FBIの重要参考人の殺害から始まる。犯人は「コフィン・ダンサー(棺の前で踊る男)」しかも犯
人逮捕を依頼されたリンカーン・ライムには以前部下を殺された苦い経験がある。犯人を特定しなが
ら物語は単純ではない。読み進めていくと読者がアーーっと声を出してしまうような展開になる。さ
すがにジェフリー・ディーバーだ。独自の犯人像を確立しながら、それを裏切ってくれる。さらに被
害者(感情も含めて)の描写が克明で、その無情な悲惨さに読者の感情は振り回される。
四肢麻痺の天才犯罪科学者のライムの地道な調査能力とひらめきの凄さを改めて思い知らされる一方
で、自ら動いて現場に赴き危険にさらされることのない状況に落胆し、取り乱すライムに気持ちが揺
さぶられる。美貌の持ち主で完璧に思えるサックスの微妙な感情の動きに、もう一人の確立した人格
パーシーの活躍が物語はさらなる拡がりを見せる。
大胆な発想とデティールが何と言っても重要で、物語の展開上全く破綻を感じさせない。ワクワクド
キドキしながら、最後まで読ませるテクニックは見事としか言いようがない。登場人物とチームワー
クのよさに、いつもながら感心してしまう。極上のスリルと興奮を味わわせてくれる。
コフィン・ダンサー ジェフリー・ディーヴァー 文春文庫
人逮捕を依頼されたリンカーン・ライムには以前部下を殺された苦い経験がある。犯人を特定しなが
ら物語は単純ではない。読み進めていくと読者がアーーっと声を出してしまうような展開になる。さ
すがにジェフリー・ディーバーだ。独自の犯人像を確立しながら、それを裏切ってくれる。さらに被
害者(感情も含めて)の描写が克明で、その無情な悲惨さに読者の感情は振り回される。
四肢麻痺の天才犯罪科学者のライムの地道な調査能力とひらめきの凄さを改めて思い知らされる一方
で、自ら動いて現場に赴き危険にさらされることのない状況に落胆し、取り乱すライムに気持ちが揺
さぶられる。美貌の持ち主で完璧に思えるサックスの微妙な感情の動きに、もう一人の確立した人格
パーシーの活躍が物語はさらなる拡がりを見せる。
大胆な発想とデティールが何と言っても重要で、物語の展開上全く破綻を感じさせない。ワクワクド
キドキしながら、最後まで読ませるテクニックは見事としか言いようがない。登場人物とチームワー
クのよさに、いつもながら感心してしまう。極上のスリルと興奮を味わわせてくれる。
コフィン・ダンサー ジェフリー・ディーヴァー 文春文庫