中央競馬徹底研究!

2022年は客観的な予想を心がけます。

京都大賞典(GⅡ)

2007-10-10 00:36:19 | 回顧
【馬場】開幕週Aコース。(芝コース) 野芝約12~14cm、洋芝約12~16cm。高速馬場。

13.1 - 11.5 - 11.7 - 12.6 - 12.5 - 12.4 - 12.7 - 12.7 - 11.6 - 11.4 - 11.1 - 11.5=2:24.8

【展開】逃げ馬不在でデルタブルースがハナ。トウショウナイトがピッタリ2番手に付くも、無理に競り合うことなくスローな流れ。向こう正面ではそこまでペースが落ちなかったが、3角手前から流れが緩む。ここで前とポップロック、インティライミなどの中団勢が4~5馬身圏内となる。ペースの上がった下りで一気に馬群が固まり、直線の切れ味勝負に。

 背筋痛に爪の病、ディープ世代のダービー2着馬インティライミが紆余曲折を経て5歳秋に充実期を迎えた。10㌔減だった前走から2㌔増。僅かでも増えていたのは好材料だった。レースでは好発を決め、一旦は先頭へ立とうかの勢い。少なくとも一年前のインティライミならそこから掛かってハナに立っていただろう。だが、この日は顎をグッと引き、鞍上と人馬一体となり完璧な折り合いを見せる。発馬後300㍍のホームストレッチでアルナスラインの直後に控え、脚をタメる。その後は後方のインでひたすら我慢の競馬。緩急の激しくなった三分三厘でも慌てることなく手綱は動かない。直線に入り、ライバルのポップロックが仕掛けても動かない。馬群に突っ込むのではなく、あえてロスを承知で大外へ。ようやく残り300㍍のところで手綱が放たれると、グングンと重心が低く手先の軽いフットワークで急追。ゴール前では他馬が止まって見えるくらいの豪脚で一気に差し切った。今夏の宝塚記念から全身を使ったフォームになり、凄みを増している。府中の2400㍍が楽しみ。

 2着のポップロックは予定したい豪州遠征を断念し、ここへ。久々だったが、好仕上がり。3番枠から無理することなく中団のインへ。さすがは歴戦の古馬だけに折り合いは完璧。終始、経済コースを通り直線も最内に進路を取る。残り300㍍のところから仕掛けを開始。鞍上の左ステッキに応えてグイッと突き抜ける。だが、勝ち馬にゴール前で豪脚を使われては万事休す。切れ味で劣ってしまった。できればテンからもう少し速い流れになってほしかったか。

 3歳馬アルナスラインは久々で少し攻め不足だった。発馬直後に鞍上が抑えるのに苦労する行きっぷり。発馬から300㍍のスタンド前でマキハタに寄られて逆手前になり、少しリズムを崩す。その後はスムーズな折り合いを見せ、中団外めを追走。ペースの上がった4角でズブさを見せて手綱に余裕がない。直線で鞍上が強引に右手綱を引いて内へ。スパッとは切れなかったが、ジワジワと脚を使って3着。久々の実践で古馬相手に大健闘。道中の追走ぶりからは長距離向き。一度使われて勝負どころの反応も良くなるはずだ。あとは強引な競馬だっただけに疲れが心配。

 4着のダンスアジョイは道中、最後方のインで折り合いに専念。3角あたりから除々に手綱を押して仕掛けを開始。インをうまく活用し、無駄のないコース取り。直線で若干スブさを見せて反応は悪かったが、ラスト1ハロンは目を見張る伸び脚だった。芝でもやれることを証明したし、これからが楽しみ。

 デルタブルースは久々で余裕残しの仕上げ。レースでは手綱を押してハナへ。トウショウナイトにマークされる形になったが、道中はプレッシャーをかけられることなくスムーズな競馬。ペースを上げた4角でスブさを見せて反応が悪い。外のトウショウナイトに並ばれることになったが、そこからがGI馬の底力。直線で内へモタれるのを矯正し、手前を替えて懸命に粘る。苦手な瞬発力勝負の流れで小差。久々でこれだけやれれば十分だ。

毎日王冠(GⅡ)回顧

2007-10-10 00:34:05 | 回顧
【馬場】開幕週のAコース。(芝コース) 野芝約8~10cm、洋芝約12~16cm。高速馬場。

12.9 - 10.6 - 10.9 - 11.5 - 11.6 - 11.9 - 11.4 - 11.6 - 11.8=1:44.2

【展開】押してコンゴウがハナ。入りの1ハロンは緩い流れだったが、掛かったストーミーカフェがハナを奪った3ハロン目が10秒9。テンから速い流れになり、中盤も11秒5-11秒6と全く緩まない。有力どころは2番手のコンゴウリキシオーを目標に、ダイワメジャー→ブライトトゥモロー→チョウサンと緊迫した道中。流れの緩んだ4角で一気に馬群が縮まり、早めに抜け出すコンゴウ、ダイワに、外からチョウサン、アグネスの強襲。開幕週でも差し馬有利となった。

 まさかまさかのレコードV。準オープンを勝ちあがったばかりのチョウサンが、GI4勝馬を差し切り、1分4秒4のレコードでGⅡ制覇を飾った。道中は後方で折り合いに専念する形。緩みない流れでスムーズな折り合い。前のブライトトゥモローを見ながら4角で痺れる手応え。坂上で外めへ持ち出し、鞍上の懸命なアクションに応え、粘り強く伸びる。ゴール前100㍍で左手前に替え、もうひと伸び。底力に満ちた末脚だった。展開が向いたことは確かだが、差し馬も厳しい流れを追走している。それでいて自身ラスト1ハロン11秒5としっかり踏ん張っている。決してフロックではない勝ち方だ。天皇賞でも楽しみ。

 アグネスアークは道中、後方の外めを追走。速い流れでスムーズな折り合い。ちょうど勝ち馬の外。4角で内からエイシンデピュティに張られ、狙っていた進路を取れず大外へ回るロス。それでも、長くいい脚を使い、ゴール前100㍍のところで外へ膨れ気味になりながらも懸命の追い込みで2着に来た。

 圧倒的1番人気に支持されたダイワメジャーだったが、秋緒戦を飾ることができなかった。道中は緩みない流れを、インから好発を決めて4番手追走。無理に競りかけることなく余裕十分の追走。目標を前のコンゴウリキシオー一本に絞り、3角でジワッと差を詰める。3、4角中間で馬体を併せ、4角では抑え切れない手応えで抜き去る。直線の坂上でハミをかけ直し、仕掛けを開始。坂を上った残り300㍍地点では左ステッキ2発が注入される。だが、伸びるどころか外へ膨らんでしまい、反応が鈍い。そこから右→左→右と何度も手前を替え、必死の粘りを見せるも、最後は差し馬2頭に交わされてしまった。かなりの乱ペースを早めに追いかける形。いくらGI4勝馬とはいえ、休み明けでこの流れでは厳しかったか。ただ、道中の行きっぷり、最後の粘りはさすがのもの。次走はもう少しタメて。

 ブライトトゥモローは発馬直後に手綱を押して前へ。中団前目から終始、前のダイワメジャーを見ながらの道中。ダイワが動いた4角でジワッと差を詰める。直線の坂上で1馬身差まで迫り、坂を上りきったところで鼻っ面を並べる。だが、そこからの脚色が鈍り、逆に突き放されてしまった。人気を背負い、前2頭を自ら捕らえ行く強気の競馬が裏目に出てしまった。末脚を生かすほうがいい。

 コンゴウリキシオーは案の定、テンのダッシュ力は鈍かったが、そこからジワッとハナへ立つ。だが、流れに乗り始めた3ハロン目で、外からストーミーカフエに競りかけられる。無理な競り合いは避け、スンナリと2番手に控える。4角手前でジワッとダイワにプレッシャーをかけられ、4角では交わされる。それでも、鞍上は慌てることなく手綱をガッチリ持ったまま。直線で楽な手応えで坂を上り、そこからゴーサインを出す。一旦は二の脚を使い、突き抜けゴール前100㍍まで粘る、粘る。最後は力尽きてしまったものの、休み明けで長距離輸送を挟んでプラス6㌔。明らかな太め残りだったし、厳しい競馬。中身は濃かった。