私はお酒が好きで家では週4日ぐらい程々に愉しみますし、たまに何処かへ呑みに行くのも好
きです。最近コロナも落ち着いてきた(増えているという報道もあります)のか、街の飲み屋
さんも人気がある所は予約で一杯です。酒を飲むようになると、子供の頃あまり好きでなかっ
た食べ物も印象がガラリと変わります。大根、ピーマン、ネギ等々子供の頃から好きという訳
ではなかったものが今では大好物(酒のつまみ)で、所謂珍味も結構好きなモノがあります。
人口減少、酒離れによるお酒の国内消費の低迷、そしてコロナ禍で外飲みから家飲みへのシフ
ト、酒類の選択肢の多様化でお酒の消費傾向が大きく変化しています。日本酒は酒税法により、
参入が規制されていますが、それでも新規参入を試みる人もおり、あるいは海外への輸出も盛
んに行われていて、日本食に合わせた日本酒も海外で人気です。日本酒も様変わりして、美味
しい地酒が増えました。
本書ではワイン、梅酒、ジン、さらにはノンアルコールドリンクも取り上げていますが、ジャ
パニーズ・ウイスキーも世界的に有名になってきました。日本人は量を飲むわけではありませ
んが、そもそも海外では特別の日にお酒飲むという人が多いようです。一回の飲む量が少なく
ても、ほぼ毎日お酒を飲む日本は珍しいようです。
日本の居酒屋は食べたいとき、飲みたいときに随時注文できるという、海外ではあまりない独
特のスタイルのようです。そこではコミュニケーションが店と客との間で双方向的で、新しい
メニュー、素材の仕入れにヒントが生まれます。店では常に客の反応がダイレクトに伝わるよ
さもあるでしょう。日本の食に対するこだわりが、酒文化に影響を与えていると思われます。
お酒はこれからどうなるか 都留康(つる つよし) 平凡社新書