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マイルCS(GI)

2006-11-14 22:29:08 | Weblog
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 さて、今週は秋のマイル王を決める第23回マイルCS(GI)が行われる。中心は前走で天皇賞を制したダイワメジャーだ。昨年のこのレースも2着に来ており、マイル適性は高い。その他にも前2年の雪辱を晴らすダンスインザムード、デットーリ騎乗のコートマスターピース、昨年の覇者ハットトリック、3歳勢のマルカシェンク、キンシャサノキセキなど幅広い路線から有力馬が集まった。


キンシャサノキセキ
前走の桂川S1着は桁違いの強さ。道中は発馬で行き脚がつかず後方から。だが、前に馬を置くことができず、抑えきれずにどんどん前へ行ってしまう。三分三厘でも鞍上が手綱を抑えるのに苦労するほど。手綱が放たれた直線では、軽いアクションでビュッと加速。並ぶ間もなく交わすと、最後は抑える余裕を見せて圧勝。勝ち時計1分19秒4は馬場を考慮しても優秀。しかも、ほとんど追っていない。末恐ろしい勝ち方だった。道中のスピード力と最後の切れ味は短距離向きと思わせるが、鞍上は「フットワークは中距離向き」と語る。どこまで強くなるのか。南半球産の遅生まれ。実績で見劣るのは覚悟も、思わず食指が動く。

ダイワメジャー
前走の天皇賞・秋1着は下見どころから520㌔を超える雄大な馬体は、存在感抜群。以前は、そこで寝てしまう悪態をしたため、2人引きに加えてステッキを持った厩務員が付き添っていた。だが、大人になったメジャーには不必要だった。道中は外枠からポンと好発を決めるとスッと2番手へ。インティライミが速い流れを刻んだため、スムーズに流れに乗る。三分三厘から直線にかけて、他馬の手綱が激しく動く中、持ったままの痺れる手応え。坂を上り切った300㍍地点から満を持して追い出され、左ステッキが入る。そこからは左右の手綱を立て直す鞍上の巧みなアクションに応え、内から迫るスウィフトカレントを寄せ付けなかった。速い流れを、持ったままで追走したようにスピード性能は健在。一度使われて追われてからの反応も素軽くなった。毎日王冠と同じ展開になったのも向いたが、鞍上が完璧に癖を把握したのも大きかった。昨年のこのレースは2着。速い流れを先行して一旦は抜け出すも、最後に交わされた。それでも、着差はハナで走破時計1分32秒1。文句なし。GI2勝はいずれも2000㍍だが、この馬のスピードの破壊力を生かすにはマイルがベスト。右回りも良い。昨年よりも順調。ステキシンスケクンの存在に感謝。

マルカシェンク
前走の菊花賞7着は一度使われて万全の状態。道中はAメインの作る淀みない流れを、好位のMサムソンをマーク。三分三厘で進出する横綱競馬を試みるも、最後は失速。完全に距離の壁に泣いた。前々走の毎日王冠4着は煽り気味の発馬で後手を踏む。そこから仕掛けて中団へ。その後はスムーズな折り合い。直線で外目へ持ち出すと、ジワジワ伸びたものの、差し切れず。淀みない流れを経験するのは初めてだったし、久々でプラス10㌔。軽い骨折明けで急仕上げだった。春当時は緩い流れの瞬発力勝負しか経験せず、前半から厳しい流れを強いられる競馬に一抹の不安を残していたが、ここ2走は厳しい流れを経験した。これは今後への財産となる。本来はマイルにも対応できようが、今回は3000㍍を使われた後の一戦だけに、いきなりのマイルGIで流れに戸惑わないかの不安はある。

ダンスインザムード
前走の天皇賞・秋6着は下見どころで外目を落ち着き十分に周回。気配は文句なしだった。しかし、地下馬道→本馬場にかけて、うるさいところを見せて発汗が激しかった。チークピーシーズが逆効果だったか。道中は好発を決めて好位のイン。前走同様、前のダイワを目標に思惑通りの競馬。だが、口を割って力みながらの追走は誤算だった。しかも、インティライミの作る厳しい流れで、ラスト1ハロンは完全に脚色が鈍ってしまった。2000㍍の消耗戦は向かなかった。今春のヴィクトリアM1着は前日の降雨が上がり、やや重まで回復した馬場は、最内がしっかりと踏ん張りが利き、真ん中より外目が深く追い込みづらい馬場。最内枠発走の同馬にとって願ってもない条件だった。レースではマイネサマンサの作るスローの流れを5番手のイン。遅い流れでも引っ張り切りの手応えで何とか折り合った。4角から直線にかけても抜群の手応え。いつ抜け出してもおかしくなかったが、鞍上の北村宏騎手はギリギリまで追い出しを我慢。残り1ハロン地点で満を持して追い出されると、ビュッと鋭い末脚で加速。そのまま他馬の追随を許さなかった。上がり3ハロンは33秒8。絶好の手応えでも仕掛けを焦らなかった鞍上の判断は素晴らしかった。理想はスローの流れを好位から流れに乗り、終いを生かす形。その形ならマイル~2000㍍まで距離は問わない。

ハットトリック
前走の天皇賞8着は行き脚つかずソロッと追走。後方でこの馬独自の加速でジワジワ伸びたが、迫力はなかった。距離が長いのか。良化途上。前々走の毎日王冠12着も直線で不利がありながら内容は今ひとつだった。昨年のこのレースはフワッとした発馬で後手を踏む。鞍上は好位取りを諦め、中団後方で末脚を溜める作戦を取る。勝負どころで激しく手綱が動くが、これはいつものこと。直線でうまく外目へ持ち出すと上がり33秒3の切れ味で差し切り勝ち。今シーズンはとにかく消化不良のレースが続く。復帰戦の中山記念は道悪に泣かされ、ドバイ遠征も大敗。安田記念では直線で内ラチに接触する不利。そして今秋はスランプ。昨年と同じローテで除々に復調している。時計勝負にも対応できるキレ型マイラー。ただ、鞍上が替わってからは、テンに無理に前へ行く習性がある。発馬が苦手だけにテンは後方でタメてもいいと思う。

プリサイスマシーン
前走のスワンS1着は下見では気配は目立たなかったが、-4㌔と太めなし。道中は緩い流れに乗じてスッと好位へ。終始、オレハを見ながらの競馬。4角から直線にかけて馬場の良い大外へ持ち出すと、ジワジワ伸びてゴール前で勝ち馬を差し切った。スローの流れに乗れたことが一番の要因。気性的にポン駆けは利くほうだった。ただ、勝ち時計は平凡。ここに入ると決め手の面で見劣ることは否めない。

アグネスラズベリ
前走のスワンS3着は久々で大幅な馬体増だったが、太め感なし。道中は中団のインで経済コースを通る。確かに内は荒れていたが、流れを考えると決してマイナスにはならなかった。直線はしっかりと伸びた。ここは2回目のGI挑戦。まだ、GIの激流のなかで切れ味を生かせるかには疑問が残る。

シンボリグラン
前走のスワンS2着は久々でも太め感なし。ブリンカーを外して落ち着きがあった。道中は緩い流れを中団馬群で流れに乗る。そこからいい脚を使って追い込んだ。折り合いさえ付けば最後は確実に伸びる。1ハロンの距離延長、時計勝負は歓迎できない。

カンファーベスト
前走の富士S5着は中団で流れに乗り、折り合いもスムーズ。良い感じで直線を向いたが、ラスト1ハロン地点で抜け出そうかの手応えだったが、思ったほど弾けなかった。前々走の京成杯AH2着は中団で折り合いに専念。直線でゴチャついてスムーズに追い出せなかったが、前が開いてからは鋭い伸び脚だった。3走前の関屋記念1着はマイルでタメる競馬に成功。最後の瞬発力勝負を制した。折り合いに不安のあるタイプでマイルがベスト。切れ味はここでも通用していい。馬込みを気にしないタイプだけに真ん中あたりの枠を。

キネティクス
前走の富士S1着は緩い流れを好位追走から4角で早めの仕掛け。直線で先頭へ立つとそのまま押し切った。鞍上の好判断。ここも積極的な競馬をしたい。

デアリングハート
前走の府中牝馬S1着は緩い流れを好位から流れに乗り、直線で早めに抜け出すと、そのまま33秒9の末脚でまとめた。前々走のクイーンS1着は速い流れを好位から追走し、三分三厘で早めに仕掛ける横綱競馬で押し切る強い内容。とスピードの持続力が持ち味で、それを生かすにはマイルがベスト。今季は精神面での成長が著しく、折り合いの不安がない。好位から粘る。

マイネルスケルツィ
前走の富士S13着は折り合いを欠き、力みながらの競馬。左回りも合わなかったか。前々走の京成杯AH3着はステキシンスケクンンの作る速い流れを先行。シンスケクンが息を入れた三分三厘で早めに仕掛ける横綱相撲を試みるも、直線で脚が上がってしまった。それでも、厳しい競馬だったことを考えれば上々の内容といえる。速い流れを先行して押し切る競馬が持ち味。右回り京都は向くはず。叩き3走目で体調は万全だろう。第二のダイワメジャーとなれるか。

【テレグノシス】
京都ではエンジンがかかり始めたところがゴールという感じ。最近では得意の府中での成績にも陰りが見えてきた。

スーパーホーネット
前走のカシオペアS1着は超スローの流れ。これを大外枠発走から引っ張り切りの手応えで3番手追走。上がり3ハロン勝負の流れを制した。流れに乗れたことは確かだが、切れ味を見せ付けた。マイル前後で切れ味を発揮するタイプ。3㌔増でメンバーは強いが勢いで。

ロジック
切れ味勝負では分が悪い。自身が上がり3ハロン35秒台で差し切れる条件を得意とする。今の京都は時計が掛かり始めているが、それでも良馬場では厳しい。雨に期待。大幅に絞れていることが条件。

ステキシンスケクン
ここはハナが叶いそうなメンバー構成。前走のスワンS4着はスプリント戦の速い流れを経験し、今回は楽にハナへ。暴走ラップを刻むのではなく、道中で息を入れて完璧なペース配分。4角から直線入り口にかけて11秒0と加速して後続を突き放し、セーフティリードを奪う。だが、ゴール前で差し切られてしまった。前々走のスプリンターズS16着は距離が忙しく息が入らなかった。休み明けだった3走前の京成杯AH1着はテンから速いラップを刻み、後続を突き放す。三分三厘で息を入れ、直線で再び加速して突き放す強い競馬だった。前に馬がいると追いかける習性があり、ハナが絶対条件。マイルならマイペースで競馬ができて息も入れられる。前進を。

先行予想
◎ダイワメジャー
○キンシャサノキセキ
▲ハットトリック
△マイネルスケルツィ
×デアリングハート
×ステキシンスケクン
 
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