモンタイト Piemontite 紅簾石 Ca2Mn3+Al2(Si2O7)(SiO4)O(OH)
【硫酸】
マラーダイト Mallardite マラー石 MnSO4・7H2O
【リン酸】
ヴェイリネナイト Vayrynenite バイリネン石 BeMn2+(PO4)(OH)
リシオフィライト Lithiophilite LiMn2+PO4
パーピュライト Purpurite 紫石 Mn3+(PO4)
ヘテロサイト Heterosite (Fe3+,Mn3+)PO4
トリプライト Triplite (Mn,Fe,Zn)2(PO4)(F,OH)
ラドラマイト Ludlamite ラドラム鉄鉱 (Fe,Mg,Mn)3(PO4)2・4H2O

【日本で発見された稀産マンガン鉱物】(くたびれたので詳細略w)
伊勢鉱・磐城鉱・岩手石・オホーツク石・滋賀石・上国石・白水雲母・神保石・園石・高根鉱・種山石・多摩石・東京石・轟石・南部石・豊石(ぶんのせき)・マンガノパンペリー石・万次郎鉱・桃井柘榴石
日本はマンガン鉱床が豊からしい。


鉛鉱物

2024-02-25 12:31:47 | 元素別鉱物リスト

亜鉛総ざらいをやったんだから鉛も、と思ったけど鉛鉱物というのは一般的なものだけでもえらくたくさんある。鉛は地殻中の存在度では亜鉛や銅より少ないのに。どうも多くはガレナからできる二次鉱物みたいだけど。
多すぎるので有名どころだけ挙げて誤魔化す。(おい)

  ガレナ(Galena 方鉛鉱) PbS
  アングレサイト(Anglesite 硫酸鉛鉱) PbSO4
  セルサイト(Cerussite 白鉛鉱) PbCO3
  クロコアイト(Crocoite 紅鉛鉱) PbCrO4
  パイロモルファイト(Pyromorphite 緑鉛鉱) Pb3(PO4)3Cl
  ミメタイト(Mimetite ミメット鉱) Pb5(AsO4)3Cl
  バナディナイト(Vanadinite 褐鉛鉱、バナジン鉛鉱) Pb5(VO4)3Cl
  リナライト(Linarite 青鉛鉱) PbCu(SO4)(OH)2
  モットラマイト(Mottramite モットラム石) PbCu(VO4)(OH)
  ボーノナイト(Bournonite 車骨鉱) PbCuSbS3
  ジェームソナイト(Jamesonite 毛鉱) Pb4FeSb6S14

山口大学工学部学術資料館「元素別鉱石(鉛・亜鉛鉱)」にはいろいろ列挙されてる。けどこのリストにはバナディナイトとかクロコアイトとかは入っていない。「鉱石」じゃないのかな。地学屋と石沼民との関心の違いというものあるかもしれない。

あんま持ってない。一級品でないものもある。まあそれでも。

ギャリーナ(米国か?) はピッカピカでとっても美しい。

うちのセルサイトはお安いものなのでじぇんじぇん「白」鉛鉱ではない。でもこのヘビーな感じはとても好きです。針が複雑に発達しているのが欲しいけど、高くて。

このクロコアイトはもともとホリさん出なので美品。

バナディナイト……どうもヴァナディナイトと書きたいけどバナジウムがバなので仕方ないか。これもお安いもの。色はなかなかなんだけど、おっきな結晶のがちょっと欲しい。(欲をこくでない)

リナライトは美しい青。なかなか。むしろ銅鉱物かな。

こんなもんだけど、これだけですら並べてみるとばんらばんら。

なんですかね、鉛って。わけわからん。

【注記】あくまで一般的な鉱物での話です。鉛を主要元素として含む鉱物は mindat によれば962あるそうです。


亜鉛鉱物

2024-02-21 20:57:23 | 元素別鉱物リスト

亜鉛というのはけっこう身近な感じのする金属なので、地殻中にもたくさんあるのかと思ったらそうでもない。銅と同じくらい。
銅鉱物は二次鉱物も含めるとものすごく多種だけど、亜鉛鉱物というのは一般的なものはあんまり多くない。整理というかおさらいというか、管見に入ったものを並べてみる。

【硫化】 スファレライト(Sphalerite、閃亜鉛鉱) (Zn,Fe,Mn,Cd)S
     ウルツァイト(Wurtzite、ウルツ鉱) ZnS
【酸化】 ジンサイト(Zincite、紅亜鉛鉱) ZnO
     フランクリナイト(Franklinite、フランクリン鉱) (Zn,Fe,Mn)(Fe,Mn)2O4
     ガーナイト(Gahnite、亜鉛スピネル) ZnAl2O4
【珪酸】 ヘミモルファイト(Hemimorphite 異極鉱) Zn4Si2O7(OH)2・H2O
     ウィレマイト(Willemite) Zn2SiO4
【炭酸】 スミソナイト(Smithsonite、菱亜鉛鉱) ZnCO3
     ローザサイト (Rosasite、亜鉛孔雀石) (Cu,Zn)2(CO3)(OH)2
     オーリカルサイト(Aurichalcite、水亜鉛銅鉱) (Zn,Cu)5(CO3)2(OH)6。
     ミンレコーダイト(Minrecordite) CaZn(CO3)2 *ウィキは「ミレンコーダイト」と誤記。
【硫酸】 ジンクメランテライト (Zincmelanterite、亜鉛緑礬) (Zn,Cu,Fe)SO4・7H2O 
【砒酸】 アダマイト(Adamite アダム石、水砒亜鉛鉱) Zn2(AsO4)(OH)
     レグランダイト(Legrandite、レグランド石) Zn2(AsO4)(OH)H2O
【燐酸】 フォスフォフィライト(Phosphophyllite、燐葉石) Zn2Fe2+(PO4)2・4H2O
     ヴェゼリアイト(Veszelyite、ベゼリ石) (Cu,Zn)2Zn(PO4)(OH)3・2H2O。
     ホープアイト(Hopeite、ホープ石) Zn3(PO4)2・4H2O *ウィキにはなし。
【バナジン酸】 デクロイザイト(Descloizite、デクロワゾー石) (Pb,Zn)2(OH)VO4

案外持ってるな。亜鉛と意識してないだけで。

亜鉛鉱物の筆頭と言えばスファレライト、閃亜鉛鉱でしょう。汎産で亜鉛採取の原料として最も広く利用されている。日本でもたくさん出るらしい。
色も姿も多彩だけど、うちにいるのは赤がきれい。スペイン産。カドミウムを含むと赤くなるそうで。



ウルツァイトというのはスファレライトの純粋亜鉛形みたいなものだけど結晶形が違うとか。商品としてはあまりない。純粋種だから稀産なのか、いちいち分析するのがめんどくさいのか。(んなあほな) 赤い石らしい。うちのシャーレンブレンド君に含まれているかもしれないけどあちきには判別不能。この真ん中の赤いのかな?

ジンサイトはジンカイト? 亜鉛はジンクだからカだろうけど綴りを素直に読むとサですな。困ったものだ。天然ではあまり出ず、亜鉛工場の煙突にできるやつが出回っている。これは人工鉱物なのか天然鉱物なのか。スウェディッシュ・ブルーみたいなスラグ鉱物は人工だろうけど、銅鉱山の坑道の水滴に生成するカルカンサイトは天然とみなしたりする。わからん。
あちきの持ってるのは小さいけど、キラキラしてきれい。淡いピンクのかわいい色合いなんだけどなぜか写真では全然別人。ポーランド産。

フランクリナイトは既出。共生しているウィレマイトとかが美しく蛍光するのを横目にご当人は無反応。真っ黒で愛想がない。亜鉛鉱物というより鉄とマンガンの鉱物ですかな。

ガーナイトは亜鉛スピネル。特にナイジェリアで産する青い宝石質のものは珍重されている。高くて手が出ない。けど、ガーナイトがすべて青いわけでもないし、スピネルが青ければ即ガーナイトというわけでもない。これは長垂のペグマタイトに入っている小さな結晶。



ヘミモルファイトとウィレマイトは前記事と前々記事。

スミソナイトは既出。色は多彩で美しい標本もたくさん出回っている。これはあちきにとっては美しい奴なんだけど、見せびらかすほどのものではごじゃりません。メキシコ産。

ローザサイトはついこの間上げた。スミソナイトに銅と水が加わった組成。銅のせいか青の色が深い。わりとレアか。



オーリカルサイトも上げたばかり。これも亜鉛鉱物か銅鉱物か。

ミンレコーダイトとジンクメランテライトは超稀少石。ないことにしよう。(こら)

アダマイトは砒酸塩という珍しい御仁。これは以前ミネラルショーで買ったのだけどもうひとつインパクトがないように思えてここには上げなかったらしい。ドゥランゴ産。改めて見返してみると、キラキラで美しい。

レグランダイトは持ってない。組成的にはアダマイトとそっくりさんなのにえらく稀少。いろいろな色があって、黄色の宝石質のものはとんでもなく高い。しかし「レグランド石」は「ルグラン石」でないとおかしいぜよ。

フォスフォフィライトは亜鉛鉱物の一番の華かもしれない。リン酸塩ということもあるのか美しい。人気があって高価。あちきのはお見せするほどのものではないけど。過去記事はこちら

ヴェゼリアイトは既出。美しい。

ホープアイト、発音的にはホーパイトかな。は超レアストーン。持ってるわけない。

デクロイザイトも既出だけど国産もので見栄えはよろしくない。バナジン酸塩という珍しい鉱物。

ううむ。レグランダイト、ホープアイトかあ。まあそのうち。

【注記】ここで言っている亜鉛鉱物というのはあくまで一般的な観賞標本や有名鉱石の中でということです。亜鉛を主要元素として含む鉱物は mindat によれば418あるようです。まあ鉱物種は4000だか5000だかあるそうですから、細かく見て行ったらそうなるでしょう。