今でこそモーツァルト、ベートーベン、ショパン、ブラームス、マーラー、ショスタコーヴィチと
クラシックも沢山の作曲家のものを聴いているが、以前はバロック中心でバッハをよく聴いていた。
バロックは大仰な表現のものが少なく、生活に溶け込みやすい気がして、それでいてバッハは心に
残る。オルガン、チェンバロ、ピアノ、室内楽も素晴らしく、大傑作「マタイ受難曲」と幅広い、
中でもパブロ・カザルスの「無伴奏チェロ組曲」は大好きで今でも頻繁にCDをセットする。
モーツァルトやベートーベンのように劇的な人生を過ごしたという話も聞かないし、バッハのエピ
ソードをほとんど知らない。本書で2番目の妻・アンナ・マグダレーナ・バッハが詳細に語ってく
れているので、バッハその人、沢山の曲の背景を知ることが出来た。
大天才バッハはモーツァルト、ベートーベンのような華々しい活躍もしていないし、同時代に活躍
したヘンデルのようにお金持ちにはなっていない。それでも本書に出てくるバッハの音楽に対する
真摯な態度、そしてプライドはあるが自惚れていない、自制心の塊のような性格が300年近い時
を超えて評価される曲として残された。(実際今聴いていてもハッとさせられる事が多々ある。)
生きているときに沢山の評価を得ることがなくても、時が経って評価が確固たるものになる事が本
当の天才かもしれない。それでもアンナという歌手でバッハの曲の一番の理解者を伴侶に得たこと
はバッハにとって幸福だったといえるだろう。映画「アマデウス」のラスト近くのモーツァルトを
見ているとそう思えてしまう。
バッハの思い出 アンナ・マグダレーナ・バッハ 山下肇訳 講談社学術文庫
クラシックも沢山の作曲家のものを聴いているが、以前はバロック中心でバッハをよく聴いていた。
バロックは大仰な表現のものが少なく、生活に溶け込みやすい気がして、それでいてバッハは心に
残る。オルガン、チェンバロ、ピアノ、室内楽も素晴らしく、大傑作「マタイ受難曲」と幅広い、
中でもパブロ・カザルスの「無伴奏チェロ組曲」は大好きで今でも頻繁にCDをセットする。
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モーツァルトやベートーベンのように劇的な人生を過ごしたという話も聞かないし、バッハのエピ
ソードをほとんど知らない。本書で2番目の妻・アンナ・マグダレーナ・バッハが詳細に語ってく
れているので、バッハその人、沢山の曲の背景を知ることが出来た。
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大天才バッハはモーツァルト、ベートーベンのような華々しい活躍もしていないし、同時代に活躍
したヘンデルのようにお金持ちにはなっていない。それでも本書に出てくるバッハの音楽に対する
真摯な態度、そしてプライドはあるが自惚れていない、自制心の塊のような性格が300年近い時
を超えて評価される曲として残された。(実際今聴いていてもハッとさせられる事が多々ある。)
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生きているときに沢山の評価を得ることがなくても、時が経って評価が確固たるものになる事が本
当の天才かもしれない。それでもアンナという歌手でバッハの曲の一番の理解者を伴侶に得たこと
はバッハにとって幸福だったといえるだろう。映画「アマデウス」のラスト近くのモーツァルトを
見ているとそう思えてしまう。
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バッハの思い出 アンナ・マグダレーナ・バッハ 山下肇訳 講談社学術文庫