中央競馬徹底研究!

2022年は客観的な予想を心がけます。

秋華賞(GI)ほか展望

2006-10-12 22:47:08 | 見解
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さて、今週はGIの秋華賞のほかに、日曜日の東京競馬場ではエリザベス女王杯の前哨戦、府中牝馬Sが行われる。中心は中距離で安定した末脚を発揮するディアデラノビア、HペースのクイーンSを三分三厘から抜群の手応えで余裕綽々に押し切ったデアリングハート、同2着のヤマニンシュクル。その他にも得意の札幌で牡馬相手に善戦したレクレドール、ヴィクトリアM4着のコスモマーベラス、夏場にメキメキ頭角を現してきたサンレイジャスパー、切れ味満点のスプリングドリュー、実力馬ウイングレット、エイシンテンダーなども有力。穴はヤマニンメルベイユ。前走の新潟記念9着は厳しい流れを先行し、持ち味を生かせなかった。Tシロッコとの競り合いを制した2走前の再現ができれば。あとは土曜日のメイン、神無月Sではケイパブルバイオに注目。


 3歳秋の女王決定戦第11回秋華賞(GI)は、無敗のオークス馬カワカミプリンセス、前哨戦のローズSを快勝したアドマイヤキッス、米オークス2着のアサヒライジングなど、相当たるメンバーが揃い、レベルの高い一戦となりそうだ。舞台は京都内回り2000㍍。平均ペースの逃げ馬アサヒライジングに、なし崩しに脚を使わせる作戦のシェルズレイ、逃げて素質開花のブルーメンブラットなど、逃げ、先行馬が揃った。有力どころは早めに動きたいFパンドラを目標にAキッス、Kプリンセスも動く。流れは厳しくなりそうで、穴を開けるとすれば後方勢か。

カワカミプリンセス
前走の優駿牝馬1着はYファビルの暴走によって超Hペースの縦長の展開。道中はその流れを中団追走。折り合いもスムーズで、向こう正面で除々にポディションを上げいく正攻法の競馬。直線で逃げ粘るAライジングを捕らえて、最後は外へ膨れながらも他の追随を振り切った。競走馬としの底力が求められる厳しい競馬で、本来ならわずかキャリア3戦のこの馬には酷。だが、同馬は意に介さなかった。しかも、かなり早めに動く横綱競馬で着差以上に中身は濃い。終いの脚はもの凄いレベルだ。前々走のスイートピーS1着は口を割りながらも何とか中団で抑えられる道中。勝負どころでロスを避けるためか、外々を通る。直線へ入ると、長くいい脚を使って一完歩毎に詰め寄って差し切った。終いの脚はお見事だった。遅生まれで数週間前には歯代わりがあったほど。ひと夏越しての成長はどの馬より高い。久々のハンデを差し引いても大崩は考えられない。

アドマイヤキッス
前走のローズS1着はポンと好発を決めると、外枠ながらスッと中団のインを奪取。このあたりは百戦錬磨の武豊騎手の成せる業。そこからは、ひたすら折り合いに専念。勝負どころで余裕綽々にFパンドラを射程圏に捕らえると、バテ馬を避け、再びイン強襲。逃げ込みを図る2着馬を、抜群の切れ味でゴール寸前、捕らえた。鞍上のマジックもさることながら、この馬の決め手も強化されている。前々走の優駿牝馬は14㌔減った桜花賞から増減なし。道中は後方で折り合いに専念。おっとりした気性でスムーズな追走。3~4角で2着馬とともにポディションを押し上げ、直線入り口では並びかける勢いだったが、そこから距離適性の差が出て失速。4着を確保するのが精一杯だった。Yファビルの作る暴走ペースで距離のごまかしが利かなかった。器用さがあり、京都内回りは歓迎。距離も2000㍍は守備範囲だし、春の雪辱の舞台は整った。

アサヒライジング
前走のアメリカンオークスは不利がありながら2着確保。異国の地での快挙はならなかったが、現3歳牝馬路線のレベルの高さを証明した。前々走の優駿牝馬3着はYファビルの作る暴走ペースを離れた2番手追走。この馬もかなり速いラップで追走したし、難しい立場。この厳しい展開の中、直線で単独先頭に立ち、ゴール前まで懸命に粘った走りは高く評価できる。中距離で平均的なラップを刻む逃げを得意とする。京都内回りで後続に早めに来られる点は歓迎できないが、底力は相当なもの。久々でも乗り込みは十分。戴冠の可能性はある。

フサイチパンドラ
前走のローズS3着は下見どころから凄まじい気合い乗り。道中は例によって2番手へ。だが、1角で口を割って行きたがると、その後も折り合いを欠く。ようやく向こう正面終盤で折り合うも、直後にAキッスがじわり迫り、厳しい立場に追いやられる。直線での叩き合いであっさり敗れると、3着を死守するのが精一杯だった。前々走の優駿牝馬2着は金曜日輸送の効果でプラス14㌔とフックラした馬体。下見所では落ち着いていたが、スタンド前発走のためイレ込む。これでは懸念された折り合いが難しいと思ったが、Yファビルの作った暴走ペースで、中団で折り合うことに成功。向こう正面まで併走していた勝ち馬より仕掛けを遅らせ、直線入り口の坂を上り切ったところでは鼻っ面を合わせるも、ラスト1ハロンで突き放されてしまった。レース前のイレ込みが悔やまれる。切れ味勝負では劣るのは確か。平均ペースの持続ある流れで台頭する。その意味では京都内回りは歓迎のクチ。中間はハミを替え、舌を縛っている。

キストゥヘヴン
前走のセントライト記念5着は久々でイレ込みが激しく、発汗が目立った。道中も折り合いを欠き、力みながらの追走。しかも、4角で落馬の煽りを受ける不利。直線で大外からジワジワ伸びたものの、勝ち負けまでには至らなかった。前々走の優駿牝馬6着は発馬直後に手綱をグッと抑えて後方から。今回もAキッスをマークしながら。直線入り口までは理想的な競馬だったが、そこからの伸び脚が今ひとつ。最後は完全に脚が上がってしまった。距離適性が出た。3走前の桜花賞はマイルの速い流れを後方からAキッスをマーク。4角で除々にポディションを上げていき、直線で大外へ。ゴール前で凄い切れ味で一気に差し切った。速い流れの中で切れ味を生かす。1ハロンでも距離が短くなるのはプラスだし、小回りもいい。今回も火曜追いで早め入厩のパターン。当日、落ち着きがあれば巻き返しは当然期待できる。

サンドリオン
前走の紫苑S1着は初芝。縦長のHペースの展開を中団追走。勝負どころでズブさを見せて決して手応えは良くなかったが、直線で追い出されると力強いフットワークで駆け抜けた。迫力満点の馬体は牝馬とは思えないほどの逞しさ。芝2戦目の今回は行きっぷりも変わってこよう。今回も展開は向きそうだ。

ブルーメンブラット
前走の大倉山特別1着はスッとハナを奪うと、スローの一人旅。三分三厘から加速すると、4角から直線にかけて11秒1と加速。後続を突き放して逃げ切った。前々走のクイーンS6着は予想外の乱ペース。外枠発走のため行くことができず、1角で中団に控える。そこから戸惑うことなく追走したものの、直線で見せ場なく。今春の優駿牝馬9着は故障馬の煽りを受けて手綱を引っ張る不利。それでも、直線で盛り返した。現状では前へ行って粘る競馬が合っている。ベストはマイル前後か。

シェルズレイ
前走のローズS2着は発馬直後から行きたがる。2角では我慢できずにハナへ。そこから12秒1-12秒1と速いラップを刻むも、幸い他馬は付いて来なかった。3角で息を入れて4角で再び加速。変幻自在の逃げで他馬を幻惑させると、後続を突き放す。最後の最後まで粘ったが、ゴール前で勝ち馬に差された。展開に恵まれた感は否めないが、3着以下は突き放しているし、時計も優秀。決して切れる脚はないが、前々で粘り強い走りをする。今回も淀みない流れに京都内回りは差し馬有利になりやすいが…。

ソリッドプラチナム
前走のローズS5着は発馬直後に他馬に挟まれ、行く気をなくした。最後方待機から4角で大外へ持ち出すと、直線はジリジリとしか伸びなかった。2週連続で速い時計を出したものの、明らかな急仕上げだった。休養前の前々走、マーメイドS1着は49㌔の軽量に恵まれたものの、今回と同じ京都内回りで直線一気の豪脚を披露。切れ味の鋭さは現役屈指だろう。一度使われたことで馬体も絞れてこよう。展開待ちだが、怖い一頭。

コイウタ
優駿牝馬のレース中に故障発生。鞍上の好判断で、軽症で済んだのは不幸中の幸いだった。桜花賞3着で小差の3着に駆けているように、3歳牝馬路線で上位の力があることは間違いない。ただ、ぶっつけでやっと間に合った感は否めず。

ヤマトマリオン
前走のローズS12着は道中、良いリズムで好位を進むも、三分三厘で手応えが怪しくなり、直線では見せ場なく失速した。休養前の優駿牝馬13着はスタンド前発走で馬が硬直し、走れる状態ではなかった。フローラS勝ちはあるものの、このメンバーに入るとパンチ不足は否めない。

ニシノフジムスメ
前走のローズS4着は攻めで動いて好仕上がり。下見どころから落ち着き十分だった。道中は中団外目を追走。勝ち馬とほぼ同じ位置。勝負どころでも外目を通り、手応えが怪しくなりながらも、ジリジリ伸びた。コース差はあったとはいえ、勝ち馬とは決め手の差を見せられた感じだが…。休養前の優駿牝馬5着は発馬で後手を踏む。そこから鞍上が抑えるのに苦労するくらいの行きっぷり。向こう正面では掛かって前へ。Fパンドラに前をカットされる不利もあった。直線入り口でも両サイドからプレッシャーをかけられる厳しい競馬。最後は脚色が鈍ってしまった。スムーズならもう少しやれたか。善戦はするが、勝ちきるまでの決め手には欠ける印象。3着争いか。

シークレットコード
前走のローズS11着は終始、見せ場なく。状態一息だったか。休養前の優駿牝馬も故障明けでやっと間に合って出走。しかも、超Hペースの底力を要求される展開では致し方なし。直線で一瞬は見せ場を作った。新馬戦を抜群の切れ味で快勝し、2戦目の阪神JFで2着に駆けた素質馬。一度使われた変わり身に注意。

タッチザピーク
揉まれ弱さはあるが、この中間は坂路で好時計を連発。紅梅Sで外を回って圧勝した強さは忘れなれない。鞍上は控えて終いを生かす競馬を示唆。外枠を引けば怖
 

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毎日王冠(GⅡ)回顧

2006-10-09 23:35:55 | 回顧
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【馬場】開幕週のAコース。中間に豪雨があったが、クッションの利いた素晴らしい馬場。時計速い。

12.5 - 10.9 - 11.3 - 12.0 - 12.1 - 12.1 - 11.3 - 11.0 - 12.3

【展開】メジロマントルがハナ。2ハロン目から10秒9-11秒3と速いラップを刻み、全体的に淀みない流れに。4角で前のダイワを目標に、好位のダンス、ローエンが早めに動き出し、後方勢はラスト1ハロンで懸命の追い込み。

もう鬼門とは言わせない。関東馬のダイワメジャーが、抜群の勝負根性で実績のなかった府中でGⅡを制した。道中は平均ペースの流れを、大外枠発走からスッと2番手へ。終始、〝攻め〟の姿勢で積極的な競馬。4角でダンスに早め来られて直線へ。その入り口の坂上、鞍上が懸命に手綱を押すが、なかなか反応しない。そこから左ステッキが入ると、外へ大きく寄れてしまう。その際にダンスと接触し、一旦は2番手へ下がる。だが、そこから粘りに粘り、ゴール前で再び差し返す芸当でV。スピードの持続力を生かせる流れが幸いした。

2着のダンスインザムードは本当に気性面で成長した。以前の休み明けはチャカついてレース前に激しく消耗していたが、この日は落ち着き十分。年を重ねたことでドッシリした。道中は平均ペースの流れをジワッと好位追走。前のダイワ、横のアサクサを見ながらの最高位。終始、引っ張り切りの手応えで4角では抑えきれずに早めに進出。直線入り口で早々先頭へ並びかける。だが、そこで内のダイワに寄られて激しく接触するアクシデントが。怯むことなく一旦は抜け出しにかかったものの、その影響からゴール前で脚色が鈍ったところを差し返された。休み明けで安田記念時より22㌔増。多少なりとも余裕があったのは間違いない。本番へ向けて最高に試走となった。前へ行けるスピードがあって、尚且つ良い脚を使う。落ち着きが出た今、ポカは考えられない。

本命視したローエングリンは惜しくも3着に敗れた。道中は外枠発走から前に馬を置けず、若干力みながらの追走。三分三厘ではハミをグッと噛み、抑えきれずに早めの仕掛けせざるを得ず。直線入り口ではビュッと鋭い脚を使い先頭争いへ。ラスト1ハロン地点までは見せ場たっぷりだったが、ゴール前で脚色が鈍り、3着を死守するのが精一杯だった。内枠から前に馬を置き、ギリギリまでタメることができれば勝っていたかも。道中の行きっぷり、直線の一瞬の脚から、衰えは皆無。

マルカシェンクは煽り気味の発馬で後手を踏む。そこから仕掛けて中団へ。その後はスムーズな折り合い。直線で外目へ持ち出すと、ジワジワ伸びたものの、差し切れず。淀みない流れを経験するのは初めてだったし、久々でプラス10㌔。軽い骨折明けで急仕上げだった。ここを叩かれての上積みは当然、見込める。

カンパニーは道中、例によって後方からの追走。だが、手綱のアクションに余裕がなく、追っ付けながらの追走。直線で大外へ持ち出されると、ジリジリとしか脚が使えず。久々は走らない傾向か。直前で速い時計を出したものの、余裕残しだったのは確か。

テレグノシスの道中は良い感じ。4角でも手応えが残っていたが、思ったほど弾けず。確かに、開幕週で大外へ持ち出す不利はあったが…。

7着のグレイトジャーニーは中団馬群追走から、ビュッと鋭い脚を使い、差し切るかの勢い。だが、ゴール前で完全に脚が上がってしまった。一瞬の決め手はGI級。直前の短いコースで追い出しを我慢できれば。マイルCSで。

オースミグラスワンは次へ繋がる中身の濃い競馬だった。煽り気味の発馬で後手を踏む。その後は腹を括って最後方のインで脚をタメる。直線で馬群のなかに突っ込むと、長くいい脚を使ってジワジワ追い込む。上位争いへは加われなかったが、どこまでも突き抜けそうな勢いだった。大トビで豪快なフットワーク。1800㍍は短かった。本番の1ハロン距離延長は勿論、歓迎。大型馬だけに休養明け3戦目となる次走は、更なる上積みが望める。

サクラメガワンダーは後方追走で脚をタメる。直線で大外へ持ち出されると、左右に膨れて若さを見せる。そこから、グイッと鋭い脚を使う。だが、ゴール前300㍍地点で脚が止まってしまった。直線の長いコースは合わない。一瞬の決め手の鋭さは一級品。中山、阪神あたりで追い出しを我慢できれば。まだ、終わってない!

ハットトリックは発馬で大きな後手を踏む。その後もレースの流れに乗れず。勝負どころで手綱が動くのはいつものことだが、直線で伸びる気配すらなかった。59㌔で久々。次走以降へ向けて余裕残しだったのは確か。昨年のこのレースもこのうような感じで、天皇賞で見せ場→マイルCS、香港マイル制覇の偉業を成し遂げている。中間の攻め過程に注目。

1番人気のアサクサデンエンは終始、好位のイン追走。1,2着馬を見ながら経済コースを通れた。だが、直線で反応がなく、そのままズルズル後退。どうしたのか。叩かれて前進を期待したいが。

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日曜日狙い

2006-10-08 00:22:20 | 最終結論
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東京11R 毎日王冠(GⅡ)
◎ローエングリン
○クラフトワーク
▲アサクサデンエン
△ダンスインザムード
×ハットトリック
×メジロマントル
☆カンパニー
【見解】
GI馬6頭をはじめ、GⅡには惜しいくらいの超豪華メンバーが集まった。狙いは復活を期すローエングリン。前走の京成杯AH4着は発馬直後にスッと後方に控える。終始、引っ張り切りの手応え。だが、馬群を嫌って4角で大きく外へ持ち出すロス。そこから長くいい脚を使って追い込むも、届かず。それでも、メンバー最速上がり34秒3の末脚は際立っていた。前々走の関屋記念4着は発馬で行き脚つかず。後方で行きたがるのを懸命に抑える。直線入り口で内目を突くと、グッと鋭い反応。一旦は先頭へ躍り出るかの勢いだったが、馬場の悪いところを取らされた影響と展開不向きで差し切れなかった。それ以前は、前へ行ってはパッタリ止まるレースばかりを繰り返し、淡白な競馬が続いていた。差す競馬3戦目で、鞍上も手応えをヒシヒシと感じている。ここ2走は勝ちに等しい内容。広い府中は勿論、歓迎だ。能力を出し切れればここでも通用する。攻め絶好。期待大!


京都11R 京都大賞典
◎インティライミ
○ストラタジェム
【見解】
ダービー2着馬インティライミが万全の状態で復帰戦を迎える。春は裂蹄と反動に悩まされ、全く競馬ができなかった。底力は言うまでもなくGI級。久々でもDWでビシビシ乗られている。相手は天皇賞3着馬ストラタジェム。息の長い末脚京都2400㍍はピッタリ。鞍上には早め早めの仕掛けを期待したい。

京都9R 堀川特別
◎ケンブリッジマイア
【見解】
軽量3歳馬ケンブリッジマイアを本命視。前走の紫苑S5着は2頭が飛ばす縦長の速い流れを3番手追走。かなり厳しい展開だったが、三分三厘からはOOサイトと競り合い、一旦は先頭へ躍り出る。坂上で脚が止まっていまったが、先行馬壊滅の展開を考えれば見せ場十分だった。ここは牡馬相手でも、51㌔なら。



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毎日王冠(GⅡ)展望

2006-10-05 11:03:20 | 見解
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今週はGIの谷間だが、GI以上のメンバーが揃ったGⅡの毎日王冠がある。天皇賞、マイルCS路線の有力どころが一挙に集結した。

ローエングリン
前走の京成杯AH4着は発馬直後にスッと控える。最後方で終始、引っ張り切りの手応え。勝負どころでゴチャつく内を嫌って大外へ。直線を向く時にかなり外へ膨れるロス。そこから長くいい脚を使って追い込むも、さすがに届かず。それでも、メンバー最速上がり34秒3の脚でしっかり見せ場を作った。前々走の関屋記念4着も発馬で後手を踏み、意を決して後方からの競馬。直線で馬群がバラけたところで、最内を突く。鋭い脚で見せ場を作ったものの、展開不向きで馬場の悪いところを通っては、あれが限界だった。以前は無理に前へ行き、失速を繰り返していた。この辺りは03年の天皇賞秋で起きた悲劇が多分に影響していた。だが、テンに無理せず、折り合いに専念したここ2走は、復活を予感させるに相応しい内容だ。今なら広い府中に替わるのは大きなプラス。切れ味はかなりのもの。直線まで我慢できれば、期待は大!!

アサクサデンエン
前走の安田記念2着は不利な外枠発走のため、道中は無理せず後方から。これは中途半端に前へ行くと外を通らされると考えた鞍上のファインプレー。だが、如何せん流れが落ち着いてしまった。直線を向くと馬群を縫うように狭いところをスッと突いて懸命に脚を伸ばす。勝ち馬には突き放されたが、同じメンバー最速上がり3ハロン33秒8の脚は存分に存在感を示した。ドバイ遠征明けで帰厩が遅れたが、直前の攻めで動いて体調は持ち直していた。昨年の天皇賞・秋4着では道中、ダンスのすぐ後ろ好位の5番手から追走。流れを考えれば絶好のポディションだった。直線を向いてエンジンの掛かりが遅かったが、加速してからは鋭い脚を使った。夏負けの影響で帰厩が遅れ、ぶっつけのローテながら大健闘した。府中は安田記念勝ちを含めて11戦6勝と滅法得意としている。底力は相当なもの。8月下旬から熱心に乗り込まれて態勢は万全。

ダンスインザムード
前走のアメリカGⅢ戦は大外捲りで圧勝した。前々走の安田記念5着は不完全燃焼の競馬で脚を余した。Vマイル優勝とほぼ同じ1枠2番。ただ、発馬直後に外の馬がギュッと内へ押し寄せる。それを嫌って後方で無理せずの道中。しっかり折り合いも付いて手応え抜群。だが、直線も最内を突くが、なかなか前が開かず。ようやくラスト1ハロン地点から追い出すも、とき既に遅し。スムーズな競馬ができなかった。3走前のVマイル1着は落ち着き払って威風堂々とした姿。それが功を奏して好位差しで初代女王の座に輝いた。前日の降雨が上がり、やや重まで回復した馬場は、最内がしっかりと踏ん張りが利き、真ん中より外目が深く追い込みづらい馬場。最内枠発走の同馬にとって願ってもない条件だった。レースではマイネサマンサの作るスローの流れを5番手のイン。遅い流れでも引っ張り切りの手応えで何とか折り合った。4角から直線にかけても抜群の手応え。いつ抜け出してもおかしくなかったが、鞍上の北村宏騎手はギリギリまで追い出しを我慢。残り1ハロン地点で満を持して追い出されると、ビュッと鋭い末脚で加速。そのまま他馬の追随を許さなかった。上がり3ハロンは33秒8。絶好の手応えでも仕掛けを焦らなかった鞍上の判断は素晴らしかった。先行、差し、どこからでも切れる脚を使える。休み明けでも仕上がり◎

ダイワメジャー
前走の宝塚記念4着は道悪で1ハロン長い2200㍍でも見せ場を作った。前々走の安田記念4着はハナへ立ったMボーラーが折り合いに専念したために、流れが落ち着いた。しかも、最内枠発走でスムーズに自ら動くことができず、直線の瞬発力勝負に。ラスト1ハロン地点までは懸命に抵抗したものの、最後は決めての差がモロに出てしまった。昨年のマイルCS2着はローエングリンの作る平均ペースの流れを引っ張りきりの手応えで2番手追走。終始、余裕のある走りで直線入り口では持ったまま、先頭へ躍り出る。ダンスとの競り合いを制して完全に突き抜けるも、ゴール前で勝ち馬の決め手に屈した。切れる脚がないだけに、これ以上ない内容だった。スピードの持続力を生かして、そのまま押し切る競馬が持ち味。理想の条件になれば無類の強さを発揮する。だが、府中は5戦して連対がないように、鬼門。直線の長いコースではどうしてもパフォーマンスが下がってしまう。昨年のこのレースもハナへ立つも、スローで持ち味が生かせなかった。早め早めの競馬でどこまで。

ハットトリック
前走の宝塚記念7着は直前の降雨でかなりの極悪馬場。切れ味勝負の同馬にとっては辛かった。前々走の安田記念13着は課題の発馬をクリアすると、中団のインと絶好位追走。直線入り口でも抜群の手応えで、最内を突く。だが、バテたメイショウボーラーの内にできた僅かな進路を突くも、捌けず仮サクに接触する大きなアクシデント。手応えがあっただけに残念無念だった。エンジンの掛かりは遅いが、昨年のマイルCS1着を見て分かるとおり、トップギアに入れば凄まじい切れ味を使う馬。その意味では府中コースは大歓迎。以前に比べると、前へ行く脚も身に付いた。ただ、叩き良化型であることは確か。目標はまだ先。

テレグノシス
前走の関屋記念3着は道中、後方のインで末脚をタメる。直線入り口ではインで仕掛けを待つ。そこから外目へ持ち出されると、ジワジワと懸命な伸び脚を見せる。だが、超スローの流れで58㌔を背負っていてはここまで限界だった。展開の不向きが悔やまれる。前々走の安田記念9着は直前の攻めで絶好の動きを見せ、状態は良かったが、見せ場を作れず。GIでは限界があったか。一昨年のこのレースを制し、昨年も2着。府中なら確実に追い込んでくる。メンバーが強く、急仕上げは否めないが…

カンパニー
前走の宝塚記念5着は雨でぬかるんだ馬場に泣かされた。道中は後方待機で末脚を温存。終始、内々を通ってロスのない競馬。直線も最内を突くも、内へモタれて伸びきれず。やはり、切れ味が身上の馬だけに良馬場でやりたかった。前々走の安田記念11着は道中に何度も不利を受け、全く競馬にならなかった。度外視。昨年の京阪杯1着は一貫した流れを一頭だけ違う切れ味で快勝。ここ2走は条件に恵まれていないが、このメンバーでも切れ味は屈指。休みだけで万全とはいかまいが、天皇賞へ向けて良いレースを。

クラフトワーク
前走のエプソムC11着は道悪。発馬で後手を踏み、全くいいところがなかった。前々走も道悪で状態が本物ではなかった。休養前のAJCCが圧巻の内容。緩みのない厳しい流れを中団のイン追走。勝負どころでAシェイディが早めに動く中、ワンテンポ遅らせた仕掛け。直線で力強く抜け出して快勝した。04年の函館記念ではファインモーションを完封するなど、中距離では底が割れていない。この中間は札幌→美浦とジックリ乗りこまれ、態勢は整っている。

マルカシェンク
前走の東京優駿4着は発馬が悪かった。道中は中団の内目で末脚をタメる。終始、内の経済コースを通れた。直線でも最内を突くと、狭いこところを一瞬の脚で抜け出してきた。最後は脚色が鈍ったものの、見せ場は作った。前々走の京都新聞杯5着は骨折明け。やっと間に合った感じだった。レースでは超スローのため発馬直後から行きたがる。それでも、鞍上は本番を意識して手綱をガッチリ抑えたまま。1角あたりは折り合いが付いた。残り4ハロンからペースアップする流れを外目へ持ち出す。メンバー最速上がり3ハロン33秒0の脚を繰り出すも、この展開で大外を通っては勝負にならなかった。今回も骨折明けとなる。急仕上げ感は否めない。

サクラメガワンダー
前走の東京優駿10着は3~4角で手綱が動き、直線入り口の坂付近では伸びかけたが、上ってからは完全に脚色が鈍った。ラジオたんぱ杯2歳S1着でAムーンを差し切り、クラシック候補1番手に躍り出たが、その後はスランプ。立て直した今回、先に繋がる内容を。

グレイトジャーニー
前走の札幌記念7着は道中、スローの流れを中団馬群のなかで末脚をタメる。折り合いもスムーズで良い感じの追走。だが、いざ追い出されると持ち前の一瞬の決め手を生かすことができなかった。元々、集中力を欠く癖のある馬。鞍上も言うように忙しい追走のほうがいいかも。前々走の安田記念8着は道中、終始外を通らされるロス。中団馬群を仕掛けながらの追走。直線入り口から一旦は先頭へ踊り出るかの脚色。だが、ラスト1ハロンでそれが鈍ってしまった。ダービー卿CT1着の切れ味が示すとおり、一貫した流れのなかでの切れ味は一級品。だが、ここも一貫した流れになればだが、府中では…。マイルCSで期待。

ロジック
ワンペースの走りをする馬で、切れる脚は使えない。前走の東京優駿は馬場が悪く、超スローでも切れ味は要求されなかった。前々走のNHKマイルCはインでタメるだけタメて差し切った。ここも平均ペースの流れになれば出番ありだが、切れ味が要求されると厳しい。久々でも、攻めは丹念に乗られている。

オースミグラスワン
豪快なフットワークが魅力。前走の新潟記念6着は気合いを入れて中団からの競馬。だが、思いのほか、伸び切れなかった。大型馬だけに久々は厳しかった。休養前の新潟大賞典1着は差し馬向きの流れを豪快に差し切っている。勿論、広い府中は大歓迎のクチ。できれば、もう少し距離があったほうがいいか。

サイドワインダー
近走は不振が続いていたが、前走の京成杯AH7着は久々に見せ場を作った。今回も展開待ち。

ダイワバンディット
取り消し明け。先行馬少数で展開に恵まれ、どこまで。

メジロマントル
単騎逃げ濃厚。前走は向こう正面から飛ばし、アルファフォーレスに競られる苦しい展開。前々走のエイプリルSもコンゴウリキシオーがいては辛かった。マイペースの逃げなら、広い府中でもあるいは。

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スプリンターズS(GI)回顧

2006-10-04 08:54:40 | 回顧
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2006/10/01 4回 中山 8日目 小雨(良)
11R サラ系3歳以上 スプリンターズS(G1) ○国際○指(定量) 芝1200
【馬場】Cコース最終週。例年より時計が掛かる。小雨。内外の差なし。

12.0 - 10.1 - 10.7 - 11.6 - 11.5 - 12.2

【展開】好発の外枠3頭がダッシュ鋭くハナ争い。そのため、テン3ハロン32秒8の速いラップだが、4ハロン目に11秒6と緩む。そのまま押し切りを図る勝ち馬に、そのほかの馬は予想外に苦戦。

 これが世界NO.1スプリンターの走りだ。豪のテイクオーバーターゲットが見事な逃げ切りでGI制覇とともに、Gスプリント優勝を果たした。下見どころから重厚感溢れる馬体は、前走から体重こそ増えていたものの、引き締まって見えた。ポンと好発を決めると、スッとハナへ。同型2頭との併走の形でテン3ハロン32秒8の速いラップを刻む。それでも、4ハロン目に息を入れると、直線でSウィットネスを振り切る。あとは一人旅。圧倒的な強さだった。外国馬で唯一、前哨戦を使って迎えた本番。この中間は熱心に攻めを積まれて本気度が覗えた。

 2着は本命視したメイショウボーラー。下見どころでは闘志を内に秘めて好気配に映った。だが、ゲート入りをゴネて騎手が下馬する事態に。馬もイレ込んでおり、この時点で万事休したかと思った。内枠からダッシュ良く前へ。ハナを切るかの勢いだったが、外から3頭が迫って4番手に控える。勝負どころでの手応えは今ひとつだったが、直線で粘り強い脚を発揮する。結局、後続の追撃を振り切り、2着を死守した。この中間は中2週ながら2週連続で意欲的に追われて状態は最高だった。

 3着はシンガリ人気のタガノバスティーユ。道中は最後方待機で脚をタメる作戦。終始、インの経済コースを通り、ロスなく追走。4角でも他馬が外目へ持ち出す中、一頭だけインを突く。そこから鋭い脚を使ってグイグイ伸びた。久々で馬体も緩く見えただけに、驚いた。

 サイレントウィットネスは昨年比でプラス18㌔。ゲート入り直前には激しく発汗して、やはり太かったか。それでも、抜群の発馬を決めると、スッとハナへ。道中も楽な手応えでハイラップを刻む。4角でも持ったままで直線を向く。だが、そこからの反応が今ひとつで伸び切れなかった。この辺りは太めの影響も多々あったろう。

 ベンバウンは4番手の外目追走。そこから伸びず、バテずで5着入線。

6着のチアフルスマイルは上位3頭がインを通ったのに対し、大外枠発走のため、外々を通らされる。中団馬群が固まったのは誤算だった。それでも、最後はジワジワと伸びているし、坂も問題ない走りだった。ロスさえなければ際どかった。

 8着のシーイズトウショウは前走から4㌔減。その前走が10㌔減っていただけに、やはりギリギリの馬体。道中はスッと好位へ取り付く。勝負どころでオレハとともに、外目を楽な手応えで進出。直線入り口では差し切るかの勢いだったが、坂上で脚色が鈍ってしまった。2つの悪条件が重なる中山はいつまでも鬼門か。

オレハマッテルゼは夏負けを危惧し、入厩が遅れた。その影響でやっと間に合った仕上がり。それでも、この日は12キロ減。道中は無理せず中団追走。勝負どころでSトウショウと併走の形で進出。例によって痺れる手応え。だが、追ってからさっぱり反応せず、馬群に飲み込まれた。久々で大幅に馬体が減っていたように、決して万全ではなかったし、力みもあった。もう少し、我慢できていれば。

 ビーナスラインは中山の前傾ラップに戸惑ったか。

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世界一の凱旋門賞(GI)

2006-10-02 01:39:57 | Weblog
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 世界は広かった-。
 ディープインパクトが挑んだ凱旋門賞。日本から多くのファンが駆けつけ、最終的に単勝1.1倍の圧倒的1番人気に支持された。
 下見どころに現れたディープは落ち着きに溢れ、威風堂々とした姿。それはレースでの好走を予感させるものであった。
一番最後にゲートへ誘導されると、抜群のスタートを決める。スッとペースメーカーの直後に付ける。前に馬を置く形ではなかったものの、リズム良く折り合い、スムーズな道中。途中、シロッコに前へ入られ、手綱を引っ張る意外は至極順調だった。
 〝偽りの直線〟と言われるフォルストレートも無事クリアし、絶好の手応えで直線を向く。待ったまま、残り300㍍から追い出しを開始。この時点で、ほぼ勝利を確信していた。
 だが、日本で見せていた圧倒的な末脚は鳴りを潜め、直後にいたレイルリンクとの激しい叩き合いに。一旦は抜け出すかの勢いだったが、残り50㍍で力尽き、最後方でタメていたプライドにも差されて3着。
 期待が大きかった分、敗戦のショックは大きい。それでも、世界最高峰のレースで素晴らしい走りを披露してくれた。
 初めて経験する叩き合い。今後のディープにとって大きな経験となったはず。いろいろ敗因はあるだろうが、素直に結果を受け入れるべきだろう。
 この後は有馬記念参戦のプランもあるようだが、まずは激戦の疲れを癒すのが先決。春まで全休でもいいと思う。

ディープ、そして関係者のみなさん、お疲れ様でした



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