鴨長明「方丈記」読了。
その「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」と言う書き出しから、人生に悟りを開いた世捨て人の随筆かと思っていたら、90%がルサンチマンであった。
権力争いに破れ、都落ちし、朽ちぶれた小さな一軒家で人生を振り返る随筆である。驚きは、今の感覚で読めばこの変哲も無く、しかも時の政権を批判する随筆が900年にも渡って中世の素晴らしい文学として伝承されてきた事である。福原遷都への批判や、大地震ののち直ぐにその被害を忘れた事や、大飢饉で京都中に死体が溢れる悲惨な状況に政治が無力であることなど、よくぞ時の政治を批判しながらも、900年も没にならずに伝承されてきたのは奇跡である。
それは現代にも通じる庶民の閉塞感や無力感、やるせなさに共感する部分が、ずっと昔も今もいつの時代も、変わらず存在するってことでしょうね。
また、高校の授業でその内容を教えないわけだ。当時の政権批判は現代にも通じる。授業で作者と著書名だけを教えるのではなく、30分もあれば読める本文を授業でやれば、生徒は歴史に興味を持つと思う。福原遷都や大地震、大飢饉の状況が赤裸々に語られているのだから。
その「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」と言う書き出しから、人生に悟りを開いた世捨て人の随筆かと思っていたら、90%がルサンチマンであった。
権力争いに破れ、都落ちし、朽ちぶれた小さな一軒家で人生を振り返る随筆である。驚きは、今の感覚で読めばこの変哲も無く、しかも時の政権を批判する随筆が900年にも渡って中世の素晴らしい文学として伝承されてきた事である。福原遷都への批判や、大地震ののち直ぐにその被害を忘れた事や、大飢饉で京都中に死体が溢れる悲惨な状況に政治が無力であることなど、よくぞ時の政治を批判しながらも、900年も没にならずに伝承されてきたのは奇跡である。
それは現代にも通じる庶民の閉塞感や無力感、やるせなさに共感する部分が、ずっと昔も今もいつの時代も、変わらず存在するってことでしょうね。
また、高校の授業でその内容を教えないわけだ。当時の政権批判は現代にも通じる。授業で作者と著書名だけを教えるのではなく、30分もあれば読める本文を授業でやれば、生徒は歴史に興味を持つと思う。福原遷都や大地震、大飢饉の状況が赤裸々に語られているのだから。
