昨日は久しぶりに上野に行き、東京芸術大学美術館で開催していた『尊厳の芸術展』を観ました。
この展示は太平洋戦争時にアメリカ西部で日系人が強制収容され、厳しい収容所生活の中でも人間の尊厳を失わず、日用品や小木等を材料に美術工芸品を制作しながら、不安や苦悩をのりこえ未来へと希望をつないだ作品たちが並びます。
その作品は子供や孫の代で発見され、2年前にスミソニアンアメリカ美術館レンウィックギャラリーで展覧会が開催されたそうです。収容された人は、収容所の出来事は皆、子供の世代にはアメリカ人を嫌いにならないよう多くは語らない人が多く、この作品を通じて、いろいろな悲惨の出来事も知った子供世代も多かったようです。極限状態での人間の想像力は、こんなにも明るく美しいものを生み出すのかと涙が出そうになりました。今の私たちは、こんな作品を生み出せるでしょうか。。
土や砂利に埋まった小さな貝殻を拾い集めて作ったブローチなど。。
小さな木の破片で作られた小鳥達。
桃の種で出来た指輪
石から掘り出した葉のお皿や急須
こうした物を作る道具もすべて自分たちで作るそうです。
収容されていた日本人が母国への想いが、この作品たちからにじみ出ていて、こんな形で作品だけでも、日本に帰れて良かったなあ。。と思えました。会期は明日までですが、多分、混むと思うので、少しここでご紹介しました。(ちなみに入場無料で写真撮影も自由でした。)
久しぶりの上野は人も沢山いて、銀杏の葉や、様々な上野公園の樹々の紅葉が美しかったです。