元外資系企業ITマネージャーの徒然なるままに

日々の所感を日記のつもりで記録

半藤一利さんが死去した。彼の昭和史はとても素晴らしい本である

2021-01-20 10:41:39 | 既に起こった未来
半藤一利さんが死去した。彼の昭和史はとても素晴らしい本である。一番感銘を受けたのは氏の40年周期説である。日本は明治維新後40年周期で浮き沈みを経験しているという説である。以下の2019年3月9日付けロイターの記事が、この40年周期説を短くよく表現していて素晴らしい。
https://jp.reuters.com/article/opinion-kazutoshi-hando-idJPKCN1QO050
引用すると
「幕末から昭和まで、歴史を見つめてきた作家の半藤一利氏は、平成の日本は国家に目標がなく、国民も基軸を失いつつあると指摘する。日本の近現代は40年サイクルで転機が訪れてきたとし、現在の不穏な世界情勢の中、バブル崩壊から次の節目である2032年に向けてどういう国にしたいのか、新しい時代を生きて行く人たちは真剣に考えるべきだと警鐘を鳴らす。
同氏の見解は以下の通り。
日本の近現代は京都の朝廷が開国に方針転換した1865年に始まり、そこから40年周期で節目を迎えている。1905年に日露戦争に勝って列強の仲間入りをし、1945年にそれまで築き上げた大日本帝国を壊滅させた。占領の空白期を経て1952年から新しい国家の建設に乗り出し、40年かけて経済大国への階段を駆け上がった。
そしてバブルが崩壊し、現在の40年間は1992年に始まった。この史観が正しければ、次の転機は2032年に訪れる。果たして滅びの40年になるのか、それとも態勢を立て直し、新しい国造りの40年にできるのか。」
2025年には団塊の世代のほとんどが要介護になるが、希望者全員が介護施設に入れるわけではない。年取った両親を介護したことのある人ならわかるが、2021年1月の現時点でも全ての要介護の老人が介護施設に入れるわけではない。もちろん金が全ての世の中だから、金持ちは素晴らしい介護施設に入れるが。そしてこんな高齢化社会の2032年に向けて今後さらに、今よりもさらに悲惨な状況がやってくる。しかし、新自由主義で資本家の金儲け第一主義の現自民党公明党政権に、有効な高齢者対策はおろか、少子高齢化対策もない。菅総理の持論は自助、共助、公助である。年金で暮らせるわけはなく、定年までに2500万円貯めても生きていけない老後だが、自分や家族でなんとかしろ(自助)、出来ないなら地域やボランティアをあてにしろ(共助)、だが一番あてに出来ないのが公助である。せめて毎日筋トレや散歩など運動して、死ぬまで寝たきり老人にならないして子供たちに迷惑をかけないのが親の最後の務めであり責任であるとつくづく実感する今日この頃である。

ビル・エヴァンストリオがとてもいい

2021-01-20 09:30:31 | ジャズ
ビル・エヴァンストリオがとてもいい。初めて聞いたのは、村上春樹さんと和田誠さんの「ポートレイト・イン・ジャズ」というジャスプレイヤーと、そのプレイヤーのベストアルバムを紹介する本で勧めていたアルバム「ワルツ・フォー・デビー」だ。これはライブ録音でとても素晴らしい。ビルのピアノもとても素晴らしいが、ベースがまた特に素晴らしい。でも彼らの演奏が引き立つのはドラムスが正確なリズムを刻んでいるからだろう。
ただ、私が一番好きになったアルバムは村上春樹さんの本の題名と同じ「ポートレイト・イン・ジャズ」である。とくにその中に収められている「いつか王子様が」を聴いていたら、いろいろな物語が頭の中を巡ってしょうがない。とても夢のある曲であり、演奏だ。例えば、
「お嬢さん、それはダメダメ。王子様なんかこの世にいないんだよ。それより僕と踊りませんか?」と、ビルのピアノが急にアップテンポで踊り出す。
「いやいや、お嬢さん、騙されてはいけません音楽家にお金持ちはおりません。お嬢さん、この世はお金さ。お嬢さんが待っている王子様はお金を持って要るんでしょ、そうですお嬢さんが待っているのは、王子様ではなくて、お金が全てのお嬢さんは、悲しい」とベースが奏でる。
「どっちでも、いいじゃない。お金なんかなくたって、この世は楽しい。オイラのリズムを聴いてくれ」とドラムスがリズムを刻む。
「そんなことございませんわ。わたくしお金なんか入りませんわ。たくさん持ってますもの。お父様がお金を渡しにたくさんくださるの。私が待っているのは、イケメンで若い王子様、浮気はせずに私だけを見てくれる。そして、王子様のお父様は王様だからお金持ちなの、それで十分ではありませんこと。なんて王子様は素晴らしい。わたくしの理想でございますわ」とお嬢様がリズムに合わせて踊り出す。
「お嬢さん、だから言ったでしょ。それはダメダメ。」とビルのピアノが「私と踊りませんか」とまた軽快に響き出す。