Hiroko Inagaki「君がいた日々」
明日で絵画展示“楽園”の展示が終了します。そして、明日は東日本大震災から1年です。
被災された方、大切な誰かを失った方々が多くいらっしゃると思います。
私は少しでも、自分の展示を見て下さった方々が笑顔になってくれる展示にしたいと思いました。そして、そんな笑顔はきっと水が作る波紋のように、傷みをもった人々に届くと信じていました。
そして、直接被災していなくても、被災した方を想い、沢山の涙が流されていたことを、この展示で知りました。私も今回、展示された絵画のほとんどを、涙しながら、何か心の叫びを絞り出すように描いたのを覚えています。そして、知らぬ間にどんどん完成していった絵が多かったのが、今までの作品の制作過程と違います。何か必然的に描かされたようなイメージです。
震災で沢山のものが失われましたが、その中で大切な想い出は、いつも自分の心の中にあって、決して失うことはないのです。そんな皆さん、それぞれの心の中にある幸せの記憶のかけらを拾い集めたような絵を、自分は描きたかったんだと、この展示を通して気付きました。この楽園図が沢山の方々に届きますように。。。
大橋トリオ 『わすれない』